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グループCHROメッセージ

画像:グループCHRO 原 伸一 日本発の真のグローバルカンパニーに向けた人材戦略

SOMPOグループが目指す「日本発の真のグローバルカンパニー」を、人材の観点で言い換えるなら、社員一人ひとりがプロフェッショナルである会社だと考えています。

もともとの雇用体系が終身雇用、同質性の高いムラのなかで、上手く立ち振る舞うことが優秀とされてきました。結果として、会社は金太郎飴をつくるような人材育成しか行ってこなかったわけですから、目指す姿の実現に向けては、大きな変革が必要です。

そして今、これまでジェネラリスト育成に偏重していた人材育成方針を大きく転換し、一人ひとりがプロフェッショナルとして活躍するための専門性強化に、大胆に舵を切っています。ここで重要なのは、いわゆる専門家として、「自分はこれだけをすればいい」という人材を重宝するのではなく、自らの専門性を高めながら、そのスキルや知識をもって組織のミッションに使命感をもって取り組める、言い換えれば「高いプロ意識を有した」そんな社員であふれる会社としていくことです。

土台となるコーポレートカルチャーと柱となる人材強化

昨年2024年度はパーパスを軸とした企業理念体系の再構築に取り組みました。そのなかでグループの存在意義であるSOMPOのパーパスを、すべてのステークホルダーにとっての北極星となるよう再言語化するとともに、すべての役員・社員が大切にすべき「SOMPOの価値観」を策定しました。また、価値観を起点に「グループ共通コンピテンシー」を見直し、各種制度や基準に反映することで、さらなる浸透を図り、実効性を高めてきました。

もちろん、こうした取組みは一度指針を作ったら終わりというものではなく、会社が営みを続け、これらを軸に社員が日々の意識や行動を変えていくことで、徐々にコーポレートカルチャーとして形作られ、根付いていくものです。そして、そうしたカルチャーを土台とし、企業として新たな価値を生み出し、より成長するために必要となるのが人材強化です。そこで、「グループ人材強化」を人材戦略の柱と位置付け、2024年度に設立した、300億円規模の「SOMPO人材ファンド」からの専門性強化などに向けた人材投資を加速させてきました。

そして、こうした各領域での専門性強化に加えて、今まさに進めているのが、グループ共通の求める人材像、目指すプロフェッショナルの明確化です。イメージだけお伝えすると、社員に求めるスキル・専門性を二階建て構造とし、全社員に共通で求められる一階部分と、それぞれの領域で求められる二階部分に分けて考えています。一階部分は、現代の読み書きそろばんとなるもので、「英語」と「AI」を軸に考えています。そのうえで、各領域での尖った専門性を二階部分として、引き続き強化していきます。

社員が会社を舞台にして、自らの強みとなるスキルや専門性を磨き、自律的なキャリアを追求することで、再構築した企業理念体系を軸としたSOMPOのカルチャーを、より魂のこもったものとしていきたいと考えています。

人材戦略での「つなぐ・つながる」とセンター・オブ・エクセレンス(CoE)

2025年度から、新たな経営体制に移行し、「SOMPO P&C」と「SOMPOウェルビーイング」の2つのビジネス領域に再編しました。今後はそれぞれのビジネス領域が主体となって、人材戦略を実行していきます。そのなかでひとつのカギとなるのが、センター・オブ・エクセレンス(CoE)です。

SOMPOグループでは、領域ごとのベストプラクティスやノウハウをグループ全体に展開すべく、CoEを加速させていきます。勤務する国や所属会社に関わらず、各領域における専門知識や経験、リーダーシップにおいて最適な人材にグループを牽引してもらいます。

この先駆けとして、内部監査領域およびコミュニケーション領域において、2024年8月から、所属会社にとらわれないグループ最高責任者の任命を行いました。もっとも、役員任命に限るものではなく、大切なのはグループ全体を見渡し、そのポジションに最もふさわしい人材を登用していくということです。こうした取組みにより、人材戦略においても「つなぐ・つながる」を実現し、より強いグループへと進化させていきます。

成長を支える「SOMPOの働き方」

このような取組みを加速させるなか、加えて見直すべきもののひとつとして、「働き方」があると考えています。外部環境が大きく変化するなか、企業としての成長を続けるためには、機動性と柔軟性を備えた組織となる必要があります。そしてそのためには、社員一人ひとりの働き方の変革が必要です。

