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ビジネスと人権

1. 人権方針の策定・公表

当社グループは、グローバル市場におけるすべての事業活動が人権に負の影響を与える可能性があることを認識しています。この認識のもと、2006年より国連グローバル・コンパクトを支持し、「労働における基本的原則と権利に関するILO宣言」をはじめとする人権に関する国際規範を尊重しています。これら国際規範の尊重と並び、当社グループが独自に定める「グループ人間尊重ポリシー」を、重要な指針とし、すべての事業活動において大切にしています。

当社グループは、あらゆる形態の強制労働、人身取引、児童労働ならびに雇用と職業に関する差別やハラスメント(セクシャルハラスメント、パワーハラスメント、カスタマーハラスメントなど)を許容しません。適用される法規制の遵守にとどまらず、子どもの権利(「子どもの権利とビジネス原則」の支持を含む)、女性の権利、ジェンダー平等、結社の自由と団体交渉権、安全で健康的な労働環境といった基本的な人権を尊重します。

また、健全な労働慣行を確立するため、健康経営戦略に基づき、適切な生活賃金の支払い、男女間の平等報酬の実現、時間外労働や過剰な労働時間の回避・削減、最大労働時間の設定、年次有給休暇の取得を推進します。労働者の解雇にあたっては、雇用の安定と生活保障の観点から、労働基準法*1や労働契約法*2などの関連法を遵守し、適切に対応します。これらの考え方・方針は、すべての役員・社員にとっての基本姿勢であると同時に、取引先、協業先、委託先といったパートナー企業の皆さまにも同様の取組みを理解・実践いただけるよう働きかけ、協働し推進することを目指します。

ステークホルダーの人権に関する方針についての詳細は、下記をご参照ください。

  1. 解雇や雇止めに関するルールについて:
    https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000014uzs-att/2r9852000001dhat.pdf
  2. 労働契約(契約の締結、労働条件の変更、解雇等)に関する法令·ルール:
    https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/keiyaku/index.html

推進体制

当社は、サステナビリティに関する適切な対応を促進するため、グループサステナブル経営推進協議会(以下「協議会」)を中心とする推進体制を構築し、ビジネスと人権に関する取組みを強化しています。協議会傘下には、グループ会社のメンバーで構成される「ビジネスと人権ワーキンググループ(WG)」を設置。サステナブル経営推進部が事務局となり、グループ全体で実効性のある体制を構築しています。

推進体制

2. 人権デュー・ディリジェンス

ステップ1 人権リスクの洗い出し・特定・評価(アセスメント)

当社グループは、国連「ビジネスと人権に関する指導原則」に基づき、自社の事業活動およびサプライチェーン全体(取引先、委託先、代理店、投融資先・保険引受先等)を対象とした人権デュー・ディリジェンス(以下:人権DD)を継続的に実施しています。

このプロセスは、特定の国や商品に限定されないグローバルかつ包括的なものであり、年に一度、定期的に実施する継続的な取組みとして位置づけています。

ビジネスと人権への取組みの全体像

ロードマップ

当社グループでは、2025年度より当社グループ内におけるビジネスと人権の仕組み構築に着手しました。初年度にはグループ会社26社にてWGを設置。新たに人権リスクアセスメントを実施し、各社の事業特性を踏まえた人権リスクの特定と優先課題の選定を行いました。このように、各社における推進体制の構築を通じて、対応策の策定・実行、および実証・評価を行う仕組みを整えています。WGでは不定期で互いの取組みの意見交換をする機会を設け、継続的な意識向上に努めています。

2025年度にから2027年度の3年間にわたる人権の取組みについてロードマップを策定しており、今後も継続して取組みを推進してまいります。

ロードマップ

ステップ1 人権リスクの洗い出し・特定・評価(アセスメント)

当社グループは、人権リスクを特定するため、国際的なガイドラインに基づく調査に加え、社外の人権専門家からも専門的な知見を得ています。さらに、机上調査のみならず、事業やサプライチェーンにおいて影響を受ける可能性のあるステークホルダーとのエンゲージメントを実施しています。ヒアリングやアンケート調査を通じて、現場の潜在的な人権課題に関する生の声を直接収集し、リスク評価の精度向上に活用しています。

