長寿国日本の実現に向けた取組みやサービス提供

グループを挙げた認知症への取組み

当社グループは「お客さまの安心・安全・健康に資する最高品質のサービスをご提供し、社会に貢献する」という経営理念の実現に向け、認知症に関する社会的課題に注目し、「認知症に備える・なってもその人らしく生きられる社会」を目指しています。

「SOMPO認知症サポートプログラム」の展開

「認知症に備える・なってもその人らしく生きられる社会を」というスローガンを掲げ、本プログラムをグループ全体で展開しています。

1.【業界初】笑顔をまもる認知症保険

2018年10月、SOMPOひまわり生命は業界初となるMCI(軽度認知障害)を保障する健康応援型商品「笑顔をまもる認知症保険」を販売開始しました。
MCIや認知症を一時金で保障する保険機能に加え、認知機能チェックや認知機能低下の予防に資するサービス、認知症の基礎知識や介護に関する情報を提供するWebサービス「SOMPO笑顔倶楽部」、万が一介護が必要となった場合はSOMPOケアの介護サービス等を提供することにより、認知症の発症および進行を遅らせるとともに、介護までを一貫してサポートします。

2.【業界初】介護離職を防止する保険『親子のちから』の販売開始

損保ジャパンは、近年増加している親の介護による離職という社会課題を解決するため、親を介護しながら働く子(成年)の「仕事と介護の両立」を支援できる業界初の保険『親子のちから』を開発しました。
被保険者となる子(成年)が介護サービスを円滑に利用でき、同時に子が負担する親の介護費用を補償する、介護サービスと保険の一体提供を実現した商品です。

3.SOMPOケアによる介護事業

当社は、2015年12月にワタミの介護、2016年3月にメッセージを子会社化し、「SOMPOケア」として地域のお客さまに在宅介護から施設介護まで、フルラインで最高品質の介護サービスを提供することを目指しています。
認知症が発症しても、その方らしく暮らし続けられるよう、ご利用者さまの想いを聞き、健康状態や生活環境などの観察をもとにケアを行います。お薬の見直しやお身体の苦痛緩和、栄養状態の改善に向け医療と連携したり、睡眠・排泄・活動などの状況把握にデジタル技術を活用するなど、個別性の高いケアを目指します。

4.認知症サポート『SOMPO 笑顔倶楽部』の提供

2018年10月、株式会社プライムアシスタンスは、認知機能チェックや認知機能低下の予防に資するサービス、認知症の基礎知識や介護に関する情報を提供するWebサービスを開始しました。損保ジャパンが提供する「親子のちから」とSOMPOひまわり生命が提供する「笑顔をまもる認知症保険」等の付帯サービスとしてもご利用いただけるサービスです。
なお2020年8月、本サービスの一部の機能を会員以外の方に開放しています。

5.認知機能低下の抑制に有効なプログラム「SOMPOスマイル・エイジングプログラム」の開発

2020年には、FINGER研究*を率いたカロリンスカ研究所のキビペルト教授、および国立長寿医療研究センターの監修のもと、高齢者の生活習慣改善を通じて認知機能低下を予防するプログラム「SOMPOスマイル・エイジングプログラム」を開発しました。キビペルト教授が公認する世界初の「FINGER研究の全国規模の社会実装プログラム」となります。
今後、本プログラムを全国に展開していくことで、日本における認知症発症リスクの減少を目指します。

  • FINGER研究とは、フィンランドで行われた「高齢者の生活習慣への介入による認知機能障害予防の研究」です。1,260 名の高齢者を対象に、食事指導・運動指導・認知機能トレーニング・生活スタイル指導の4つの介入を同時に行うことで、軽度の認知機能障害の進行を抑制することを世界で初めて証明しました。
    日本においても、「日本版FINGER研究」と言われる「認知症予防を目指した多因子介入によるランダム化比較試験(略称:J-MINT研究」が、2019年より実施されています。SOMPO ホールディングスは、将来の社会実装を見据えた認知症予防サービスの仕組み構築を目指して、本研究に分担機関として参画しています。

