サステナビリティに配慮した保険引受・投融資等の方針
1. サステナビリティに配慮した保険引受・投融資等の方針(以下「本方針」)の考え方
SOMPOグループ(以下、「当社グループ」)は、レジリエントで持続可能な社会の実現に貢献します。当社グループは、サステナビリティを長期的価値創造の原動力と捉えており、パーパスの基本的な考え方に基づいて保険引受・投融資などの事業活動の意思決定を行っています。当社グループの各社が企業としての社会的責任を果たすための「グループサステナビリティビジョン」をはじめとしたポリシーを策定し、人権、気候変動、生物多様性、地域社会に配慮した対応の考え方を示しています。
特に保険引受・投融資におけるサステナビリティ課題やリスクを適切に把握・管理するため、本方針を掲げ、取組みを進めています。
これらを踏まえて、市場機会を特定し、リスク管理を行い、コミュニティへの参画、社会的責任、ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンの強化等を通じ、当社グループの企業価値向上を図ります。
本方針は、外部環境や事業活動の変化、本方針の運用状況、ステークホルダーからの期待や要請等を踏まえ、認識すべきリスクや対象となるセクター・事業の適切性・十分性について、定期的にレビューし、方針の見直しを行います。
エネルギー転換の推進
当社グループは、気候変動を重要な社会課題に位置づけ「SOMPO気候アクション」として、気候変動への「適応」「緩和」「社会のトランスフォーメーションへの貢献」に取り組むことを掲げています。再生可能エネルギーや革新的技術の普及など保険引受での脱炭素促進や投融資でのGHG(温室効果ガス)排出量の削減および気候変動の適応に資する商品・サービスの提供を進め、経済・社会・環境が調和したグリーンな社会づくりに貢献し、2050年までに、保険引受・投融資・事業活動を通じてネットゼロを達成します。
当社グループでは、パリ協定の実現を後押しするために国内外のさまざまなイニシアティブへの参画を通じて、お客さまのサステナビリティへの取組みを支援し、お客さまと共に、カーボンフットプリントの削減を目指します。
社会的正義の実現
当社グループは、「グループ人間尊重ポリシー」のもと、グローバル市場でのすべての事業活動において、基本的人権を尊重することを掲げて行動しています。
社員一人ひとりがそれぞれの強みを最大限に発揮することを目的に、ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンを成長に向けた重要な経営戦略と位置づけ、その実現に向けた体制と企業風土の構築に努めています。
また、保険引受、投融資および各取引先(代理店、再保険会社、アセットマネージャー、賃借人、ベンダー等)と新たなパートナーシップを結ぶ際には、「グループサステナビリティビジョン」をはじめとしたポリシーを考慮します。
優れたガバナンスを目指す
当社グループは、「グループサステナビリティビジョン」に基づき、高い倫理観のもと、国際的な行動規範を尊重し、お客さま、社員、地域社会、株主などすべてのステークホルダーの利益を考慮して経営判断を行います。
また、ISSBが策定する開示基準等をふまえ、目標達成に向けた進捗状況等について、社会に対して情報を積極的かつ公正に開示していきます。
2. セクターに対する方針
保険引受・投融資において、セクター横断的な方針と特定セクターに対する方針を定めています。
(1)セクター横断的な方針
セクターにかかわらず、環境・社会に負の影響を与える可能性のある以下の事業に対し、環境・社会に及ぼす悪影響を評価のうえ、お客さまの事業への対応状況を確認し、慎重に取引を判断します。
- ユネスコ世界遺産保護条約で保護対象となる自然・文化遺産を破壊するとされる事業
- ラムサール条約で保護対象となる湿地を破壊するとされる事業
- 児童労働、強制労働が行われている事業
- 先住民族*1および地域住民の人権を侵害するおそれのある事業
- 対人地雷、生物兵器、化学兵器、核兵器をはじめとする非人道兵器に関する事業
このほか、反社会的勢力およびクラスター爆弾製造企業への保険引受・投融資は行いません。
*1以下のスタンダードなどを参照しています。
United Nations Declaration on the Rights of Indigenous Peoples
United Nations Free, Prior and Informed Consent (FPIC)
(2)特定セクターに対する方針
ア. 石炭
石炭火力発電は、他の発電方式に比べGHG(温室効果ガス)排出量が多いことや、硫黄酸化物や窒素酸化物などの有害物質を放出することなどから、環境への影響が懸念されています。
また、炭鉱開発(一般炭)は、将来の火力発電所等での燃焼を通じたGHG(温室効果ガス)排出量増加のほか、炭鉱から排出される有害廃棄物による生態系への影響、労働者の労働安全衛生リスクや人権侵害等の可能性があります。
これらを踏まえ、以下の事業への新規の保険引受・投融資は行いません。
- 新設および既設の石炭火力発電事業
- 炭鉱開発(一般炭)の新規事業および拡張事業
ただし、二酸化炭素回収・利用・貯留技術(CCS・CCUS)、アンモニア混焼等の革新的な技術を有するなど、パリ協定の実現に資するGHG(温室効果ガス)削減効果が見込める場合には、慎重に検討し対応する場合があります。
また、石炭事業を主業とする以下の企業への保険引受(新規・更新)*2・投融資は行いません。
- 収入の20%以上を石炭火力発電、一般炭鉱山およびオイルサンドの採掘から得ている企業
- 発電の20%以上を石炭でまかなっている企業
ただし、2050年までにGHG(温室効果ガス)ネットゼロを達成する目標への取組みがある場合を除きます。
イ. オイルサンド
オイルサンドの採掘には、より多くのエネルギーと水資源を必要とする採掘・精製工程により、環境への影響が懸念されています。また、生態系への影響や、生物多様性の毀損、先住民族・地域住民の人権侵害等の可能性があります。
これらを踏まえ、以下の事業への新規の保険引受・投融資は行いません。
ウ. 北極圏でのエネルギー採掘
北極圏でのエネルギー採掘は、事故対応の困難さをはじめとする環境への影響、希少生物の生息地や先住民族の生活や文化に悪影響を及ぼす可能性があります。
これらを踏まえ、以下の事業への新規の保険引受・投融資は行いません。
- 北極圏監視評価プログラム(AMAP、Arctic Monitoring and Assessment Programme)エリア*3でのエネルギー採掘事業*4
また、以下の企業への保険引受(新規・更新)*2・投融資は行いません。
- 北極野生生物国家保護区(ANWR)のエネルギー採掘活動に関わる企業
ただし、2050年までにGHG(温室効果ガス)ネットゼロを達成する目標への取組みがある場合を除きます。
*2個々の社員の健康や福祉を支援する保険(労災保険等)には適用されません。
*3ただし、ノルウェー域内は除きます。
*4エネルギー採掘活動とはエネルギーを採掘するプロジェクト単体を指します。