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監査委員会

画像:社外取締役 監査委員会委員長 柴田 美鈴 信頼される監査により、新経営体制の推進力を高める

2024年度の取組み

監査委員会では、業務改善計画の進捗を重点監査項目のひとつに位置づけ、モニタリングにおいては、各施策が実効的に機能しているか、換言すれば、経営と現場にギャップが生じていないか、経営陣に悪い情報がしっかりと報告されているかという点の確認を重視してきました。2線(リスク管理・コンプライアンス部門)・3線(内部監査部門)がしっかりと機能していることが重要であり、監査委員会では、四半期ごとにグループCROから直接報告を受け、率直な所感や肌感覚も含めた情報をふまえて意見交換をするとともに、内部監査部門からの報告を質量のいずれも充実させ、実態の把握に努めてきました。

例えば、内部監査部門から、損保ジャパンの「どろたまBOX」に関しアンケートやヒアリングを行った結果について、良いことばかりでなく改善の指摘も含めた社員の生の意見が、まず監査委員会に報告がなされ、それをふまえてSOMPOホールディングスの取締役会にも現場の実態が報告がされたことは、進捗の効果の一部として評価しています。

また、2025年4月からはSOMPOインターナショナルの内部監査部門の責任者であるデイビッド・カンプート氏がグループCAEを務めています。各事業担当と対話を重ね、グループで統一された効率的な監査を目指しつつも、各事業の特性等を考慮した最適な監査手法の確立に取り組んでおり、内部監査メンバーの専門性向上にも貢献しています。最近、損保ジャパンにおいても内部監査部門への異動希望者が増えつつあるとの話を聞いて好ましい状況と感じており、さらなる3線強化に向けて、監査委員会としても連携を深めていきたいと考えています。

これらに加え、2024年度は、監査委員を含む社外取締役が損保ジャパンのリーダー層向け研修に参加したことで、前線の社員の議論状況の把握ができ、より実情をふまえた議論や執行との意見交換が可能になったと考えています。

もっとも、業務改善計画の多くの具体的な効果が表れるのはこれからであり、特に企業風土については時間がかかるのは必至です。2024年度末には再々度業務改善命令を受け、2025年度も一層気を引き締めて取り組むべき重要な年であることは言うまでもありません。監査委員会としても、引き続き、グループがあるべき姿に向けてどこにいるのか、本質的な成果が表れているのか、実態を意識したモニタリングを行っていきます。

新たなグループ経営体制をどのように支えるか

SOMPO P&CおよびSOMPOウェルビーイングの2つのビジネス領域に集約した新経営体制は、2030年のグループのあるべき姿の実現に向け、中計で示した各施策を現実化する、加速させる目的だと認識しています。大きなチャレンジであり、奥村さんからは「企業文化や価値基準を変えるのは今しかない」「苦しいときこそ一歩前に出るべき」という強い信念と覚悟が確認されました。監査委員会としては、いざというときは確実に利くブレーキをしっかり持ち、ブレーキに対する信頼を強めながら、経営が前向きに進んでいくことを後押しするという視点で監査活動をしていきたいと考えています。新経営体制がしっかりと機能するためには、SOMPO P&CおよびSOMPOウェルビーイングの各ビジネスCEOのリーダーシップが適切に発揮されるべく、まずは、権限や組織体制が目的に沿って整備されているか、グループにおける重要事項はSOMPOホールディングスの取締役会に報告されているかなどを中心に、しっかりモニタリングしていきます。

2024年度 活動実績

2024年度は合計15回の監査委員会を開催しました。主な監査活動は以下のとおりです。

項目 内容
監査基本方針・監査計画の
策定
当社グループの目指す姿と前年度の監査委員会活動で認識した課題などをふまえて重点監査項目を設定するとともに、監査基本方針・監査計画を策定しました。
執行の重要会議への出席 執行の重要会議に出席、または関係資料を閲覧するなどして、会社の重要な意思決定の過程および業務の執行状況を把握し、必要があると認めたときは意見を表明しました。
不祥事案等への対応状況の
確認
グループCROおよびコンプライアンス担当役員から、グループの重大リスクへの対応状況および子会社での不祥事案・重大事案の発生状況や再発防止策の実施状況などを四半期ごとに(個別案件があれば随時)報告を受けており、必要に応じて提言、意見表明などを行いました。
代表執行役、事業CEOやグループCxO、部室長、グループ会社役員とのミーティングの実施 各ミーティングを通じて課題認識の理解、事業の実態の把握に努め、重点監査項目の取組状況や見解を確認するとともに自由闊達な意見交換を行いました。

当社の監査委員会は、メンバーそれぞれの経験、知見を活かした、専門性の高い体制のもとで、監査委員間の情報共有・活発な意見交換、グループCAEおよび内部監査部との連携を通じ、ステークホルダーの利益を守ることを使命とした監査活動を行っています。

監査委員会は、監査基本方針・監査計画を策定し、監査計画にのっとって通年で監査活動を実施し、年度末に監査報告を行うとともに、監査活動の総括を行っています。実施した監査活動は、都度監査委員会で報告を行い、定期的に監査計画の進捗状況を確認しています。

通年の監査活動では、取締役会および執行の重要会議への出席、重要な決裁事項の確認などに加え、代表執行役とのミーティング、事業CEO(2025年4月1日付けで事業CEOは事業担当に名称変更)やグループCxOとのミーティング、部室長とのミーティング、グループ会社役員とのミーティングなどを通じて情報収集を行い、取締役および執行役等の職務執行状況を監督し、必要な意見・提言を行っています。

2025年度 重点監査項目

業務改善計画は2024年度に引き続き当社グループにとって重要な取組みであることから、その対応状況を2025年度も重点的に監査します。また、SOMPO P&CおよびSOMPOウェルビーイングにおける新体制の状況を新たに重点監査項目に設定し、適切な態勢が整備され機能していることを注視していきます。

項目 監査の視点
業務改善計画への対応状況
※2024年度からの継続項目
  • 業務改善計画の進捗管理と報告態勢の適切性
  • 当社主導施策における当社執行部門の役割発揮状況
SOMPO P&C・SOMPOウェルビーイングにおける新体制の状況
  • 各ビジネスCEOのリーダーシップ発揮態勢の整備・機能状況
  • 意思決定・業務執行の円滑性
  • 重要事項の報告・議論態勢
  • 人材の配置・育成状況

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