大規模災害 被災地支援の取組み

2011年3月11日 東日本大震災 発生直後からの被災地支援の取組みのあゆみ

 

2011年3月11日に発生し、東日本を中心に大きな被害をもたらした東日本大震災。当社グループでは、地震保険などの保険金の迅速なお支払いはもちろん、変化する現地のニーズに合わせ、さまざまな角度から復興支援に取り組んできました。

【2011年度】

  • 3,000名を超える社員を現地へ応援派遣し、迅速に保険金をお支払い。(損保ジャパン)
  • 約1.2億円( グループ社員からの義援金) を中央共同募金会へ寄付。
  • 損保ジャパンの社員68名が復興支援ボランティアとして現地の活動に従事。
  • 「SOMPOホールディングス ボランティアデー」開始(古本・CDなどの売却金を被災地で活動するNPO へ寄付する取組みなど)。
  • 岩手県釜石市での人形劇等公演
    損保ジャパンは、愛知県名古屋市に人形劇場「ひまわりホール」を所有しており、運営団体であるNPO法人愛知人形劇センターとともに人形劇などを通じた地域貢献活動に取り組んでいます。
    震災から1年が過ぎた2012年3月20日には、岩手県釜石市のなかでも津波被害の特に大きかった鵜住居町で、子どもたちの心のケアを目的とした人形劇の出張公演を行いました。さらに 同年8月から2017年3月までに、地域の子育て支援センターや幼稚園など公演地域や公演場所を増やしながら、多くの子どもたちや保護者の皆さまに楽しいひと時を過ごしていただく活動を延べ27公演開催しています。
    また、全国の社員のボランティアによって結成された「笑顔届け隊!」が作製した手作りのプレゼント(室内で遊べるフエルト布ボール)やメッセージカードもお渡ししました。

【2012年度】

  • 被災地の物産品の魅力を伝える「復興支援マルシェ」開始
  • 放射能汚染対策に貢献 『除染賠償責任保険』(損保ジャパン)
    東日本大震災で原子力発電所が被害を受けたことにより、現在も多くの地域に放射能汚染の影響が残っています。この対策として各自治体による放射性物質の除染作業が本格的に実施されています。2012年4月1日に施行された「放射線量低減対策特別緊急事業費補助金交付要領(環境省所管)」では、自治体が行う除染事業への国からの補助金交付にあたり、作業中の「第三者への賠償事故」「除染作業対象物の損壊事故」に対応する保険への加入が義務づけられました。
    損保ジャパンでは、自治体が実施する放射性物質除染作業に関する賠償事故に対応した専用商品『除染賠償責任保険』を開発し、2012年5月から販売を開始しました。『除染賠償責任保険』の特長は、除染作業中の賠償事故に対応するとともに、国からの補助金交付基準を満たした専用保険商品であるという点です。
    損保ジャパンは、東日本大震災発生後の課題の一つである放射能汚染対策の円滑な推進に貢献していきます。

●2012年度 ~社員派遣プログラム 第一弾~(損保ジャパン)

派遣先は、医療・看護・介護分野で活躍する「一般社団法人キャンナス東北(宮城県石巻市)」で、2012年7月から9月にかけて、公募で集まった合計10人の社員を業務派遣し、訪問介護のデータ整備・分析、マニュアルの作成、行政との連携業務、広報ツールの作成などに取り組みました。

現地スタッフとのミーティングの様子

<社員派遣プログラムメンバーの声>
「現在の被災地の様子、現地で活動している方々、被災地が抱えている問題などをもっと発信していく必要性を感じました。」
「普段とは、まったく異なる環境でしたが、営業現場で学んだ相手のニーズを把握し解を提供する力、事故処理のサービスセンターで学んだお客さまの声に耳を傾けるという姿勢、内勤部門で培ったデータ整備を通じた業務効率化、定量的に効果を把握するためのツール作り、社外向けPRツールの企画提案力などで貢献できたのではないかと思います。」

社員派遣プログラムの参加メンバー

●MADE IN SENDAI プリザーブドフラワープロジェクト(損保ジャパン)

