国内損害保険事業

SOMPOのパーパス実現に向けて国内損害保険事業の提供する価値


グループの中核事業である国内損害保険事業では、社員の幸せや働きがいをベースとして、保険事業とその先にある「安心・安全・健康」の領域で、お客さまにとって価値ある商品・サービスを創造していくことで、社会に貢献していきます。
国内損害保険事業の創出する社会価値は「いかなる時代も社会・人々が直面するリスクから人々をお守りすること」、そして「持続可能な社会の実現に貢献すること」です。これらの実現に向けて、これまで130年の歴史の中で培ってきた損害保険事業をさらに発展させていくとともに、防災・減災や自動運転など社会課題の解決に資する新事業への参画により、これからも社会に貢献できるように取組みを進めていきます。

新中期経営計画 主要KPI

指標 2020年度実績  計画値 
2021年度
2023年度
事業別修正利益 1,301億円 1,050億円 1,500億円以上
事業別ROE*1 11.0% 8.0% 11%
正味収入保険料*2 19,581億円 19,886億円 20,799億円
コンバインド・レシオ*3 94.3% 94.8% 91.7%
政策株式売却額*4 703億円 500億円 500億円
(3年間累計:1,500億円)
当期純利益*5 1,469億円 1,330億円 1,800億円以上
  1.  事業別ROE=事業別修正利益÷配賦資本
  2.  国内損害保険事業の合計値。除く自賠責・家計分野地震保険
  3.  損保ジャパン単体。除く自賠責・家計分野地震保険、アーンド・インカードベース
  4.  売却時価額ベース
  5.  損保ジャパン単体

強みと機会、リスク

強み
  • 高品質な販売網と業界No.1の事故対応品質
  • 収益構造改革によって実現した国内トップクラスの収益力
  • 商品開発力と保険の枠組みを超えた多様なサービス・ソリューション
機会
  • デジタルを活用したソリューション創出とさらなる事業効率の向上
  • ニューリスクの出現による保険加入ニーズの拡大
  • 新興マーケットの開拓余地
リスク
  • 自然災害の激甚化
  • 異業種の参入、ダイレクト型損害保険のシェア拡大
  • 人口動態の変化、若者の車離れ、シェアリングエコノミーの進展などによる自動車保有台数の減少

前中期経営計画の振り返り

KPI実績

* 国内損害保険の合計。除く自賠責・家計分野地震保険。海外子会社へ段階的に移管を行った受再契約分を補正して表示。移管対象額(約600億円)のうち各期の未移管分を控除。

2016年度からスタートした前中期経営計画の当初は、「質を伴った成長」、そのための「品質と体質(収益性と健全性)の追求」をコンセプトとして掲げ、トップライン成長を最優先に取組みを進めてきました。しかし、前中期経営計画の中盤以降は、相次ぐ大規模自然災害の発生やデジタル技術の指数関数的な進化とそれに伴う産業構造やビジネスモデルの変化、そしてお客さまの価値観や行動の変化を目の当たりにし、将来起こり得るより大きな変化に備えることを最優先すべきと考え、思い切った戦略の転換を決断しました。
そして、2019年度からの2年間は、踊り場としてトップライン成長よりも将来に向けた「変化への対応力」と「収益力」の強化を実現するための基盤整備と構造改革を最優先にして、全部門をあげて取り組んできました。
この2年間の取組みは、変化への対応力・収益力の両面において着実に成果として表れています。

前中期経営計画の取組み

新中期経営計画

新中期経営計画において目指す姿

Vision すべての人々・地域・社会に、たくさんの笑顔と活力あふれる確かな明日をお届けします
Mission
社員の幸せや働きがいをベースとして、保険事業とその先の安心・安全・健康の領域で、お客さまにとって価値ある商品・サービスを創造し、社会に貢献していく
ブランドスローガン
Innovation for Wellbeing
SOMPOのパーパス実現に向けて国内損害保険事業では、新たな顧客価値の創造、社会課題の解決に資する新事業の創造およびこれらの事業の収益化を目指していきます。また、その基盤となる企業文化の変革を推し進めていくことで、「多様性のある社員一人ひとりが創造性・独創性を発揮し、お客さまの立場ですべての価値判断を行い、スピーディに決断と実行を行うことのできる組織風土」を醸成していきます。徹底してお客さまの立場で考え、スピード感と創造性・独創性を発揮することで、お客さまや社会の潜在的課題をとらえた「お客さま中心」の新商品・サービス、または新事業を創出し、これらの新たな価値創造を通じて、社会に貢献していきます。

目指す姿の実現に向けた戦略

 1  成長戦略の加速

前中期経営計画期間中に築き上げてきた基盤を活かして、成長戦略を加速していきます。そのために、新たな顧客価値を次々と創り出していくための重要な機能であるマーケティングとイノベーションを強化し、今までの延長線上ではない新たな挑戦を始めていきます。既存の代理店ビジネスモデルを研ぎ澄ますという観点では、マーケティングを強化し、市場調査・商品開発・広告・宣伝・販売・事故対応などの一連のプロセスを一体化した仕組みづくりに挑戦していきます。また、徹底的にデジタル化することにより、お客さまにとっての利便性や体験価値を高めるビジネスモデルの構築にも注力していきます。

