「安心・安全・健康のテーマパーク」構築による社会的価値の創出

当社グループは、「お客さまの安心・安全・健康に資する最高品質のサービスを提供し、社会に貢献する」というグループ理念のもと、基盤である保険事業にとどまることなく、さまざまな方面で事業を拡大しています。
目指すのは、お客さまが楽しみながら、健やかで幸せな人生を実現できる「安心・安全・健康のテーマパーク」。
この考え方は、2015年に国連サミットで採択されたSDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)の目標3「あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する」や目標11「都市と人間の居住地を包摂的、安全、レジリエントかつ持続可能にする」、目標17「持続可能な開発に向けて実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する」にも大いに貢献するものです。個人や企業に「万が一」の際の保険機能を提供するだけでなく、「万が一」を起こりにくくする「予防」、そして日常生活をさらに豊かにする「安心・安全・健康」の提供までを見据えた画期的な商品・サービスを生み出し、保険の枠を超えて社会に貢献しています。

「世界に誇れる豊かな長寿国日本」の実現への貢献

社会的課題

現在の日本が直面している大きな課題の一つが、社会の高齢化です。日本は2007年に、全人口に占める65歳以上の割合が21%を超える「超高齢社会」に突入。2018年3月には、75歳以上の後期高齢者が高齢者全体の半数を超えました。高齢化の進行に伴い、医療費・介護費などの社会保障費用の増大、MCI(Mild Cognitive Impairment:軽度認知障害)・認知症高齢者の増加、介護職の不足などの問題が顕在化しています。当社グループはこれまで培ってきた多様なリソースやデジタル技術などを活かして課題の解決に取り組んでいます。

「SOMPO認知症サポートプログラム」を始動

国内におけるMCIと認知症高齢者の総数は、2012年に約862万人と推計されており、2025年には約1,300万人に達するとの予測もあります。当社グループは、認知症に関する社会的課題をグループ全体で解決するべき重要な課題ととらえ、誰もが人生を長く楽しみつつ、「認知症にならない」、「認知症になってもその人らしく生きる」ことのできる社会を目指し、「SOMPO認知症サポートプログラム」を展開することとしました。2017年9月に包括連携協定を締結した「国立研究開発法人国立長寿医療研究センター」や、日本最大の認知症当事者団体である「公益社団法人認知症の人と家族の会」からのアドバイス、介護スタッフなどの生の声を活かしてプログラムを推進していきます。
プログラムの第一弾は、2018年10月に提供を開始する、認知機能の低下予防を目的としたWebサービス、認知症サポート『SOMPO笑顔倶楽部』です。損保ジャパン日本興亜が10月から提供する介護離職を防止する保険『親子のちから』と損保ジャパン日本興亜ひまわり生命が同じく10月から提供するMCI・認知症と診断された際に一時金が支払われる保険『リンククロス笑顔をまもる認知症保険』共通の付帯サービスとなります。
このほかにも、高齢ドライバーの認知機能と自動車事故との関係・特徴を明らかにすることなどを目指す国立長寿医療研究センターとの共同研究、他の企業・団体との協業による商品・サービスの開発、さらには認知症に関する啓発・支援活動など、国内最大規模の保険事業および介護事業を展開する当社グループならではの総合力を活かして、お客さま目線での認知症に関するソリューションの開発・提供に取り組んでいきます。

人材育成̶「SOMPOケア ユニバーシティ」と「SOMPOケア FOOD LAB」の開設

介護業界では、人材の育成と定着が課題となっています。SOMPOケアグループは、その解決に向けて2017年7月に、すべての従業員が介護のスペシャリストとして成長を感じられる場として、「SOMPOケア ユニバーシティ」を開設しました。2016年4月にSOMPOケアネクストが開設した「SOMPOケア Next Step Center」の規模を拡大し、SOMPOケアグループ全体の研修施設としたもので、質の高い研修制度を基にブラッシュアップしたプログラムを提供する一方、さまざまな研究機関と連携したオープンな企業内大学として運営しています。将来的には、SOMPOケアグループにとどまらず、介護事業を支えるさまざまな職種の方々も学ぶことができ、現場の課題・対策の研究機能も有する「介護の総合研究開発センター」を目指します。
また、SOMPOケアグループは、グループ経営基本方針である『「おいしく食べる」を追求し、「元気を生む」を支援する』の実現のため、食事や栄養に関する企画・商品開発・職員の研修を行う総合機関として、2018年3月に「SOMPOケア FOOD LAB」を開設しました。「SOMPO ケア FOOD LAB」は、「食の総合研究開発センター」を志向しており、ご利用者さまの意見、要望に基づく新規・改善メニューの立案や咀そしゃく嚼・嚥えんげ下の状態に合わせたメニュー開発を行っているほか、栄養士など職種ごとに食事・衛生の知識や調理に関する技術研修を行っています。