株式会社日比谷花壇と共同で、東日本大震災の被災地の仮設団地でのコミュニティづくり支援を目的とした「プリザーブドフラワープロジェクト」を実施しました。宮城県仙台市宮城野区岡田西町仮設団地に避難されている方を対象に、日比谷花壇が派遣した講師のアドバイスのもと、2012年12月から2013年3月まで計4回にわたってフラワーアレンジメントの研修を行いました。研修には日比谷花壇の講師のほか、損保ジャパンの社員が運営スタッフとしてかかわりました。
研修終了後、「岡田西町たんぽぽの会」が結成され、プリザーブドフラワーのアレンジメントを商品として300個製作し、日比谷花壇の店舗などで販売しました。損保ジャパンの社内でも「母の日」にあわせて販売会を継続的に実施しています。

プリザーブドフラワーのアレンジメント研修会の様子

作成したアレンジメント『まごころ』

●東北『社会起業家』応援ファンド(損保ジャパン)

公益財団法人パブリックリソース財団と共同で被災地の人材や技術、自然、地場産品などの各種地域資源を活用しながら社会的事業を起こす社会起業家を対象としたファンド(助成金制度)を創設しました。
79件の応募から「社会性」「事業性」「地域への波及効果」を考慮して、被災地の復興を目指す11人の社会起業家を支援対象者として採択しました。
2013年12月までの1年間、助成金やコンサルティングサービスの提供などにより、新たな社会的事業が軌道に乗るよう継続的な支援を行いました。

社会起業家の皆さま(第1回研修会)

課題解決ワークショップ(最終報告会)の様子

●東北復興支援プロジェクト 「未来を育む学びin東北」(損保ジャパン)

NGOジャパン・フォー・サステナビリティと連携し、東北復興支援プロジェクト「未来を育む学び in 東北」を2012年~2013年に実施しました。同プロジェクトでは、海外の若者と国内の学生がともに被災地を訪ね、被災された人々や復興に取り組む人々の生の声に触れる学びの旅「ラーニング・ジャーニー」を実施したほか、東北の復興に向けて奮闘する若者たちのリーダーシップ能力を育む講座「復興を担う若手リーダー育成」、被災地の子どもたちによるミュージカル「東北子ども未来公演」を東京・世田谷で開催しました。

ラーニング・ジャーニーの様子

東北子ども未来公演(撮影:高野丈)

●被災地の低炭素復興プロジェクトの支援(損保ジャパン)

被災地の早期復興と環境に配慮した地域づくりに貢献することを目的に、被災地産オフセット・クレジット(J-VER*)を調達し、カーボン・オフセットを実施しました。支援対象のプロジェクトは環境省とも連携して公募し、「被災の程度」、「プロジェクトの推進による雇用の創出効果、地域経済の活性化」などの視点から採択したものです。
このプロジェクトでのJ-VERによるカーボン・オフセット量は合計10,000t-CO2で、日本最大規模となります(2013年8月末現在)。

  • J-VER:国内のプロジェクトによる排出削減・吸収量をカーボン・オフセットに用いられるクレジットとして環境省が認証するものです。

J-VER創出者との調印式

【2013年度】
●自治体向け『帰宅困難者対策保険』(損保ジャパン)

首都直下地震が発生した場合、517万人の帰宅困難者が発生すると推計されていますが、多くの方が帰宅を開始した場合、建物倒壊などによる危険や、道路がふさがれ救助や消火活動の妨げとなることが懸念されています。そのため、東京都は帰宅困難者対策条例を制定(2013年4月1日施行)し、行き場のない帰宅困難者を収容する一時滞在施設の募集を開始し、また一時滞在施設には施設側に経済負担緩和のため備蓄品の購入支援などの対策を実施しています。
損保ジャパンが2013年4月に開発した『帰宅困難者対策保険』は、自治体が施設との間で結ぶ協定書のなかで、一時滞在施設開設時に自治体が施設に対して見舞金支援を行うことを盛り込む場合、自治体が負担する見舞金に対して保険金をお支払いするというこれまでになかった保険です。一時滞在施設の支援を通じ、震災時の人命救助や帰宅困難者の安全確保に貢献できるものと考えています。

