“経営の羅針盤”としてのERM

気候変動による自然災害の激甚化・頻発化、地政学リスクの高まり、サイバー攻撃の脅威やAIなどのデジタル技術の急速な進展など、当社を取り巻く事業環境の不確実性はますます高まっています。
当社グループは、保険事業を中心とした「規模と分散」の取組みを進めるとともに「新たな顧客価値の創造」により、社会課題解決への貢献を実現しつつ、長期的な利益成長性の向上に取り組んでいます。その実現を支えるリスク管理の枠組みである戦略的リスク経営(ERM)は、“経営の羅針盤”として、①グループが置かれた現在地を正確に把握(現状の多面的な分析)し、②将来起こりうるリスクを敏感に察知(重要なリスクの的確な把握と対策)し、③グループが取るべき航路を提示(最適な事業ポートフォリオの提示)することで、損失を未然に回避するだけでなく、新規事業投資などの機会損失を低減させることで、当社グループを最適な方向に導く機能を発揮しています。
2019年からの新型コロナウイルス感染症のパンデミックは、企業にオペレーションの中断・分断に対するレジリエンスの重要性を教訓として残しました。その後も、地政学的分断が加速し、新たな技術によりサイバー攻撃が高度化するなか、戦略的リスク経営(ERM)には、リスク・ポートフォリオとオペレーションの2つの側面からの「レジリエンス」が求められています。
1つ目は「レジリエントなポートフォリオの構築」であり、急速に変化する社内外の情勢をふまえて、健全性、収益性、資本効率などの影響を定量化して示すことで、取るべきリスク・回避すべきリスクを継続的に見直すための経営議論をサポートしています。
そして2つ目は「レジリエントなオペレーションの確立」であり、多様化・複雑化するリスクが当社グループに与える影響を可視化するとともに、リスクが発現した際にも事業やサービスが継続的に提供できるオペレーションを確立します。ERMは、これら2つのレジリエンスを追求することで、グループの持続的成長の実現に貢献していきます。

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