経営成績の概況
当連結会計年度の世界経済は、前半は新型コロナウイルス感染症の世界的大流行の影響により厳しい状況にありましたが、その後は米国や欧州で回復が続くなど総じて持ち直しています。わが国経済も、生産や企業収益などに持ち直しの動きが見られていますが、原材料価格の上昇や金融資本市場の変動、供給面での制約等、主に地政学に起因する下振れリスクには依然として注意が必要な状況にあります。
このような経営環境のもと、当連結会計年度における当社グループの業績は次のとおりとなりました。
経常収益は、保険引受収益が3兆6,568億円、資産運用収益が3,384億円、その他経常収益が1,721億円となった結果、前連結会計年度に比べて3,211億円増加して4兆1,674億円となりました。一方、経常費用は、保険引受費用が3兆994億円、資産運用費用が373億円、営業費及び一般管理費が5,703億円、その他経常費用が1,447億円となった結果、前連結会計年度に比べて2,207億円増加して3兆8,519億円となりました。
以上の結果、経常収益から経常費用を差し引いた当連結会計年度の経常損益は、前連結会計年度に比べて1,004億円増加して、3,155億円の経常利益となりました。経常利益に特別利益、特別損失、法人税等合計などを加減した親会社株主に帰属する当期純損益は、前連結会計年度に比べて823億円増加して2,248億円の純利益となりました。
当社グループのセグメントごとの業績は次のとおりであります。
(1)国内損害保険事業
正味収入保険料は、火災保険の増収などにより、前連結会計年度に比べて205億円増加し、2兆2,171億円となりました。親会社株主に帰属する当期純損益は、前連結会計年度に比べて15億円増加し、1,382億円の純利益となりました。
(2)海外保険事業
正味収入保険料は、前連結会計年度に比べて2,715億円増加し、9,985億円となりました。親会社株主に帰属する当期純損益は、前連結会計年度に比べて478億円増加し、421億円の純利益となりました。
(3)国内生命保険事業
生命保険料は前連結会計年度に比べて217億円減少し、3,185億円となりました。親会社株主に帰属する当期純損益は、前連結会計年度に比べて34億円減少し、159億円の純利益となりました。
(4)介護・シニア事業
経常収益は前連結会計年度に比べて19億円減少し、1,366億円となりました。親会社株主に帰属する当期純損益は、前連結会計年度に比べて2億円増加し、13億円の純利益となりました。
財政状態の概況
当連結会計年度の連結総資産は、前連結会計年度に比べて6,691億円増加し、13兆7,878億円となりました。また、連結純資産は、前連結会計年度に比べて96億円増加し、2兆407億円となりました。
当連結会計年度のキャッシュ・フローにつきましては次のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フローは、生命保険料や収入積立保険料の減少などにより、前連結会計年度に比べて261億円減少し、6,000億円となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有価証券の売却による収入の増加などにより、前連結会計年度に比べて109億円増加し、△3,485億円となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、債券貸借取引受入担保金の減少などにより、前連結会計年度に比べて756億円減少し、△1,701億円となりました。
以上の結果、現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度に比べて895億円増加し、1兆2,073億円となりました。