東日本大震災発生当日の新宿駅西口周辺の様子

●2013年度 ~社員派遣プログラム 第二弾~(損保ジャパン)

派遣先は、太陽光発電所や植物工場での体験学習を通じて、地元の子ども達の成長を支援している「一般社団法人あすびと福島(当時:一般社団法人福島復興ソーラー・アグリ体験交流の会 南相馬ソーラー・アグリパーク(福島県南相馬市))」で、2013年7月から10月にかけて、公募で集まった合計9人の社員を業務派遣し、体験学習の充実を目的としたワークシートの改善・品質向上のための仕組み作り、助成金申請書類の作成、太陽光パネルオーナーの拡大策提案、地元連携先の開拓・ヒアリング、地域イベントの立案・企画・参加などに取り組みました。

体験学習プログラム実施の様子

企画・立案を行う派遣社員

<社員派遣プログラムメンバーの声>
「震災当時、保険金支払いの応援で被災地に行き、現地の被害状況を目の当たりにしていました。被害の大きさに言葉を失い、もっとできることはないのかと感じていたため参加しました。」
「日常業務から離れて新しい仕事に取り組み、自ら課題を発見して成果を出すことの難しさを実感しました。同時に、スピード感と情熱を持っていないと新しいことは成し遂げられないということにも気付きました。」
「慣習や慣例を継続するだけではなく、一人ひとりのニーズに対応していくことの重要性を改めて認識することができました。」

「企業の人材力が被災地復興支援にどのように貢献できるか?
~被災地支援『社員派遣プログラム』報告会~」の様子

【2014年度】
●2014年度 ~社員派遣プログラム 第三弾~(損保ジャパン)

派遣先は、2012年度実施の第一弾と同様、医療・看護・介護分野で活躍する「一般社団法人キャンナス東北(宮城県石巻市)」で、合計4人の社員を業務派遣しました。団体の取組みを網羅的に掲載したチラシの作成や団体が予定していた報告会でのアンケート用紙の作成、集計作業などに取り組みました。
参加した社員からは、「日頃なかなか経験できない貴重な体験をし、今までとは異なる視野を養うことができた。今後の業務にも活かしていきたい。」などの声が寄せられました。

(一社)キャンナス東北のメンバーと社員派遣プログラムの参加メンバー

●ゴッホの《ひまわり》で被災地に明るさと勇気を(損保ジャパン)

東日本大震災復興支援事業として、 2014年7月15日~8月31日の1カ月半、宮城県美術館において、当社が所有するゴッホの《ひまわり》を特別公開しました。
フィンセント・ファン・ゴッホの代表作であるアルル時代の《ひまわり》7点のうち、1点はアジアで唯一、SOMPO美術館で常設展示されています。この作品は保存管理が大変難しいため、原則として館外への貸し出されることがない作品として知られていますが、被災地復興支援活動の一環として、ゴッホの描いた力強い《ひまわり》をご覧いただくことで、復興途上にある被災地域の方々に、明るさと勇気をもたらすことを願って、東北での初公開が実現しました。

開会式の様子

ゴッホの《ひまわり》
宮城県美術館での展示の様子

【2015年度】
●2015年度 ~社員派遣プログラム 第四弾~(損保ジャパン)

派遣先は、「子どもから高齢者まで病気や障がいの有無にかかわらず地域で健康的に生活し続ける事が出来る社会を創造する」を理念にリハビリテーション複合サービスを展開している「一般社団法人 りぷらす(宮城県石巻市)」で、合計5人の社員を業務派遣しました。団体が普及・促進に取組んでいる、住民主体で地域を支える「おたがい体づくりサポーター」の運営体制の構築やマニュアルの作成などに取り組みました。
参加した社員からは、「課題解決を先送りにせず、課題を認識した時点で迅速に対処すること、また、ひとつの課題に対し、俯瞰的な視点を持ち、解決策を見出すことを職場で実践したい。」などの声が寄せられました。
また、派遣先団体からは、「運営体制の構築が1から2ではなく、1から10への大きな一歩を踏み出すことにつながった。」などのコメントをいただきました。