M&A案件等の投資判断プロセスにおいては、財務・税務、法務、コンプライアンス、ビジネス等を対象とした包括的なデュー・ディリジェンスを実施しています。これらのDDにおいて、案件特性・必要性に応じて、人権リスク含むESGなどの関連リスクについても把握・評価し、投資判断および買収後のリスク管理に活用しています。

2025年度は、ERMの対象となるグループ26社で人権リスクアセスメントを実施しました。

<2025年度 人権リスクアセスメント>

カテゴリー A. 過去3年の全評価対象に対する割合(%) B. 全評価対象(項目A)のうち、リスクが特定された割合(%) C. 軽減策が取られたリスク(項目B)の割合(%)
自社事業 100% 100% 100%
請負業者と
サプライヤー
100% 100% 100%
  • 人権リスクの洗い出しの際に、対応策の策定を必須としているため、対応策の策定率は100%

2025年度の人権リスクマップ

アセスメント結果に基づき、一年に一度人権リスクマップを作成・更新しています。本マップでは、特定されたリスクの「深刻度*1」と「発生可能性*2」の2軸評価するとともに、当社グループと当該リスクとの関係性(単独・集団)や関与の度合い(引き起こす、助長する、直接関連する)を多角的に考慮し、取り組むべき優先課題を整理・決定しています。

  1. 規模(影響の重大性)、範囲(影響のおよぶ範囲)、救済困難度(影響が生じる前と同等の状態に回復することの困難度)をもとに評価
  2. リスクが実際に起こる可能性(頻度)、「およそn年に1回の頻度で生じるか」をもとに評価

人権リスクマップ

人権リスクマップ凡例

ステップ2・3 優先課題の特定および負の影響の防止・軽減措置、実施状況と結果の追跡調査(モニタリング)

当社グループは、人権リスクアセスメントを通じて特定した優先課題に対し、負の影響を防止・軽減するための具体的な取組みを推進しています。また、これらの取組みの実効性を継続的なモニタリングによって評価し、改善に努めています。

2025年度は、気候変動による震災・パンデミックまたは、システム障害・人手不足等の理由により、事業が停止・停滞し、お客さまのサービスへのアクセス権を侵害するリスクとしてサービスへのアクセスを新たに優先課題としました。

優先課題と防止・軽減に向けた取組み
お客さま 従業員 サプライチェーン上の従業員 優先課題 主な取組みと進捗
● ● ハラスメント

【教育・研修】

  • 全従業員を対象に、eラーニングやコンプライアンス研修を継続的に実施し、意識向上を図っています。
  • 2025年度は、管理職層へのハラスメント防止研修を複数回実施し、健全な職場環境の醸成を徹底しました。

【サプライチェーン】

  • 委託先選定時の審査項目に人権や労働安全衛生に関する項目を設け、サプライチェーン全体で人権が尊重される体制を構築しています。
● ● 職場における差別

【教育・研修】

  • 全従業員向けに「SOMPOグループコンプライアンス行動規範」に関する研修や、サステナビリティ・人権に関する研修を継続的に実施しています。
  • 採用選考官を対象とした研修を定期的に行い、面接官ガイドを配備することで、公平・公正な採用選考を徹底しています。

【制度・体制整備】

  • 同性パートナーを配偶者と同等に扱う社内規程を整備・運用し、多様な家族形態に対応した職場環境を整備しています。
● お客さまの個人情報漏洩やプライバシーの侵害

【教育・研修】

  • 情報漏洩が重大な人権侵害(プライバシー侵害)に繋がり得るという認識を、研修を通じて全従業員に浸透させています。

【制度・体制整備】

  • 情報セキュリティ管理体制を継続的に強化するとともに、委託先管理の厳格化を含む徹底した再発防止策を講じています。
● サービスへのアクセス(介護:援助提供の継続性担保)

