データを通じてグループの事業を支える
データの力を最大限に活用し、グループ全体の事業を支えることが私のミッションです。主に2つの視点から、このミッションに取り組んでいます。
第一に、データの力を活用し、グループが掲げる「つなぐ・つながる」の実現を加速させるという視点です。新たな経営体制のもと、国内外で展開している損害保険事業をグローバルに統合し、またウェルビーイング事業においては多様なサービスの連携を通じた新たな価値創出を目指しています。こうした大きな変革を成功させるためには、各組織に存在するデータを連携させ、戦略的に活用することが不可欠です。
第二に、AIの目覚ましい進化を事業にどう活かすかという視点です。ビジネスにおけるAIの活用は、もはや選択肢ではなく前提となりつつあり、AIを使うだけでなくAIの性能を高める必要があります。そのためにデータの品質を高め、「AI活用に適したデータ(AIレディなデータ)」を常に活用できる体制を築くことが、グループ全体の競争力を強化すると考えています。
ミッション達成に向けた3つの取組課題
私がグループCDaOに就任した2025年4月以降、ミッション達成に向けて主に3つの課題に取り組んでいます。
一つ目はユースケースの創出です。グループ社員がデータ活用を通じて業務改善やお客さまへの提供価値の向上を実感し、成功体験を積み重ねられるような取組みを進めています。その一例が、損保ジャパンで導入した「SJ‐R ダッシュボード」です。これは、全社員が共通のデータを確認し、具体的な行動へとつなげるための仕組みです。データ(事実)に基づいて自部門の状況を全社と比較することができるため、経営の健全化や品質向上に向けた具体的な施策の検討に役立ちます。
二つ目は人材育成です。従来は「データはIT部門が管理するもの」という認識が一般的でしたが、社員一人ひとりがデータ活用の当事者であるという意識を持ち、その活用について自ら考え行動することを促しています。社員同士がどのようなデータを保有し、どのように管理・活用しているかをお互いに共有できる場も設け、グループ全体のデータリテラシー向上を図っています。
三つ目は、データガバナンスです。データ活用の多様化に伴い、自部門のデータが他部門やグループ内で活用されるケースがこれまで以上に増えていきます。そのため、社員一人ひとりが自らのデータとその価値を理解し、主体的にデータの品質維持に取り組むことができるよう、ルールや基盤などの土台作りを進めていきます。
技術の力でより良い社会を実現したい
私は、子供の頃に訪れたつくば科学万博で科学の力に感動して以来、技術で世の中をよくするということに意義を感じ技術の道を歩んできました。その当時に抱いた志を遂げるために、現在は、SOMPOホールディングスのグループCDaOとして、SOMPO P&CやSOMPOウェルビーイングをデータで下支えすることで、より良い社会の実現に貢献したいと考えています。