グループCOOメッセージ

意思決定と業務遂行の質・スピード・柔軟性を高め、グループ全体の質的進化を着実に実行します。

グループCOO兼グループCBO
取締役 代表執行役副社長
辻 伸治

グループCOOに求められる役割

当社は、持株会社が発足し10年目に入り、今年度から中期経営計画が後半期間に入る節目を迎えています。その節目の年に、指名委員会等設置会社への移行と執行部門の最上位の協議体であるGlobal ExCoの設置を中心とする執行体制の見直しを行いました。これにより、監督と執行の役割の明確化、ガバナンスの透明性・監督機能の強化を果たし、執行のスピード・柔軟性・質の向上や経営のグローバル化を進めています。こうした新たなガバナンス体制への移行は、敏捷かつ柔軟な意思決定・業務執行を行うことで、「安心・安全・健康のテーマパーク」へのトランスフォーメーションをより確実に実現していくためにあり、その一環として、今年の1月にグループ COO(Chief Operating Officer)という執行の責任者を新設し、その役職に私が就任しました。グループCOOの役割は、従来グループCEOが責任を負っていた執行業務に関わる権限と責任の委譲を受け、4月にGlobal ExCoとともに設置された経営執行協議会(MAC)の議長として、グループ全体の運営・管理を統括することです。また、Global ExCoで協議した経営戦略および経営方針を実行・実現するための意思決定や足元の経営課題を解決し前進させるための意思決定などを行います。Global ExCoと経営執行協議会(MAC)という2つの会議体を有機的に機能させながら、中期経営計画で掲げるグループ目標の達成に向けた具体的な取組みを推進していきます。

グループの質的進化に向けたチャレンジ

2016年度から2020年度までの現中期経営計画は、国内の人口減少・急速な高齢化、大規模自然災害の常態化、テクノロジーの革新やそれに伴うお客さまの行動変化など、外部環境の目まぐるしい変化を見すえ、「安心・安全・健康のテーマパーク」に向けたトランスフォーメーションを果たし、将来においても持続的に成長できる企業グループへの進化を目指しています。そして、トランスフォーメーションとは、単に変わることではなく、「事業ポートフォリオの変革」と「企業文化の変革」という質的進化を意味しています。これは、保険事業を中心として130年を超える歴史を持つ当社グループにとって、重要なターニングポイントであり、これまでにないチャレンジです。
このチャレンジを確実に遂行していくため、2018年度までの3年間では、「安心・安全・健康のテーマパーク」の実現に向けた基盤づくりを着実に進めています。事業オーナー制やグループ・チーフオフィサー(CxO)制の導入、指名委員会等設置会社への移行やGlobal ExCoの設置といったコーポレート・ガバナンス機能の強化をベースとして、国内損保事業ではプライシング、再保険戦略の見直しや政策株式の売却などによる資本効率の改善、海外保険事業では先進国の組織再編、リテールプラットフォーム構想などを立ち上げました。そして、国内生保事業では「健康応援企業」への変革に向けた『リンククロス』の立ち上げや「Insurhealth®」を軸とした商品・サービスの展開、介護・ヘルスケア事業では介護4社合併やグループ会社統合による生産性向上など、各事業で優位性確立と強化を進めてきました。加えて、2016年度のEndurance(現 SOMPOインターナショナルホールディングス)買収に代表されるM&Aによる成長加速や新たな事業機会の探求、認知機能の低下予防から認知症ケアまで幅広くサポートする「SOMPO 認知症サポートプログラム」の展開といった事業間連携(グループ横断)によるトータルサポート、世界3極体制のSOMPO Digital Labから集めた最先端の知見・技術を活用したデジタル戦略の推進など、さまざまな取組みを実行しています。
このように、各事業でのオーガニックな成長、規律あるM&Aの実行、そして、当社グループにしかできない強みを発揮した新たな事業やグループ横断の取組みを同時並行的に実践・継続することで、外部環境がどのように変化したとしても成長を続けるレジリエントな企業グループへの質的進化、すなわち「安心・安全・健康のテーマパーク」に向けたトランスフォーメーションを実現していきます。
今後は新たなガバナンス体制のもとで、意思決定と業務遂行の質・スピード・柔軟性を高め、これまで以上にトランスフォーメーションを加速させ、持株会社発足10年目という節目の年を、次の10年、その先へ向けた飛躍の年となるよう取り組んでいきます。

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