【BCP(事業継続計画)の強化】

  • 南海トラフ地震などを想定したグループ共通のBCP訓練や、介護施設ごとの防災訓練を定期的に実施しています。
  • 有事の際にもサービス提供を継続できるよう、代替機能や備品、インフラの再整備を計画的に進め、事業継続能力の向上を図っています。
● 商品・サービスに関する差別

【教育・研修】

  • 介護事業において、経営理念である「人間尊重」の浸透を目的とした研修や、事故防止・虐待防止に関する職員研修を定期的に実施しています。

【アクセシビリティの確保】

  • 国籍や障がいの有無に関わらず、誰もが円滑にサービスを利用できる仕組みを整備しています。ご自身での手続きが困難な方には、代理人による手続きをご案内するなど、個別のご事情に配慮した対応に努めています。

【サプライチェーン】

  • 委託先選定時の審査項目に「健康経営」や「労働安全衛生」に関する項目を設定し、サプライチェーン全体での人権配慮を推進しています。

2025年度ビジネスと人権WG活動と従業員の意識向上

当社グループでは、ビジネスと人権に関する取組みをグループ各社へ浸透させるため、階層別の勉強会や研修を継続的に実施しています。2025年度のWG活動においては、メンバーを対象に、「人権DD実施に向けた体制構築」と「グループ全体における知見の向上」を優先課題として取り組みました。

■参加者の意識変容と具体的な成果

2025年度の活動における最大の成果は、参加者の「意識の変容」です。WGを通じて、人権への対応が単なる法令遵守ではなく、企業価値の向上や事業機会の創出、企業評価を守るための重要な戦略であるという認識が定着しました。

特に、外部専門家を招聘した勉強会(第1・2回)は、国際的な潮流やライツホルダー(権利保持者)の視点への理解を深める機会となり、参加者の約6割が「自ら行動を起こせる」レベルに到達するなど、具体的な行動変容へとつながりました。WGでの学びは個人の理解に留まらず、自社の人権リスクアセスメントへの反映や、独自の社内研修の実施といった組織全体への具体的なアクションへと発展しています。

■WGにおける実践的な学びと今後の展望

第3回WGでは、各社から要望の多かった「リスクアセスメントの進め方」や「社内浸透」などをテーマに、少人数での意見交換や好事例の共有を実施し、グループ横断的な課題解決の機会を創出しました。

2025年度の活動は、基礎知識のインプットから各社での自律的な実践へと歩みを進めるための確かな土台となりました。終了後アンケートでは、「経営層への説明に活かしたい」「自社事業に潜む人権リスクの洗い出しに繋がった」など、経営層へのコミットメントや組織全体への浸透を示す実践的で前向きな声が多数寄せられています。

活動内容

円グラフ:参加者の意識変化とモチベーション、WGで得た「できるようになったこと」

参加者の声

すべての役員・社員を対象とした人権啓発研修

当社グループでは、人間尊重に基づく社員間の相互理解を深め、働きがいのある、働きやすい、いきいきとした活力溢れる職場づくりを目的として「サステナビリティ・人権研修」を国内グループの全役員・社員を対象に、毎年実施しています。

本研修では、「グループ人間尊重ポリシー」の周知や「ビジネスと人権」の概要について継続的に学ぶとともに、社会課題を反映し、多岐にわたる人権問題について幅広く学習しています。

グループ役員を対象とした勉強会

全役職員向けの人権啓発研修に加え、経営層のより高度な理解と実践を目的に、外部弁護士を講師に迎えた役員向け勉強会を実施しました。「なぜ今、SOMPOで人権の取組みが必要なのか」を再確認し、サステナビリティを巡る国際的な潮流や日本企業の現在地を踏まえ、役員に求められる具体的な対応や役割について議論を深めました。

「お客さまの個人情報漏洩やプライバシーの侵害」

「お客さまの個人情報漏洩やプライバシーの侵害」は、人権およびコンプライアンスの視点から非常に優先度の高い課題だと認識しています。この課題に対し、社員および組織全体の知識と意識の向上を図るため、定期的な必須研修を実施しています。