そうしたなか、2025年度、「SOMPOの働き方・働く場所の原則」および「SOMPOの働き方の指針」を新たに策定しました。目指すは、「組織の価値創造の最大化」と「社員の高いパフォーマンス・成長・働きがい」です。出社とリモートワークの利点をうまく活用しながら、その両立を目指していきます。

そして、「SOMPOの働き方」実践の先例として、SOMPOホールディングスと損保ジャパンのコーポレート部門の一部を「グループ本社」とし、2027年2月に新オフィスへ移転します。新オフィスでは、最先端のテクノロジーを最大限活用した生産性の高い働き方を実現します。また、これをファーストステップとし、多様かつ柔軟な働き方とそれを可能にするワークプレイスの整備をグループ全体で進めていきます。そして、そのなかで未来の働き方を育てていくことで、持続的成長や企業価値向上につなげていきます。

新たな生産性指標で測る中長期的な価値創造

人材戦略で進める人材投資、ワークプレイス投資といった「人への投資」は、中長期的には価値創造につながり、収益の拡大、すなわち生産性向上に資すると考えます。これを可視化するため、2025年度、人材戦略の効果を測定する新たな指標として、社員一人当たりの価値創造の大きさを示す「労働生産性」と、人的投資のリターンを示す「人的資本ROI」という2つの生産性指標を導入しました。これらは、人材にかけるお金は、「コスト」ではなく「投資」である、ととらえた指標です。

ただし、これらの指標は自然災害等の影響による収益のボラティリティに大きく左右されるため、単年度の増減で評価するのではなく、中長期的に改善することを企図する指標とするとともに、今後も指標の高度化を図っていきます。

今後に向けた展望 ~日本発の真のグローバルカンパニーに向けて~

先述のとおり、2025年度からの新たな経営体制の移行に伴い、それぞれのビジネス領域が主体となった人材戦略を実行していきます。「SOMPO P&C」においては、SOMPOインターナショナルと損保ジャパンが、国や地域、文化の違いを越え、さまざまなコラボレーションをスタートさせています。専門性強化に舵を切った日本の組織が、社員の高い専門性を強みに成長してきたSOMPOインターナショナルに学ぶ点は数限りありません。また、日本に根差した、世のため、人のために、何ができるかを考える「利他」の精神は今後もグローバルで尊重していく、大切な姿勢です。

こうしたグループ全体で学びあい、高めあう取組みを通じ、社員一人ひとりの成長を図るとともに、SOMPOの価値観である「誠実」「自律」「多様性」を体現していきます。そして、プロフェッショナルであふれるグループを創り上げていくことで、「日本発の真のグローバルカンパニー」を目指していきます。

TOPICS

多様な知を結集し、世界に貢献する

真のグローバルカンパニーを目指す当社は、世界各地の事業が持つ強みを最大限に活かしつつ、地域ごとの多様な文化や価値観を尊重し、連帯感を基盤とする企業文化の醸成に力を注いでいます。

SOMPO P&Cにおいては、SOMPOインターナショナルと損保ジャパンが有する多様な視点を融合させ、コラボレーション、人材育成、そして共通の価値観の共有を通じて、イノベーションの創出、レジリエンスの向上、そして競争優位性の確立を強力に推進しています。

組織の垣根を越え、一体的かつ機動的に協働できる人材を育成するため、私たちは異文化コミュニケーションの促進とリーダーシップ開発に惜しみなく注力しています。これにより、結束力が高く、変化に柔軟に対応できる、活力に満ちた企業文化の実現を目指します。

当社の成功は、社員一人ひとりの専門性と知見の結集によって支えられています。そのため、私たちのビジョンは単なるグローバルな拠点展開に留まらず、共通のパーパスと卓越性の追求を軸に、誰もが活躍できるインクルーシブな環境を構築することにあります。こうした理念と人材戦略を連携・推進することで、持続的な成長を牽引し、世界中のお客さまに卓越した価値を提供できる、才能が躍動する環境を創造しています。

画像:SOMPOインターナショナル CHRO ジョイ・マッキューン

この強固な基盤は、SOMPO P&Cをグローバルな業界リーダーとして確立するだけでなく、お客さま、パートナー、そして地域社会の進化するニーズに対し、自信をもって応え続け、真に意義あるインパクトを創出していくことを可能にします。

SOMPOインターナショナル CHRO
ジョイ・マッキューン(Joy McCune)


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