人間尊重への取組み

人間尊重推進体制の仕組み

2010年11月に発行された社会的責任の国際規格ISO 26000では、「人権」が7つの中核主題のうちの一つとしてあげられ、人権を尊重した企業活動はいまや“世界の潮流”となっています。
当社グループは、2016年10月に改定した、グループの「グループ人間尊重ポリシー」を、世界の動向を踏まえ、「取引先や協業先、委託先等のパートナー企業における人権尊重」と「人権リスクへの対応態勢」を明記した内容に改定しました(2019年6月)。
損保ジャパンでは、取組みの推進組織として、「人間尊重推進本部」を設置し、人権をはじめとする基本的行動規範の啓発などの諸問題について、経営も交えた一元的かつ迅速な意思決定を目指し、組織横断的かつ、体系的な施策を展開しています。
さらに現場の生の声にも真摯に耳を傾けるため、「社員相談ホットライン」を社員の相談専用窓口として設置し、電話やメール、文書などにて個別相談を受付けています。
加えて、人間尊重に向けた社員の相互理解をさらに深め、働きがいのある、働きやすい、いきいきとした活力溢れる職場づくりを目的として「CSR・人権研修」を全社員・全職場を対象に、毎年、実施しています。

人権リスクの特定・軽減の取り組み

当社グループの人権デューディリジェンスのプロセスは、戦略的リスク経営(ERM)及びCSRマネジメントシステムの枠組みを活用し、体系的、継続的に運用されています。

2018年度より、関係部門・グループ会社が行う全社的リスクアセスメントにおいて、従来の労務リスクだけでない、人権リスクの観点を新たに加えており、関係部門・グループ会社で洗い出したリスクアセスメント結果を参照し、当社グループの業務に起因する人権に負の影響を与えるリスクの洗い出しに活用しています。

また、CSRマネジメントシステムに人権課題を組み込んでおり、関係部門・グループ会社において、人権リスクの洗い出し・対応策の計画・実施がボトムアップ形式で実施されています。

人権リスクの洗い出し・評価

当社グループでは、すべての事業(損保・生保・介護・その他戦略事業)および事業プロセス(バリューチェーン全体)を対象に、発生する可能性のある「人権の尊重に関する潜在的な影響とリスク」を特定しています。人権リスクの洗い出しにあたっては、UNEP FIの金融機関向けに策定した人権リスクに関するガイダンス(UNEP FI Human Rights Guidance Tool for the Financial Sector)や、国連グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパンのCSR調達セルフ・アセスメント質問表等、さまざまな国際的ガイドラインを参照しています。

2020年度に実施した人権リスク評価にあたっては、「人権への影響度(深刻度、影響を受ける人数、救済可能性)」と、そのリスクと「企業(自社)とのつながり」を評価軸とし、定量的に分析をしました。

<リスク評価結果 – 人権リスクマップ>

リスク軽減への取り組み

2020年度は2019年度に実施した人権リスク評価の結果に基づき特定された以下の人権リスクに対して、リスク軽減に取り組みました。

重点課題 影響を受けるグループ 事業
従業員の健康および安全 従業員 全事業共通
長時間労働 従業員・サプライチェーン上の労働者 全事業共通
不適切な賃金および福利厚生 従業員・サプライチェーン上の労働者 全事業共通
従業員等への非人道的扱い
(ハラスメントを含む)
従業員 全事業共通
従業員およびお客様の個人情報漏えい・プライバシー侵害 従業員・お客さま 全事業共通
商品・サービスにかかわる差別などの人権侵害 お客さま 介護事業
商品・サービスの安全 お客さま 介護事業
  • 従業員の健康および安全
  • 長時間労働

2019年度の人権リスク評価で特定された従業員における「長時間労働」のリスクにつき、2020年にはCSRマネジメントシステムの枠組みを活用し、対象となる組織のうち、87.7%がCSRマネジメントシステムの実施計画で軽減策を策定し取り組みました。
そのうち、在宅勤務制度やフレックスタイム勤務制度の利用、ゼロベースの業務見直しによる時間外労働の削減を通じ、改善が見られた組織の割合は43.6%となりました。

  • 従業員等への非人道的扱い(ハラスメントを含む)

「SOMPOグループ コンプライアンス行動規範」において、いかなるハラスメントも禁止する方針を明確化し周知するとともに、研修の実施等の対策を行っています。2020年度より「職員就業規則」にパワーハラスメント・セクシャルハラスメントに該当するか、または疑われるような行為をしないことを規定するとともに、具体的に、妊娠・出産・育児休業・介護休業等に関するハラスメントに該当するかまたは疑われるような行為をしないことを明記し、改訂を行いました。

<ゼロトレランスの対応>
当社グループは「グループ人間尊重ポリシー」に則り、職務遂行上のあらゆる面において、人種、肌の色、民族、宗教、信条、国籍、本籍、出身地、社会的身分、門地、性別、性的指向、性自認、性表現、妊娠、婚姻関係、年齢、障がいの有無、などを理由とした差別行為を一切行ないません。

内部通報においては、当社グループ全体の内部通報窓口として「コンプライアンスホットライン」を第三者機関に設けており、内部通報窓口とともに内部通報者の不利益取扱いの禁止を含む内部通報制度の利用ルールを周知し、その実効性の向上を図っております。また、2019年より消費者庁所管の「内部通報制度認証(WCMS認証)」の自己適合宣言登録事業者となり、対象事案の拡大や通報者保護に取り組んでいます。

  • 従業員およびお客様の個人情報漏えい・プライバシー侵害
  • 商品・サービスにかかわる差別などの人権侵害
  • 商品・サービスの安全

<保険引受・投融資を通じた人権リスク軽減への取組み>
損保ジャパンでは、金融機能を通じた人権リスク軽減への取り組みを進めています。2020年10月より、市民社会(NGO等)、専門家、有識者等との対話を実施し、ステークホルダーからの期待や要請を的確に把握し、保険引受・投融資を含む各事業の運営に活かしています。「児童労働」および「強制労働」を行う事業を社会に負のインパクトを与える事業として特定のうえ、慎重に対応をしています。