研修では、発生しうる事故類型を分類し、自己学習および組織学習を通じて知識・意識の向上を図っています。また、万が一情報漏洩事案が発生した際には、対応フロー、再発防止策の策定、そしてその定着確認までの一連の流れを定めた具体的なルールに基づき対応しています。

カスタマーハラスメント対応態勢の整備

社員が心身ともに健康で、安心して働くことができる職場環境を整えることは重要であり、カスタマーハラスメントに該当すると考えられる行為から社員一人ひとりを守ることは、お客さまへ質の高いサービスを持続的に提供していくうえでも不可欠です。当社はグループ各社へ、厚生労働省による「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」なども参考にした対応態勢を整備する資料を提供するなどしています。

一例として損保ジャパンでは、「カスタマーハラスメントに対する方針」の公表や社員への教育・研修の実施、社員のための相談・報告体制の整備などの取組みを進めています。

ハラスメント事案の抑止・防止に向けた取組み

当社グループは、ハラスメントのない健全な職場環境を構築するため、ハラスメント事案の抑止・防止を重要な経営課題と位置づけています。その実現に向け、ハラスメント認定件数の対前年比削減を主要なKPIとして掲げ、以下の取組みを重点的に推進し、ハラスメントの未然防止と発生時の適切な対応を強化しています。

(1)「SOMPOの価値観(誠実、自律、多様性)」を起点に2024年11月に策定した「グループ共通コンピテンシー」を通じて、敬意をもって相手を認める姿勢や、傾聴と建設的な対話などの行動を推奨しています。このような観点を評価制度に組み込み、日常の行動変容を促すことで、ハラスメントを起こさない企業文化・風土の醸成を図っています。
詳細は人間尊重・SOMPOの価値観(誠実・自律・多様性)の体現ー人材戦略ー(統合レポート本編)をご参照ください。

(2)改定した役員選任基準およびマネジメント登用基準等に基づき、過去のハラスメント事案への関与やリスクが懸念される社員の登用は行わないことを徹底しています。

(3)「SOMPOグループ コンプライアンス行動規範」の解説書である「実践の手引き」において、いかなるハラスメントも許容しないことを行動事例として示すとともに、懸念や問題に気づいた際の相談窓口を明示して、相談しやすい環境づくりを推進しています。
詳細はコンプライアンスへの取り組みをご参照ください。

(4)懲戒関連規程を改定し、懲戒等処分に該当する具体的な不適正行為の内容や、それに対する懲戒方法を従来よりも明確化し、社員の意識向上を図っています。さらに、グループ共通の懲戒処分の策定プロセスを新たに導入し、処分基準や加減要素の明確化を行うことで、属人化の排除と透明性の確保に努めています。

(5)グループにおける全管理職向けのハラスメント防止研修を刷新し、過去にグループ内で発生した事例を基にしたケース動画(行為者・被害者双方の視点を含む)を活用することにより、正しい危機感の醸成と、ディスカッションを通じた主体的な気づき・行動変容を促進しています。また、具体例を用いて指導とハラスメントの違いを明らかにすることで、管理職が萎縮することなく自信を持ってマネジメントにあたるための方法を示しています。研修の受講後アンケートでは、受講者の98%が「ハラスメント問題を自分事として考えることができた」と回答しています。

ハラスメント事案の抑止・防止に向けた取組み(全体像)

こうした一連の取組みにより、早期の相談や第三者からの通報が増加するなど、社員の人権意識や健全な職場環境づくりに対する当事者意識が高まっていることを認識しています。2025年度の認定件数はグループ全体で23件(前年度比10件減少) となりました。引き続きハラスメント撲滅に向けた取組みをさらに強化していきます。

なお、発生した事案については、その態様を踏まえ、適切な措置を講じています。

長時間労働への対応

2025年度のリスクアセスメントでは、ERMの対象となるグループ会社のうち80.7%*が「社員およびサプライチェーンの労働者の長時間労働」のリスクを特定しました。影響を受けるすべての組織が、長時間労働のリスクを軽減するための対策を策定し、実施しています。

