戦略的リスク経営 (ERM)

当社の戦略的リスク経営(ERM)は、資本・リスク・リターンのバランスを取りながら強固な財務健全性の維持、利益規模の拡大とROE10%以上を見込める着実な資本効率の向上の実現を目指すことにより、企業価値の最大化を図る経営管理フレームワークです。中期経営計画では、リスクアペタイト原則、中期リスクテイク戦略およびリスクアペタイト指標からなる「SOMPOグループ リスクアペタイトステートメント」を定め、ここで明確にした中期的なリスクテイクの方向性をふまえ、資本効率の低い政策株式の削減やALM強化による国内金利リスクの削減の継続などにより、既存事業の資本効率を向上させます。また、創出された資本およびキャッシュフローを、主に海外保険M&Aやデジタル分野などの成長領域へ向けることで、グループ資本効率のさらなる向上を図ります。これらの取組みにより、これまで中期的な目標としていた修正連結利益3,000億円以上の利益拡大、修正連結ROE10%以上の資本効率について、中期経営計画の最終年度となる2023年度の達成を目指します。

戦略的リスク経営(ERM)

SOMPOグループ リスクアペタイトステートメント

リスクアペタイト原則

  • 資本・リスク・リターンのバランスを適切にコントロールし、資本効率および利益安定性の向上、グループ収益の拡大を通じて、企業価値の最大化を図る。
  • 多様化・複雑化するリスクを的確にとらえてコントロールするとともに、より多くのお客さまへのサービス提供と社会への価値提供を将来にわたって持続可能にするための強固な財務健全性を維持する。
  • 保険・介護など、安心・安全・健康に資する事業ポートフォリオをグローバルかつバランスよく構築し、収益源の多様化、リスク分散による利益の成長と安定化および資本効率の改善を進める。また、中長期の価値創造を通じた利益成長を実現するため、M&Aなども活用し新たな事業領域での積極的なリスクテイクを行い、社会課題の解決と企業価値の飛躍的成長を目指す。

中期リスクテイク戦略

  • グループの持続的成長を確固たるものとするため、安定的なリターン獲得を図り、修正連結利益3,000億円以上、修正連結ROE10%以上の達成を目指す。
  • 保険事業では「規模と分散」の追求のため、海外先進国で保険引受を拡大しつつ、自然災害リスクは利益変動への影響を抑制する。また、株式リスクおよび金利リスクの削減とともに、リスク対比リターン獲得のための資産運用を推進する。
  • 非保険事業では「新たな顧客価値の創造」のため、リアルデータプラットフォームの構築や関連分野への積極投資による事業創出を企図する。

リスクアペタイト指標

  • グループの経営計画で目指す姿を実現するための定量的な基準(目標水準や許容水準など)を定める(以下は一例)。
指標 位置づけ 目標/許容水準
ターゲット資本水準 グループ戦略上の適正な資本水準の目安 グループESR:200~270%
リスク許容度 グループおよび各事業単位が戦略上必要とする財務健全性の水準 グループESR:150%
保険事業のESR:120%
非保険事業のESR:100%
国内保険子会社が事業継続するために最低限必要な財務健全性の水準 国内保険子会社のESR:100%
リスク分散比率 リスク分散、利益の地理的分散の観点から利益安定性を評価 2020年度比改善
海外事業比率 30%以上
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