VOICE

SOMPOケア(株)
SOMPOケア ラヴィーレ綾瀬
梅川 えり子

介護は未経験の状態で2017年12月にSOMPOケアへ入社し、その後、「SOMPOケア ユニバーシティ」で入社時研修、入社1か月目・3か月目・6か月目の研修を受講しました。研修では、介護の基礎だけでなく、認知症や薬についてなど、幅広い分野について学ぶことができました。介護の基礎は、社外で介護職員初任者研修を通じて学んでいましたが、「SOMPO ケア ユニバーシティ」で、介護施設の居室が再現された設備を使って学ぶことで、より実践的かつ現場で活かせるケアを身につけることができました。今後は、研修で身につけた技術や知識を、後輩に伝えていくことを目標としています。

ICT・デジタル活用

介護現場におけるAI(人工知能)活用へのチャレンジ

SOMPOケアグループは、介護の品質向上に向けた施策の一環でAI活用の検討を開始しています。具体的には、ケアマネージャーがご利用者さまの介護計画を作成する際、その作業を支援するAIや、ケアスタッフの手技が正しく行われているかを診断し、正しいやり方をコーチングするAIの活用を検討しています。

RPAを活用し生産性を向上

介護事業会社では多くの定型業務を抱えています。このなかでも一定の時期に限って発生する業務があり、これまでは社員の残業などで対応してきました。これらの業務の一部に対しRPAを導入し、一定の業務量削減効果が得られたため、今後はRPA導入の対象業務を広げ、業務の生産性向上を図っていく予定です。

介護現場の知見と最新鋭の技術開発をつなぐ

日米を中心としたグローバルレベルでのスタートアップの発掘や共同実証などを通じた育成、介護に携わるスタートアップのエコシステム構築を目的に、日米でスタートアップを対象としたビジネスコンテストを開催しています。また、当社グループの各事業におけるデジタル技術の研究開発を支援する「SOMPO Digital Lab(東京・シリコンバレー・イスラエル)」と協力し、高齢者の暮らしを豊かにするテクノロジーの開発に尽力しています。

ビジネスコンテストの様子

課題先進国であることをチャンスに

当社グループは、産官学連携など外部パートナーの知見を活用し、グループの事業間連携を進めることで、認知症を起点とした商品・サービス開発やシニアマーケットをキーとした保険との連動を強化していきます。さらに、介護事業のノウハウや10万人を超える利用者・職員の生の声を最大限に活用し、介護事業を軸に、保険を含めた周辺分野への展開を進めていきます。

国立長寿医療研究センターとの共同研究の様子

VOICE

社外監査役
村木 厚子

高齢化は「試練」と捉えられがちですが、「ライフシフト100年時代の人生戦略」の著者リンダ・グラットンはこれを「日本への贈り物」と呼んでいます。この贈り物を誰もが享受するには、「健康長寿」の実現が不可欠です。

この面で、SOMPOホールディングスグループに大いに期待しています。まずは、介護分野で屈指の経営規模を活かし、認知症対応をはじめとして、質が高く、効率的で、かつ介護人材を大切にできる模範的な事業モデルを構築してほしい。さらに、グループ全体として、保険から介護サービスや各種のヘルスケアサービスまで、高齢者の「安心・安全・健康」をトータルに提供してほしい。ビッグデータやAIの活用など、最新技術の本格導入を急いでほしい。事業を将来は海外にも展開してほしい。
超高齢社会が到来した日本で、そして、今後高齢化の進む諸外国でも高齢者の豊かな暮らしに貢献することを心から期待しています。