認知症理解に向けた取り組み

1.SOMPOグループ会社による認知症バリアフリー宣言

認知症の方やそのご家族が安心・安全・健康に暮らせる認知症バリアフリー社会の実現を目指し、グループ会社のバリアフリー宣言の策定を推進しています。今後もグループを挙げて地域共生社会の実現に向けた取組みを進めていきます。

  • 2023年8月末時点で10社

2.認知症サポーターの育成

当社グループは、認知症について正しい知識を持ち、認知症の方や家族を温かく見守り、支援する認知症サポーターの育成を進めています。

●キャラバンメイト

認知症サポーターを養成する「認知症サポーター養成講座」を開催し、講師役を務める資格を有する者をいいます。キャラバン・メイトになるためには所定の養成研修を受講し、登録する必要があります。

3.世界アルツハイマーデー(9月21日)に向けた取組み

SOMPOグループは、国際アルツハイマー協会と世界保健機関が共同で設立した世界アルツハイマーデー(9月21日)にあわせ、各種イベント等を実施しています。

(1)損保ジャパン本社ビルを活用した認知症啓発メッセージの発信
2017年から行っている認知症啓発・支援活動のテーマカラーであるオレンジ色を使ったイベントとして、世界アルツハイマーデー当日である9月21日 に、損保ジャパン本社ビルを認知症啓発・支援活動のテーマカラーであるオレンジ色にライトアップしています。

(2)認知症を考えるセミナーの開催
「公益社団法人認知症の人と家族の会」と本セミナーの趣旨に賛同いただける企業・機関等の方々の協力のもと、毎年9月に~“Talk with”みんなで話そう~をテーマに「共に生きる~認知症を考えるセミナー」を開催しています。

4.認知症ケアのヒントがみつかるサイト「あんなこんな」の開設

SOMPOケアが介護の知見を在宅介護の皆さまにお役立ていただきたいという思いからご提供している、自宅で認知症のある方を支える人を応援するサイトです。介護のあんな困りごとやこんな困りごとに対して、認知症ケアのプロの知見にもとづいた「介護の現場の知恵と工夫」を在宅の認知症ケアに活かしたヒントをご紹介しています。
「あんなこんな」は2020年にグッドデザイン賞を受賞しました。

介護サービスの品質を伴った生産性向上に向けた取組み

介護を必要とする高齢者の数は増加を続けており、2040年には約69万人の介護人材の需給ギャップが発生すると推計されています。SOMPOは、リアルデータを活用し、品質を伴った生産性向上に資するソリューションを他の介護事業者へ提供するegaku事業を開始しております。egakuを通じ、介護事業者に(1)介護職員の働きがいを醸成、(2)品質を伴った圧倒的な生産性向上という価値を提供し、介護人材の需給ギャップ解消を目指しております。
また、SOMPOケアでは介護サービス品質の更なる向上と人材定着を実現していくため、高い技術を持ち、ご利用者や共に働く仲間を支え強い現場をつくる原動力となる社員を対象に、19年10月の第一弾に続く第二弾として大幅な処遇改善を22年4月に実施しました。

egaku事業の開始

SOMPOケアは、介護現場等で収集されるリアルデータを起点とした介護業界の社会課題につながるサービスを提供するegaku事業を23年4月に開始しました。egaku事業では、(1)データ活用サービス(ソフトウェア)、(2)デジタル化支援サービス、(3)プロフェッショナルサービスの3種類のサービスを提供し、介護事業者のデジタル化、システム化を支援し、それに伴うサービス品質の向上と職員の負荷軽減に寄与することで、介護産業の持続可能性向上に貢献していきます。
詳細は、egakuのサービス紹介サイトをご参照ください。

