社外取締役インタビュー

変革を通じた
成長のためのガバナンス

取締役(社外取締役)
指名委員会委員長・報酬委員会委員

スコット・トレバー・デイヴィス
(Scott Trevor Davis)

Q1. このタイミングでガバナンス体制を変更したのはなぜですか。

一般的にガバナンスの目的は、企業が価値を創造し続け、ステークホルダーの期待に応えているかどうかを確認することです。目的達成には、適切な目標を設定し、適切な決定を下し、それらを効果的に実行することが求められます。目標を立ててから評価されるまでの一連のプロセスの監視と評価は、ガバナンスにとって重要な問題です。
個々の企業は、各社固有のステークホルダーの期待に応えるために、ビジネスモデルや価値提案に関する独自の特徴を有しています。もちろんこれはSOMPOホールディングスにも当てはまります。そのため、SOMPOホールディングスのガバナンスの質および指名委員会等設置会社のガバナンス体制導入の重要性を評価するためには、事業の戦略的方向性と事業の特徴も考慮しなければなりません。
約10年前、SOMPOホールディングスは、人口減少、高齢化、低水準の経済成長に直面する日本において、主に国内の損害保険事業が中心だった事業を全社的にいかに成長させていくかという課題に直面していました。そして、SOMPOホールディングスが出した答えが「トランスフォーメーション」でした。ここで言う「トランスフォーメーション」とは、「安心・安全・健康」の領域で、「テーマパーク」のような一連のシームレスなサービスやソリューションを提供していくグループへの変革を通じた成長と価値創造を指します。SOMPOホールディングスの事業運営は、既存のビジネスモデルの刷新と、既存事業に関連する新たな分野への事業領域の拡大という変革を通じた成長を重視する方向に変わりました。
その結果、ガバナンスの観点からは、市場のさまざまなダイナミクスに対応するためのスピード感を持った意思決定の必要性や有望な事業機会、市場間のシナジーの発見と発展を促進する必要性が高まりました。また、持株会社の観点からは、成長する事業ポートフォリオのマネジメントを強化する必要性が高まりました。
SOMPOホールディングスのガバナンスは、責任範囲を明確にし、より客観性と透明性を高めるための継続的なプロセスとして管理されており、シナジーやイノベーションを追求するために、事業部門間の幅広い連携を推進しています。そのため、現時点で指名委員会等設置会社のガバナンス体制を採用することは、トランスフォーメーションを進めるなかで意思決定の客観性と透明性を高め、適切に経営を監督していくための非常に有効な手段です。
ただ、指名委員会等設置会社への移行は、価値を創造しステークホルダーとの約束を守るために必要とされるガバナンス体制やシステムを強化する、継続的なプロセスの一つに過ぎません。

Q2. CEOはどのように指名されますか?

最高経営責任者(CEO)を務める適任者の指名は、あらゆる企業にとって極めて重要な問題であり、SOMPOホールディングスにおいても例外ではありません。しかし、重要なことは、「CEOがどのように選ばれ、指名されるのか」ではなく、「役員の任命と評価がどのように戦略と結びついているのか」ということです。
トランスフォーメーションを通じた成長を達成するため、SOMPOホールディングスは、組織的にも多くのイノベーションを進めてきました。執行レベルでは、事業オーナーとグループ・チーフオフィサー(CxO)のそれぞれの地位が確立されています。国内損保事業、海外保険事業、国内生保事業、介護・ヘルスケア事業の各事業のトップは、事業オーナーとして指名されています。CxOのポジションは、CEOから始まり、業務執行、戦略、デジタル、財務、人事およびリスクの最高責任者(それぞれCOO、CSO、CDO、CFO、CHROおよびCRO)で構成されています。事業オーナーはビジネスモデルの開発および管理責任を負い、CxOは機能領域の責任を負うマトリクス型の経営体制です。
この体制により、さまざまな視点から同時に事業を検討することができます。例えば、介護分野のイノベーションは、高齢者のニーズの変化に加えて、デジタルなど新たな技術の活用による効率性向上の機会創出やサービス開発など、多面的に検討することが可能になります。この事業部門と機能領域の区別は、計画と実行段階の両方で客観的かつ透明性のあるバランスのとれた戦略の策定を可能にします。それと同時に、異なる役割を持った役員が相互に影響しあうことによって、彼らのパフォーマンス、能力、潜在的な素質を評価することができます。
事業オーナーまたはCxOのどちらであるかに関わらず、すべての役員は、「安心・安全・健康のテーマパーク」実現に向けたトランスフォーメーションという全社的なミッションに基づいて自らのミッションを策定することを求められています。役員の昇進と報酬は、「ミッション・ドリブン(使命ありき)、リザルト・オリエンテッド(実現志向)」の方針に基づいています。
SOMPOホールディングスの後継者育成は、抽象的なものではなく、あくまでミッションに基づいています。CEOを含む経営陣は、トランスフォーメーションを通じたグループ全体の成長戦略の実現を定義し、その実現に貢献できるミッションを策定し、実行する能力について絶えず評価され、その評価に対する結果に応じて報酬を受け取っています。

Q3. SOMPOホールディングスのガバナンスの発展における次のステップは何ですか?

SOMPOホールディングスの「ミッション・ドリブン、リザルト・オリエンテッド」に基づく方針は、現在までのところ、イノベーションを促進し、成果を出しているという点で非常に効果的です。また、事業オーナーとCxOを組み合わせたマトリクス型の経営体制は、経営プロセスにおけるさらなる透明性と客観性を促進するうえで著しい効果をもたらしました。その結果、現在SOMPOホールディングスおよびグループ各社に配置されている経営陣は優秀で、すばらしいパフォーマンスを発揮しています。これらの経営陣の質とパフォーマンス、そしてそれを支える方針と手順が相まって、SOMPOホールディングスは、トランスフォーメーションの実行という次のステップに向けて成長を遂げながら、指名委員会等設置会社のガバナンス体制の特徴を最大限に活用していくでしょう。
指名委員会等設置会社のガバナンス体制の利点の1つは、方針の策定と戦略の実行の分離、つまり監督責任と執行責任を明確に区別することによって、柔軟でタイムリーな戦略の実行を可能にすることです。この新しいガバナンス体制により、取締役会は意思決定の柔軟性と適時性を高めるために、必要に応じてより多くの権限を事業オーナーとCxOに委譲します。また、SOMPOホールディングスは、「Global ExCo」と呼ばれる新しいレベルの戦略的組織を設置しました。
取締役会は全体的な戦略の方向性を設定し、進捗と達成度を厳密に監督しますが、「Global ExCo」は、「ミッション・ドリブン、リザルト・オリエンテッド」の方針に従って、国内外の業務の調整と発展を強化する目的で、海外子会社のメンバーも含む事業オーナーおよびCxOによって構成された管理プラットフォームとして機能します。また、この「Global ExCo」という新しい組織が、地域および事業領域を超えた、知識や専門性、経験、資源のシナジーを生み出すことにより、SOMPOホールディングスグループが、すべてのグループメンバーの国を超えて経営管理機能の敏捷性と透明性をさらに向上させることを期待しています。