現地スタッフとのミーティングの様子

●福島の太陽光発電プロジェクトへ出資

損保ジャパンは、福島県南相馬市の避難指示解除準備区域(当時)における太陽光発電プロジェクトに出資を行いました。本プロジェクトは福島第一原子力発電所の放射能汚染問題により利用が困難となった農地に太陽光パネルを敷き詰め、発電する事業です。採算性を確保できるうえに、東日本大震災の復興支援としての意義を有することから、福島県の全面サポートのもと、他金融機関と連携して取り組みました。

【2016年度】
●グループでの復興支援マルシェ開催 ~みんなで応援!がんばっぺ福島!

損保ジャパンでは、「みんなで応援!がんばっぺ福島!」をテーマに掲げ、風評被害の影響が残る福島県の物産品を対象に、グループ社員向けの「復興支援マルシェ」を、新宿本社・埼玉地区・中国地区で開催しました。中国地区では、地域特性を踏まえ、福島県に加え、2016年に震災に見舞われた鳥取県、熊本県の物産品を対象としました。また、関西地区では、福島県の物産品の購入斡旋を実施しました。

【2017年度】
●復興祈念パッチワーク展を開催

新宿本社ビルでは、2018年3月14日(水)から3月25日(日)まで、「震災の記憶を風化させない」をテーマに復興祈念パッチワーク展を開催しました。

これは、東日本大震災で被災した着物を譲り受けた方が、震災の記憶を伝えるべく、着物を再生する過程で出た端切れをパッチワークにするプロジェクトです。

50センチ四方のパッチワークでできているこの作品は、日本全国および世界33か国の1歳半から95歳までの方々が、東日本大震災からの復興を願い、制作したものです。現在は2,000枚を超える作品が集まっており、震災の記憶を伝える活動が広がっています。

2016年4月 熊本地震 被災地支援の取組み

損保ジャパンでは、2016年4月14日に発生した熊本地震の保険金のお支払いに全社を挙げて取り組むとともに、グループの役職員から義援金を募り、社会福祉法人中央共同募金会等を通じて、総額約1,200万円を寄付しました。
また、くまモンの「オリジナルチャリティーTシャツおよび大判ハンカチ」を社員向けに合計で約8,000枚販売し、売上による寄付金額(約460万円)は、阿蘇神社等被災文化財復興支援募金に寄付しました。

災害対策本部の様子

くまモンオリジナル
チャリティーTシャツ

くまモンオリジナル
大判ハンカチ

【ご当地独自商品『くまもとの火災保険』の販売】
損保ジャパンでは、地震保険付帯の火災保険に新規加入いただいた場合に、取扱代理店と損保ジャパンがそれぞれ100円を寄付する「地震義援金付き火災保険」を開発し、熊本県との「地域防災力向上に関する包括連携協定」に基づき、熊本地震で中心的な被害を受けた熊本県の復興支援を目的として、ご当地独自商品『くまもとの火災保険』を2016年10月から販売しています。

【熊本地震復興祈念イベント開催】
熊本地震の記憶を風化させず、県民のみなさまに 「自助」「共助」の重要性を意識してもらうことを目的とした復興イベントを毎年開催しています。

熊本地震本震より2年を迎える2018年4月16日、熊本県の防災ハンドブックや防災グッズなど約1,000セットの啓発グッズを小さな子どもから高齢者まで幅広く配布し、日頃からの防災意識の啓発を行いました。

集合写真

配布グッズ

配布の様子

「令和2年7月豪雨」による被災地への支援について

当社はグループ会社2社から被災地の復旧活動にお役立てていただけるよう、被災地において被災された方々の支援活動を行うNPO・ボランティアグループなどへの活動資金として計1,500万円、グループ役職員によるボランティア組織「SOMPOちきゅう倶楽部」から100万円を、社会福祉法人中央共同募金会等に寄付しました。

当社は、今後も事業領域での支援とともに、被災された方々の支援および被災地の復興に向けて、全力で取り組んでまいります。

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