PDCAサイクルによる取締役会の実効性向上
当社は、取締役会の実効性を高めるための取組みとして、各取締役の自己評価を含むアンケートを年1回実施し、取締役会全体の実効性について分析・評価をする機会を設けています。取締役の意見を積極的に取り入れ、抽出された課題やさらなる進化に向けた対応方針を確認し、取締役会の機能発揮に資する具体的な取組みの実行を通じたPDCAサイクルにより、取締役会の機能向上、コーポレート・ガバナンスの強化に努めています。
2023年度の実効性評価は、重大な不祥事案が発生したことや2024年度から新たな中期経営計画が始まることをふまえ、これまでの取締役会の機能発揮の状況を評価したうえで、さらなる機能発揮を実現するために必要な取組みを明らかにすることを目的として実施しました。
取締役会実効性向上のためのPDCAサイクル

2023年度の取締役会実効性評価の着眼点
A)取締役会の機能発揮に関する全般的な評価
(適切な審議プロセスの確保、各委員会での審議、課題認識の共有、適切な範囲での情報入手と関与)
B)不祥事案に関する業務改善命令をふまえた再発防止の取組みへの評価
(監督の観点から取締役会として取り組むべき点、執行に取組みを促すべき点)
C)グループのさらなる進化のための未来志向での評価
(取締役会、執行の役割を適切に果たしていくための課題、企業価値の向上に向け重点的に審議していく経営テーマ)
2023年度の評価結果
2024年度の取組み
評価結果や当社グループの経営環境などをふまえ、執行部門からの報告などにもとづき取締役会でも経営議論を深めていくべきテーマ、取締役会のさらなる機能発揮を実現するために重視すべき取組みには次のようなものがあります。
当社の執行部門では、これからも取締役会におけるさまざまな意見や助言を能動的に受け止め、意思決定の質を高める取組みを重ねるとともに、重要な経営テーマについては、より深い経営議論が行えるよう、取締役会付議に先立って社外取締役と意見交換を実施するなど、株主をはじめとするステークホルダーの期待に応えていく方針としています。
<経営議論を深めていくべきテーマ(2024年度)>
- 業務改善計画の着実な実行と効果発揮
- SOMPOのパーパス実現に向けて各事業領域で取り組む事業戦略
(損保ジャパンにおける「SJ-R」、海外保険事業の成長戦略、ウェルビーイング事業の立ち上げなど)
- グループ共通で取り組む経営基盤の強化
(資本コストや資本効率性を意識した経営、人材戦略、デジタル・データ戦略、目に見えない資産(ブランド、エンゲージメントなど)の評価および価値向上など)
<取締役会の更なる機能発揮を実現するために重視すべき取組み>
- グループのガバナンス・内部統制のさらなる実効性の強化
- 不祥事案の再発防止策の進捗および実効性に関するモニタリング機能の強化
- 論点志向による重要性の高いテーマに特化した重点的な審議
- 執行状況報告の機会の充実
- 取締役会本会議で審議すべき事項の明確化
- 社外取締役間や各法定委員会間のコミュニケーション・情報連携