処遇改善の実施

SOMPOケアは、19年10月に処遇改善の第一弾として、特定処遇改善加算に加えて年間約10億円の会社財源を投資し、介護福祉士を中心とした社員の処遇を「地域トップクラス」の水準に引き上げました。そして、22年4月には年間約24億円の会社財源を投資し、介護職のリーダーを担う社員の処遇を看護師と同水準まで引き上げるほか、あわせてマネジメント職等も処遇を大幅に引き上げました。

●~人生会議で、“これから”をより豊かに~
オリジナルエンディングノート「夢結いのーと」と啓発冊子を制作

SOMPOケアは経営理念に掲げる「人間尊重」という考え方に基づき、高齢者の皆さまに充実した生活と、最期までその方らしく、尊厳ある人生を送っていただくために「ACP(アドバンス・ケア・プランニング)-人生会議-」以下、「人生会議」)に力を注いでいます。
2021年2月、人生会議をより身近なものとし、気軽に始められる実践ツールとして、オリジナルエンディングノート「夢結いのーと」と、“これから”に備えて身近な人と人生会議を始めるきっかけになる啓発冊子「人生会議なるほどブック」を制作し、誰でも自由に活用できるよう公式ウェブサイトで公開しました。
同社では、2019年から人生会議に関する社内研修を本格的にスタートし、人生会議への理解を深めてきましたが、今後は全ホーム・事業所で人生会議への取組みを広げていく予定です。

  • 両ツールともに、緩和医療の専門家である同社顧問の松岡順治先生(岡山大学病院緩和支持医療科)監修

●~SOMPOケアのホームを地域の多世代交流拠点へ~
『SOMPO流 子ども食堂』の運営を開始

SOMPOケアは全国で展開する介護付きホームをはじめとした居住系事業所において、『SOMPO流 子ども食堂』の運営を開始しました。ご利用者さまと子どもたちの交流機会をつくり、同社のホームを地域住民の多世代交流拠点とすることで、ご利用者さまに活力と笑顔をもたらし、職員のさらなる働きがいを醸成するとともに、子どもを取り巻く社会課題にも貢献していくことを目指します。22年11月から82ホームでの運営を開始し、23年度中には全居住系事業所へ取組みを広げていく予定です。
『地域とのかかわりを深め、ご利用者さまの地域での暮らしを支えると共に、社会づくりの一翼を担う』という行動指針に基づき、『SOMPO流 子ども食堂』の運営をはじめ、今後も継続的に地域社会の一員として活動を行っていきます。

今後について

介護人材の需給ギャップ解消のための人材確保と定着、業務効率化による生産性向上は、当社のみならず業界全体の問題です。egaku事業の展開により業界の持続可能性を向上させるとともに、自社としても品質を伴った生産性向上に努め、創出した効果を処遇として従業員に還元することで職員の働きがい向上に努めていきます。また、介護職の魅力やその専門性の高さなどを発信することを通じて、介護職ならびに介護業界全体の社会的地位の向上に取り組んでいきます。

高齢のお客さまにやさしい「あんしんサポート」サービスの提供

損保ジャパンパートナーズは、高齢のお客さまにより一層の安心をお届けするため、独自に開発した「あんしんサポート」サービスを提供しています。これは、災害の発生時や長期のご入院などによりお客さまとのご連絡が取れない場合に、あらかじめご登録いただいたご家族の方などにご連絡させていただき、安否確認とともにご契約の満期などのご案内を行うサービスです。
ご連絡が取れないまま満期日を過ぎてしまい、ご契約が途切れてしまうことを防止し、お客さまそして離れて暮らすご家族の方にもご安心していただけます。 今後ますます進展する超高齢社会に向け、ご高齢のお客さまにやさしい保険代理店を目指してサービス品質の向上に努めてまいります。

●「あんしんサポート」サービスの仕組み

  • サービスは当社の保険契約者に対して無料で実施しています。

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