  • 会社数による算出

移住労働者ー多様な人材との共生と人権の尊重

SOMPOケアでは、日本の介護人材の需給ギャップという社会課題の解決に向けて、国籍を問わず多様な人材が活躍できる環境整備を推進しています。

そのなかで、海外から迎える人材が安心して働き、成長できる環境を整備するため、来日後の初期教育(16日間の集合プログラム)、初年度研修などを通じて、文化や慣習の相互理解を深め、差別やハラスメントの防止に努めています。これらの研修では、業務スキル向上に加え、日本での生活支援として、交通機関の利用や地図アプリの使用のサポートなども行っています。

事業所に配属後も、現場OJT研修、フォローアップ研修のほか、日本語学習サポート、資格取得サポートを継続的に実施しています。これにより、海外人材の皆さまが専門性を向上させ、多様な背景を持つ人材がともに成長できる職場環境を実現しています。

研修受講者の声

外国人労働者の受け入れ人数

初期教育の様子

ステップ4 情報開示

当社は「グループ人間尊重ポリシー」にのっとり、人権への負の影響に対処する取組みの進捗について、公式Webサイトやサステナビリティレポートを通じて積極的に開示・報告するとともに、英国現代奴隷法への声明も公表しています。これらの開示を通じたステークホルダーの皆さまとの双方向のコミュニケーションを重視し、得られたフィードバックを人権影響評価や各種プロセスの見直し、および継続的な体制改善へと反映させています。

3. 救済の仕組み

基本方針と救済へのコミットメント

当社グループは、事業活動が人権に負の影響を及ぼす可能性があることを深く認識しています。人権への負の影響を軽減し、適切な救済を提供することは、企業が人権尊重責任を果たす上で不可欠な要素です。

この責任を果たすため、既存の内部通報制度に加え、多様なステークホルダーおよびライツホルダーの皆さまから人権に関する苦情・相談・ご意見を幅広く受け付ける体制を整備しています。これにより、人権侵害の早期発見と迅速な解決を図り、被害者への適切な救済を提供するとともに、得られた知見を確実な再発防止策へとつなげていきます。

通報・相談者の保護とプライバシーの徹底

通報および相談の受付にあたっては、匿名性を厳格に確保し、個人情報や相談内容の取り扱いには細心の注意を払います。通報・相談者ならびにすべてのステークホルダーに対し、通報等を理由とした不利益な取扱いが生じないよう保護を徹底します。

また、救済メカニズムの実効性を継続的に向上させるため、人権に関する専門知識を有する外部NGO等との建設的な対話を実施しています。相談窓口の現状や運用課題を透明性をもって共有し、アクセス可能性の向上や被害者中心の運用確立に向けたフィードバックを得て、枠組みの改善に反映させています。
今後は、救済窓口へのアクセス性向上に加え、内部通報制度の周知徹底や担当者の専門性の向上に努めるとともに、ステークホルダーの皆さまとの丁寧な対話を通じて、より実効性の高い苦情処理メカニズムの構築と改善に取り組んでまいります。

ご意見・苦情の受付と対応(お客さまの声)

損保ジャパンでは事業全般に関するお客さまからの不満足の申し出を苦情ととらえています。お客さまからお寄せいただいた苦情は、公平かつ透明性の高いプロセスを通じて真摯に受け止めます。その傾向や内容を集計・分析することで、人権への負の影響の特定・防止、および再発防止に結び付けます。さらに、損保ジャパンの業務・商品・サービスの継続的な改善も推進していきます。

社員からの通報・相談態勢と是正措置

当社グループは、働きやすい職場環境を構築するため、職場におけるハラスメントやいじめ、嫌がらせなどの問題行為に関する情報を早期に把握することに努めています。その一環として、コンプライアンス全般に関する通報・相談窓口に加え、人権相談窓口を設置し、電話やメールでの個別相談を受け付けています。

受け付けた通報・相談のうち、法令違反、社内規程違反、または「SOMPOグループコンプライアンス行動規範」の精神に反する懸念や問題が疑われる場合には、厳正かつ公平な調査を実施します。違反行為が確認された場合は、雇用契約および就業規則等に基づき、違反者に対して懲戒処分等の是正措置を実施します。

