SOMPOグループの事業におけるESG配慮

SOMPOグループでは、社会の安心・安全・健康に資する商品・サービスを提供することで、ソリューションプロバイダーとしてレジリエントで持続可能な社会の実現に貢献することを目指しています。「グループサステナビリティビジョン」をはじめとしたポリシーを策定し、気候変動、人権、地域社会への配慮を自らの事業プロセスに取り込み、環境(Environment)・社会(Social)・ガバナンス(Governance)を考慮した投融資や保険引受に取組んでいます。
損保ジャパンは、2006年、国連の責任投資原則(PRI)立ち上げ時に日本の保険会社として初めて署名、SOMPOアセットマネジメントは2012年に署名しました。
また、損保ジャパンは、国連の持続可能な保険原則(PSI)の起草に参画するとともに、2012年6月にブラジル・リオデジャネイロで開催された「国連持続可能な開発会議(リオ+20)」における正式発表において原則の推進に向けた意志表明を行い、署名しました。
PSIが主導する持続可能な保険原則の具体化に向けても積極的に取組んでいます。2018年6月より開始されたPSIメンバーによる「TCFD保険パイロットワーキンググループ」へも参画し業界共通ガイダンスの策定に取組みました。また、世界自然遺産・文化遺産の保護に向けたイニシアチブ「PSI-WWF World Heritage Sites initiative」が2019年10月に公表した保険業界向けガイダンスの策定にも参画し、署名を行いました。
こうした国際的な原則を踏まえ、SOMPOグループは、ESGを考慮した投融資や保険引受を高度化していくことで、レジリエントで持続可能な社会の実現に貢献してまいります。

ESGリスク対応体制

SOMPOグループでは、ESGに関するリスク管理の高度化に取組んでいます。
グループに重大な影響を与える可能性があるリスクを重大リスクと定義し、気候変動による想定を超える風水災損害の発生や脱炭素社会への移行に伴うレピュテーション毀損、資産価格への影響などの気候変動リスクや、その他の環境問題、人権問題などに関する企業への社会的要請が高まる中で適切な行動をとらないことによるレピュテーション毀損を重大リスクとして、ERMのフレームワークで管理しています。

また、保険引受や投融資などの事業において重要性が高いと認識された事案については、グループCSuOを議長、グループ各社の役員クラスをメンバーとした「グループサステナブル経営推進協議会」およびその下部組織において協議をしています。さらに、ステークホルダーからの情報収集や意見交換を通じて、事業プロセスにESGの要素を取り込むことで、ESGリスクへの対策を実施しています。

サステナビリティへの取組み

気候変動や生物多様性の喪失といった地球環境問題は、私たちの生活基盤に大きな影響を与える課題であり、多様なステークホルダーとともに取組みを進め解決を図っていく必要があります。また、安心・安全・健康に暮らせる社会の実現にあたっては、社会システムやインフラ等のレジリエンスを高めていくことも不可欠と考えています。
SOMPOグループは、取引先、投資先、地域社会、市民社会との対話や協働といったパートナーシップにより課題解決に向けた対策を講じるとともに、グループが有するノウハウ等を活用し、レジリエントで持続可能な社会の実現を目指します。
また、昨今の新型コロナウイルスの感染拡大は、リモート社会やサプライチェーンの再構築等、人々の価値観や社会システムを大きく変革し、社会の分断や低成長の常態化等を伴って脆弱な立場に置かれる人々により大きな影響を及ぼす可能性があります。
SOMPOグループは、SDGsが掲げる誰一人取り残さない人間中心の社会の実現に向け、お客さま、取引先をはじめ、事業活動に関連するすべてのステークホルダーの人権に配慮し、人権侵害の危険性を回避、防止するために、ステークホルダーとの対話を実施しています。
取引先等に対しては、国際的な行動規範に基づく人権の尊重を期待するとともに、万一、人権への負の影響が生じる可能性を把握した場合には、対話・協議を行うなど、適切な対応を促していきます。

責任ある投融資への取組み

損保ジャパンは、責任ある機関投資家として、投資先のESGへの取組みを考慮した投融資を推進しています。環境に配慮した再生可能エネルギー発電事業を対象とした投融資を行うことにより、温室効果ガスの削減や脱炭素社会への移行の促進に貢献しています。責任投資原則(PRI)の署名機関として、上場株式や債券の資産運用をはじめとした各アセットクラスの責任投資を推進しています。

