3つの基本戦略 2.新たな顧客価値の創造

当社グループ内外から各事業を通じて得られる膨大なリアルデータの利活用は、人の生活をより豊かにする大きな付加価値を生み出すとともに、持続可能な社会の実現および企業価値の向上にもつながっていくと考えています。
SOMPOの強みである保険事業・介護事業に加えて、デジタル新規事業の立ち上げにより新たに獲得できるリアルデータと、提携パートナー企業が保有するノウハウ・技術力を組み合わせ、これまでの領域にとどまらないサブスクリプション型のソリューションを外部提供していきます。
リアルデータプラットフォーム(RDP)では、既存事業での収益拡大、事業間の連携による新たな顧客価値の創造、そして最終的にはエコシステムを形成するプロセスで、社会課題解決への貢献とともに中長期的な利益成長を目指します。

グループCDOメッセージ


グループCDO
執行役専務
楢󠄀﨑 浩一

インターネット上で生み出されるバーチャルデータに対し、お客さまの実生活に紐づくいわゆるリアルデータは、今後その重要性が一層高まってきます。
当社は、基幹事業である保険、介護事業に加え、デジタル新規事業から出てくるリアルデータ、さらに他社との外部連携を通じて収集するリアルデータを、世界レベルで実績があるPalantir(パランティア)社の技術・知見とともに活用し、唯一無二のRDPを構築していきます。
RDPは、企業や官公庁向けに、そのオペレーションや経営意思決定を根幹からデータドリブンで変革することを後押しします。その結果、VUCAの時代に対応できる柔軟性、グローバルで勝ち抜く競争力を高め、ひいては社会価値の向上につながっていくものと考えています。
当社にとって、RDPの意義の1つは、いわばソフトウェア事業モデルの創出です。リアルデータを取得・活用・解析することにより、さまざまな社会課題を解決するソリューションをソフトウェア事業的にサブスクリプション型でお客さまに提供していきます。
究極的には、当社グループがわが国の産業界にとって必要不可欠と言われるような、ソリューション・プロバイダーとなることを目指しており、グローバル展開も見据えています。


注力領域と進捗状況

SDGsへのさらなる貢献と当社の経営理念である「安心・安全・健康のテーマパーク」をより具体化するために、注力する5領域を選定しました。
今後、他に類を見ない当社の事業形態や強みを活かして、各々のソリューションの早期具現化、外販・収益化を伴う社会実装を目指していきます。

介護業界では、高齢者増加に伴う需要増と少子化による労働力減少に起因する需給ギャップの拡大と社会保障費の増大という大きな2つの社会課題を抱えています。これには介護業務の質を伴った生産性の向上が必要であり、当社グループではこれらの課題に対応するための取組みに着手しています。
SOMPOケアにて運営する介護付有料老人ホームでは、日々のご入居者さまへのケアや体調を把握するための各種バイタルの記録、センサーなどから取得する情報、施設の業務運営上のケアスケジュールなどさまざまなデータが発生しています。異なる場所に保存していたこれらのデータを統合することで、施設長が迅速な情報収集とデータに基づく判断を行うことが可能となりました。このようにデータ活用による介護オペレーションの改善や最適化が可能であることを実証できました。
現在は自社内での展開拡大と並行して、さらなるデータ・ノウハウ蓄積に向けて外部の介護事業者に対するアプローチを開始しており、ソリューションの外部展開を目指していきます。
また、将来的には関連する領域が多いと思われる医療機関との連携や他のサードパーティーの参画も見据えており、介護業界標準のエコシステムとなっていくように開発を進めています。

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