社外からの人権についての相談

グループの直接的なお取引先やサプライチェーンをはじめ、社外の多様なステークホルダーの皆さまから人権に関するご意見やご相談をお受けする重要なチャネルとして、当社ウェブサイトに「お問い合わせフォーム」を常設しています。

なお、当社が直接引き起こした影響ではない場合であっても、投資先企業等を通じて人権への負の影響に「直接関連」するケースにおいては、権利保持者および投資先企業との対話を重視しています。2025年の具体的な事例として、投資先企業の1社が運営する施設の利用者様より初動対応等に関するご相談を受けた際には、影響を受けた利用者様と誠実な対話を行いご懸念を深く理解するとともに、投資先企業の関係部署に対して直接エンゲージメントを実施し、適切な救済対応や運用手順の見直しに向けた検討を働きかけました。これら双方への対話を通じて、投資先企業による誠実な対応と改善に向けた姿勢を引き出しています。

お寄せいただいた内容は、社内の専門・関連部署が真摯に受け止め、適切に対応します。そのプロセスを通じて得られた学びや知見は、再発防止策の策定や、事業活動全体の持続的な改善に反映させていきます。

本窓口は英語にも対応しており、海外からのご相談も可能です。主要な事業展開地域における公用語を鑑み、大半のステークホルダーからのアクセスを確保できる体制としています。

ステークホルダーとの対話

人権尊重の取組みを一層深化させるため、当社グループはグループ会社を含む多様なステークホルダーの皆さまとの対話を重視しています。対話を通じて、人権課題と事業活動との相互影響や負の影響への理解を深め、そこで得た知見をグループ各社の取組みへ反映させています。

グループ会社との対話

当社は、ビジネスと人権ワーキンググループの事務局として、各グループ会社との直接対話を通じて具体的なニーズを把握し、人権リスクアセスメントの支援や体制整備のサポートを提供しています。また、ワーキンググループにおいては、グループ全体の知見向上と取組みの底上げを図るため、以下の活動を推進しています。

  • 知見向上のための勉強会:「ビジネスと人権」に関する最新動向や専門知識を学ぶ場を定期提供
  • 好事例の共有とディスカッション:各社における先進的な事例を共有し、グループ内での横展開を促進
  • 状況調査の実施:定期的なアンケート調査により各社の取組み進捗を可視化し、運営や支援内容のブラッシュアップに活用

広告出稿における人権配慮

外部有識者(弁護士等)との対話において、当社の広告活動の意思決定プロセスに関し「判断の根拠をステークホルダーに説明できる透明性の確保」が不可欠であるとのご助言をいただきました。

また、メディア企業との対話においては、形式的な対応に終始せず、以下の点が極めて重要であるとのご指摘を受けています。

  • 対話の「目的の明確化」と、そこから「得られた情報の適切な開示」の工夫
  • 個別対応にとどまらない「原則に基づく社内ルール」の体系的な整備

これらの助言・指摘を真摯に受け止め、当社グループは透明性のある意思決定プロセスの構築、メディア企業との対話強化、国際的なベストプラクティスの参照を推し進め、広告活動における人権配慮の取組みをさらに高度化していきます。

気候変動と人権の統合的取組み

気候変動が人権に与える影響、環境と人権を統合した取組みの重要性、効果的な情報開示について、外部有識者と有意義な対話を行いました。

対話では、環境負荷の軽減と社会的弱者への支援を同時に実現する具体的な事業連携の可能性など、今後の具体的な取組みに資する多角的な知見を得ることができました。

さらに、介護事業における人権配慮のさらなる深化や、既存の商品・サービスを人権および環境の視点から多角的に再評価することの重要性についても議論を重ね、持続可能な社会の実現に向けた意識を高めました。

一連の対話を通じて、当社グループはすべての事業活動の根底に人権尊重の視点を組み込むことの必要性を改めて深く認識し、事業活動への統合を進めていきます。

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