SOMPOアセットマネジメントでは、機関投資家として果たすべき社会的責任に対する考え方と具体的な行動方針として、「責任ある投資家としての考え方と行動方針」を定めています。投資先企業の価値向上や持続的成長に関心を払いながら、中長期的な投資収益の獲得を目指すアクティブ運用においては、財務情報のみならず、ESG情報などの非財務情報についても的確に把握するよう努めています。企業のESG情報を継続的にモニターし、投資価値として統合的に評価することで、運用プロセスの中にESG要因を組み込んでいます。

また、さまざまな海外資産を国内の投資家に提供するため、海外の優良な運用会社の商品を日本向けに導入する際も、これらの外部委託プロダクトについて、ESGやスチュワードシップに関する方針や推進体制、実施状況などについて、プロダクト採用時のデュー・デリジェンスで独自に評価することとしており、採用後も定期的にモニタリングしています。各プロダクトに対する評価は、運用会社としての責任投資・ESG 投資の取り組み姿勢や、当該プロダクトの運用プロセスにおける ESG の考慮の視点、議決権行使の体制や実施状況などから、4 段階(A+、A、B、C )で評価しています。同社では A 評価以上のプロダクトを ESG 投資として認定しており、2021 年 3 月末時点では外部委託プロダクトの約 8 割が ESG 投資であると認識しています。また、外部委託先のうち 90%以上が責任投資原則(PRI)に署名しています(残高ベース)。

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取引に際し注意を要する事業

グループ・チーフ・サステナビリティ・オフィサー(グループCSuO)を議長とするグループサステナブル経営推進協議会(事務局:SOMPOホールディングス・サステナブル経営推進部)では、グループのESGリスクの低減や機会の特定・取組みの推進につき、協議をしています。グループサステナブル経営推進協議会の傘下に設置したワーキンググループでは、市民社会(NGO等)、専門家、有識者等との対話を実施し、ステークホルダーからの期待や要請を的確に把握し、保険引受・投融資を含む各事業の運営に活かしています。
損保ジャパンは環境・社会に負の影響を与える可能性のある保険引受・投融資に関しては、下表のとおり、注意を要する事業やセクターを特定しています。

投融資

環境・社会に負の影響を与える可能性のある投融資案件に関しては、投融資を禁止しているクラスター爆弾製造企業に加え、下表のとおり対象となる案件を特定し、環境や社会に及ぼす悪影響を評価のうえ、慎重に対応しています。

保険引受

環境・社会に負の影響を与える可能性のある保険引受案件に関しては、引受を禁止している反社会勢力への対応に加え、下表のとおり対象となる事業特定し、環境や社会に及ぼす悪影響を評価のうえ、必要に応じてサステナビリティ部門が営業部門・アンダーライティング部門とESGの観点から対応事項等について協議を行うなど、慎重に対応しています。

<対象となる事業>
分類 対象事業
環境 ■ユネスコ世界遺産保護条約違反
条約で保護対象となる自然・文化遺産を破壊するとされる事業
■ラムサール条約違反
保護対象となる湿地(国内には52か所)を破壊するとされる事業
社会 ■人権侵害
児童労働、強制労働が行われている事業
■非人道兵器
対人地雷、生物兵器・化学兵器、核兵器に関する事業

対象事業における具体的な案件の特定においては、ステークホルダーとの対話・協議を踏まえ、SOMPOリスクマネジメントと連携してアセスメントを実施しています。

エンゲージメント

SOMPOアセットマネジメントでは、投資先企業との対話(エンゲージメント)を行っています。スチュワードシップ責任を果たすため、アナリストやファンドマネージャーが投資先企業や投資候補企業と日常的に対話を行える関係を構築します。そのうえで、投資判断基準である中長期の視点から評価した本源的価値を理解することを対話の軸とし、その源泉となる付加価値創造およびその分配のプロセスの把握に努めています。また、運用プロセスの中にESG要因を組み込んでおり、ESGに関する対話を進めています。2020年度は、約700社の投資候補先企業を選定し、同社アナリストのリサーチ活動を通じて、企業との個別対話を607件、説明会等への参加を1,957件、計2,564件の対話の機会を得ることができました。

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損保ジャパンにおいても、取引先企業の経営戦略、事業リスクなどに加え、ESGの観点での対話を実施しています。高いESGリスクに晒されている業種や企業を特定し、ESGリスク低減のための取組みの促進に向け、対話を進めています。損保ジャパンでは、“「責任ある機関投資家」の諸原則《日本版スチュワードシップ・コード》”の趣旨に賛同し、投資先企業の企業価値向上・毀損防止や持続的成長を促すスチュワードシップ責任を果たすべく、当該企業との建設的な目的をもった対話等に取組んでいます。2018年7月~2019年6月においては、株式保有時価、議決権割合、業績、ROE、配当性向、ESG・SDGsの取組みなどを総合的に勘案して対象先を選定し、実効性ある対話を実施いたしました。