防災・減災がもたらす安心と安全

テレマティクスを活用した安全運転支援サービスと安全運転割引

損保ジャパン日本興亜は、お客さまの安全なカーライフを支援し、安心・安全なクルマ社会を実現するべく、業界初のテレマティクスサービスとして、法人向け安全運転支援サービス『スマイリングロード』の提供を2015年3月から開始しました。
通信機能付きドライブレコーダーを活用し、ドライバーの継続的な安全運転意識向上と管理者の効率的な指導を支援するもので、運転状況の「見える」化とドライバーを「ほめる」機能の相乗効果により、導入企業の事故件数は約20%減少しています。
また、2016年1月には個人向けに安全運転カーナビアプリ『ポータブルスマイリングロード』も提供開始。ナビタイムジャパン社提供の「高機能カーナビ」や、保険会社ならではの「安全運転診断」、「ワンプッシュ事故連絡」といった独自機能が無料で利用でき、すでに25万件以上のダウンロードをいただいています。さらに2018年1月には国内の損害保険会社としては初めて、主に初めて自動車保険に加入される方向けに、『ポータブルスマイリングロード』の運転診断結果と連動し、自動車保険料を最大20%割り引く「安全運転割引」を開始しました。

『ポータブルスマイリングロード』の画面イメージ

ドライブレコーダーを活用した事故対応サポートと安全運転支援

損保ジャパン日本興亜は、ドライブレコーダーを活用した個人向けテレマティクスサービス『DRIVING!~クルマのある暮らし~』を、2018年1月から自動車保険の特約として提供しています。
当初は、デジタル技術を活用した安全運転支援サービスの一環として、期間・台数を限定した無料での提供でしたが、多数のユーザーから「安全運転意識が高まる」「有料でも継続して利用したい」との声が寄せられたことから、自動車保険の特約としてリニューアルし、機能向上を図ったことで、多くの方にご利用いただいています。運転中は「安全運転支援機能」により安心を提供し、運転後は「安全運転診断」や「視機能トレーニング」などで運転技術のセルフメンテナンスをサポート。万が一の事故の際も、「事故時通報機能」や、国内大手損保で初となるALSOKと連携した「事故現場駆けつけサービス」で、安心・安全なカーライフをトータルサポートしています。

ワンストッププラットフォームのサイバーセキュリティ事業への参入

当社グループは、2018年1月に新たにサイバーセキュリティ事業に参入しました。自動車の自動運転技術やIoTの普及をはじめとする社会環境や技術の変化、高度化・巧妙化するサイバー攻撃の深刻化などにより、サイバーリスクは企業経営における重大リスクとして位置付けられています。当社グループはこれまでサイバー保険の引受などを通じて収集した、企業が抱えるサイバーリスクに関する課題に対して、リスク診断からセキュリティの強化・対応、そして万一の際の保険金支払までをワンストップで提供するプラットフォームを構築しました。これに先立ち、2017年11月にはイスラエルに「SOMPODigitalLab」を新設。高度化・巧妙化するサイバー攻撃に最先端の技術で対応し、事故を「未然に防ぐ」ための態勢整備から「影響を極小化する」ための対応策をフルサービスで提供することを重視しつつ、お客さまをサポートしていきます。

SOMPO CYBER SECURITY

健康な暮らしと人生の応援

健康維持・増進をサポートする『リンククロス』

損保ジャパン日本興亜ひまわり生命は、「健康応援企業」への変革を目指し、2016年9月に健康サービスブランド『リンククロス』を立ち上げました。「お客さまに楽しく、心地よく、より健康になっていただく」ことをコンセプトに、革新的な「商品」、デジタルを活用した「健康関連サービス」、そして「販売チャネル」が三位一体となったビジネスモデルを展開しています。すでに、経済的負担の大きい先進医療・臓器移植に特化したネット専用商品『リンククロスコインズ(臓器移植医療給付金付先進医療保険)』や、保険契約者以外でも無料で利用できる、健康情報アプリ『リンククロスシル』、お散歩アプリ『リンククロスアルク』、ダイエットアプリ『リンククロスレコ』を提供しており、いずれも好評を博しています。
2018年3月には、女性社員の声から生まれた新サービス『リンククロスピンク』、4月には健康応援型商品である収入保障保険『リンククロスじぶんと家族のお守り』を発売しました。『リンククロスピンク』は、女性に特化したサービスで、乳がんに関する情報提供や検診検索・予約サービスなど、乳がんの早期発見から罹患後までをトータルサポートします。『リンククロスじぶんと家族のお守り』は、喫煙状況や健康状態が改善されたお客さまの保険料が安くなり、契約日にさかのぼって保険料差額相当額を「健康チャレンジ祝金」としてお受け取りいただける「健康☆チャレンジ!」制度を組み込んだ業界初の商品です。

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