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ERMの枠組み

当社グループのERMには、資本・リスク・リターンのバランスを取りながら企業価値の最大化を図るための経営管理フレームワークとしてリスクテイクに係わる「リスクアペタイトフレームワーク」と経営基盤の安定に資する「リスクコントロールシステム」の2つの側面があります。

1.リスクアペタイトフレームワーク

リスクテイクの側面では、リスクアペタイトフレームワークを中心に資本・リスク・リターンに関する分析を重要な経営判断に活用しています。
リスクアペタイトフレームワークは、SOMPOのパーパスおよびグループの経営計画で目指す姿の実現に向けて、当社グループとして「取るリスク」、「回避するリスク」を「SOMPOグループリスクアペタイトステートメント」として明文化したうえでリスクテイクを行うことで、その達成確度を高めるための仕組みです。当社は、リスクアペタイト指標とグループ全体最適観点に基づいて各事業と対話したうえでグループ経営計画を策定し、各事業に資本配賦を行っています。

2.リスクコントロールシステム

リスクコントロールの側面では、当社グループを取り巻く多様なリスクと機会を特定、分析、評価するリスクコントロールシステムを活用しています。

(1)重大リスク管理

当社グループは、「事業に重大な影響を及ぼす可能性があるリスク」を「重大リスク」と定義し、事業の抱えるリスクを網羅的に把握・評価しています。重大リスクは、リスクアセスメントや専門家などの見解に基づいて網羅的に把握し、リスクが当社に及ぼす影響を具体的なシナリオで想定したうえで、発生可能性および影響度(経済的損失、業務継続性およびレピュテーション毀損の3項目)でリスクを定性・定量の両面から評価し、対策の十分性について議論しています。
また、現時点では具体的な影響シナリオの想定に基づく評価は困難であるものの、環境変化などにより新たに発現または変化し、今後、当社グループに大きな影響を及ぼす可能性のあるリスクを「エマージングリスク」と定め、個別の重大リスクと関連付けて適切に管理をしています。国内外の専門家との対話や各種情報源から候補を収集し、想定される影響度が一定以上のエマージングリスクについては、損失軽減の観点だけでなく、新たな保険商品・サービスなどのビジネス機会の観点からグループ横断でモニタリングおよび調査研究を行っています。

(2)自己資本管理

当社グループが保有する各種リスクを統一的な尺度(VaR:Value at Risk)で定量化し、自己資本がリスク量と比べて充分な水準を維持できるよう管理をし、必要に応じ対応策を実施する態勢を整備しています。

(3)ストレステスト

当社グループの経営に重大な影響を及ぼし得る事象を的確に把握・管理するために、大規模な自然災害や金融市場の混乱などのストレスシナリオが顕在化した際の影響額を算出し、資本およびリスクへの影響度を分析して、必要に応じ対応策を実施する態勢を整備しています。

(4)リミット管理

特定事象の発現により多額の損失が生じることを回避するため、与信リスク、出再リスク、自然災害リスクの各々に対してグループベースで最大限度額を設定し、管理しています。

(5)流動性リスク管理

日々の資金繰り管理のほか、巨大災害発生時などの最大資金流出額を予想し、それに対応できる流動性資産が十分に確保されるよう管理しています。

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