2020年からは、温室効果ガス排出量が多い業種や、環境・人権課題を含むサプライチェーンマネジメントなど、ESG課題に関連が深い業種(ガス、電気、食料品、陸運業、水産農林業、輸送用機器、鉄鋼、海運、空運など)から、損保ジャパンが株式保有する上場企業を選定し、エンゲージメントを実施しています。個別銘柄の選定は時価総額、Climate Action 100+のエンゲージ対象リスト、地域性等を考慮に入れており、エンゲージメントでは、気候変動に関わるリスク管理体制や戦略、温室効果ガス削減方法および削減目標の設定、人権に関わるバリューチェーンにおけるリスクアセスメントの実施状況やリスクの特定方法などのヒアリングを実施し、対話を行っています。

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議決権行使

SOMPOアセットマネジメントでは、議決権行使ガイドラインを策定し、ガイドラインの目的、議決権行使に関する基本的な考え方、個別の議案に対する考え方、議決権行使に関する業務体制を示しています。

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損保ジャパンでは、議決権行使にあたっては、損保ジャパンで定めている議決権行使基準に則るとともに、議決権行使も投資先企業の持続的成長に資する重要な機会と捉え、コーポレート・ガバナンスの整備状況、コンプライアンス体制、環境問題への取組状況なども勘案のうえ、総合的な見地から賛否の判断をしています。
特に慎重な検討が必要と判断される議案については、当該企業にその目的や背景を確認するなど、十分に調査したうえで判断しています。

SOMPOアセットマネジメントが個人投資家向けに提供する環境関連ファンドの一つである損保ジャパン・グリーン・オープンは、企業の環境問題への取組み状況と投資価値の両面から分析して評価の高い銘柄に投資しており、2021年3月末時点の純資産残高は約270億円と、日本最大級のESGファンドです。その他にも機関投資家向けの「サステナブルファンド」や「グリーンファンド」といったESGファンドと、個人向けのSRIファンドを合計すると、2021年3月末時点での純資産残高は約1,860億円になります。

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ESG投資実績

損保ジャパンは、ESG投資の一環として、環境債(グリーンボンド)や社会貢献債(ソーシャルボンド)等への投資に取組んでいます。当社は、投資を通じて温室効果ガスの削減・脱炭素社会への移行の促進や開発途上地域などの経済・社会の発展を実現するとともに、長期的な観点で環境配慮や社会課題の解決に貢献するべく、今後もグリーンボンドやソーシャルボンド等への投資に取組んでいきます。

  • グリーンボンドとは、調達された資金が温室効果ガス削減など環境対策に利用されることを前提として発行される債券です。また、ソーシャルボンドとは、調達された資金が基礎インフラ開発や社会サービスへのアクセス改善など社会課題への対応に利用されることを前提として発行される債券です。

ESGに関する保険商品の提供

損保ジャパンが提供している自動車保険において、保険加入顧客に対し、法人向け安全運転支援サービス『スマイリングロード』や、個人向けに安全運転カーナビアプリ『ポータブルスマイリングロード』、高齢者向けに安全運転支援サービス『DRIVING!』 (ドライブレコーダーを活用したテレマティクスサービス)等を提供することで、交通事故件数の軽減に貢献しています。また、ハイブリッド自動車や電気自動車など環境に配慮した自動車に対して保険料の割引を適用する「エコカー割引契約」や、保険の契約内容などをウェブサイト上で閲覧できるWeb証券やWeb約款の仕組みを導入しています。他にも、自動車事故時のリサイクル部品の活用を進めており、使用済み自動車から取り外した再利用可能な中古部品などの利用を促進しています。

保険引受実績

天候インデックス保険の提供

『天候インデックス保険』とは、気温、風量、降水量などの天候指標が、事前に定めた一定条件を満たした場合に定額の保険金をお支払いする保険商品です。当社グループは、SOMPOリスクマネジメントによるリスク評価技術を活用することで、気候変動の影響を受けやすい農業が主な産業である東南アジアにおいて、農業経営リスクの軽減を目的とした『天候インデックス保険』を提供しています。

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マイクロ・インシュアランスの実績

開発途上国では、保険や銀行などの基本的な金融サービスへのアクセスが課題となっています。マイクロ・インシュアランスのサービスを通じて、増大する社会的ニーズに対応し、持続可能な地域開発に貢献しています。一例として、インドでは、農業保険等のマイクロ・インシュアランス提供を拡大させています。