 2  レジリエンスの向上

国内損害保険事業では、自然災害の多発化・激甚化や自動車保有台数の減少などの事業環境の変化の中においても、安定的かつ持続的に成長し続けることのできる事業構造の維持・構築を目指しています。
そのために、収益構造改革として、プライシングの適正化、アンダーライティング・ロスプリの強化、生産性向上への取組みなどを継続し、生産性・収益性の高い事業の構築を進めていきます。


* 除く自賠責・家計分野地震保険、アーンド・インカードベース

 3  事業基盤の強化

損保ジャパンでは、2030年のSDGsの達成に向けてトランスフォーメーションが加速する社会、さらにはポストSDGsの社会において、社会課題解決の主要な担い手になることを目指して、社会価値を持続的に創出する力の向上に取り組んでいます。
新中期経営計画では、SDGs経営を掲げ、祖業である損害保険事業を通じてさらに社会に貢献していくこと、防災・減災や自動運転などの新事業の領域でも新たな社会価値を創出していくこと、自社としての温室効果ガス排出量の削減、ESG投資の拡大、地方創生などに取り組んでいくこと、この3つの観点で社会価値と経済価値を創造し、これを会社の成長エンジンとしていきます。
また、社員一人ひとりが自ら学び、考え、行動する組織運営・組織風土の醸成や、業務の基盤システムの刷新など、強固な事業基盤の構築に向けた各種取組みを進めていくこと で、持続的な成長を図っていきます。


損保ジャパンのSDGs経営の視点 
  • 祖業である損害保険を通じたSDGsへの貢献のさらなる進化
  • 防災・減災など新事業の領域で新たな社会価値を創出
  • 自社としての温室効果ガスの削減などへの取組み
社会価値の創造  

+

経済価値の創造  

事業会社の紹介

SOMPOのパーパス実現に向けた取組み

プライムアシスタンス
スマートフォンの「ながら運転」を防止するサービスの販売開始

2019年12月1日に改正道路交通法が施行され、「ながら運転」に対する罰則が強化されました。事故のない社会の実現に向け「ながら運転」を防止するため、モーション・インテリジェンス株式会社が開発したデジタル技術を活用した、運転中のスマートフォン操作を制限する事業者向けサービスの提供準備を進めてきました。
これまでの協力企業との実証実験において、交通事故が平均40%、交通違反は平均36%削減という効果と、導入企業による適切な管理・運営が可能であることが検証され、2021年度からプライムアシスタンス社が販売者・お客さま対応窓口としてサービスを提供しています。

Mysurance
情報モラルリーフレット教材の無償配布

デジタル保険商品を中心に事業展開している少額短期保険会社のMysurance株式会社は、お子さまのスマートフォン所有率の増加に伴い、SNSでの誹謗中傷などのトラブル増加をふまえ、情報モラル教育の分野で多数実績のある静岡大学と共同研究を実施し、お子さまと保護者が一緒に学ぶことができる情報モラルリーフレット教材「親子で話そう スマホとの上手なつきあい方」を開発しました。
2020年12月には、静岡大学、損保ジャパン、Mysuranceと、本取組みに協賛するスルガ銀行とともに、静岡市内の小・中学校(55校)へ教材の無償配布を行いました。2021年4月には、沼津市と三島市の小中学校(全校)に対しても、同様の取組みを実施しています。
今後も、情報モラル教育に取り組む自治体や協賛企業、SOMPOグループ各社と連携し、全国で教材の配布や、情報モラル啓発活動を通じて、お子さまの安心・安全なスマホ利用の実現に貢献していきます。

損保ジャパンDC証券
人生100年時代へ備えた確定拠出年金に関するワンストップサービスの提供

「人生100年時代」、「貯蓄から投資へ」といった社会的な潮流の中、損保ジャパンDC証券は、SOMPOグループの確定拠出年金運営管理機関として、社会課題である「豊かで明るい未来(老後)の実現」に向けて、現役時代から退職以降までのライフステージ全般を通じた高齢期の所得確保の支援を行っています。2020年度には企業型確定拠出年金(DC)専用のスマートフォン用アプリ『つみたてナビ』をリリースしました。『つみたてナビ』はロボアドバイザーを搭載し、お客さまにあったDCの運用タイプ・運用商品の検討・選択をサポートする補助ツールです。「資産形成を始めたいけれど、どの運用商品をどの程度購入すれば良いかわからない」というお客さまに「安心」をお届けしています。

SOMPOリスクマネジメント
持続可能な社会に向けた取組み

新たな企業価値評価の基準として投資家などが関心を高めているESG(環境・社会・ガバナンス)やSDGs(持続可能な開発目標)、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)に関するコンサルティングサービスなどを通じて、サステナビリティへの取組みを総合的に支援しています。
また、国連ビジネスと人権に関する指導原則にのっとった、人権方針の策定・見直し、人権リスクの洗い出し・評価などを行っています。

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