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海外保険事業の実績

海外保険事業は、再保険事業、北米事業、グローバルマーケット、AgriSompo(グローバル農業保険事業)、コンシューマー事業からなる分散されたポートフォリオを有している点が特長です。北米で継続的に作物価格の影響を受けている農業保険を除きすべての事業で高い成長を維持し、2024年度のグロス保険料は16,532百万米ドル(旧基準(IFRS4号)ベース)に至りました。

海外保険事業における戦略的ビジネスユニットの2024年度の実績は以下のとおりです。

再保険事業

グロス保険料は、更改時の増収、新規契約の獲得、復元保険料収入が主な要因となり、8.1%増の4,532百万米ドルとなりました。グローバルプロパティ(財産保険など)における良好なレート環境、新規契約、前年度保険料の精算、およびグローバルカジュアルティ(賠償責任保険など)の更改時の増収がトップライン成長を牽引しました。

保険引受利益は、主に既経過保険料の力強い成長により、前年の366百万米ドルから過去最高の394百万米ドルに増益しました。2024年度のコンバインドレシオ89.8%は、2023年度の89.8%と同じ優れた水準を維持しており、カジュアルティ(賠償責任保険など)におけるクォータシェア(比例再保険の一種)およびエクセス・オブ・ロス(非比例再保険の一種)の構成の変化や市場サイクルの変化の影響を受けています。

北米事業(米国、バミューダ、カナダ、メキシコにおける事業)

グロス保険料は、地理的拡大の取組みを主な要因とする新規事業の成長および保険金コストの増加の傾向を上回る良好なレート環境によって、前年度比5.6%増の4,997百万米ドルとなり、北米事業として過去最高水準を記録しました。カジュアルティ(賠償責任保険など)における10%超のレートアップは、マーケットの激しい競争が続く他の保険種目の減収を部分的に相殺しました。

保険引受利益は15百万米ドルとなり、2023年度の152百万米ドルの保険引受損失からプラスに転じました。この改善は、2023年第4四半期に行われた2019年度以前の事故に対する支払備金積み増しの影響がなくなったことが主な要因ですが、頻発する自然災害、再保険ストラクチャーの戦略的変更、事業成長を支えるための物件費増加により部分的に相殺されました。

自然災害による発生保険金(税前)は、ハリケーン・ミルトンとヘレンの影響により、215百万米ドルとなり、2023年度の172百万米ドルから増大しました。

グローバルマーケット(英国、欧州大陸事業およびトルコ、ブラジル、アジアにおけるコマーシャル事業)

グロス保険料は、カジュアルティ(賠償責任保険など)およびエネルギー(エネルギー業界向け保険など)の既存の事業の力強い貢献や、欧州大陸、アジア、英国における戦略的成長イニシアチブにより、前年度比16.6%増の2,993百万米ドルとなりました。

保険引受利益は、前年度の29百万米ドルから62百万米ドルに増益しました。これは、既経過保険料の増加と、前年度の支払備金積み増しの影響の剥落に伴う損害率の低下によるものですが、戦略的成長イニシアチブへの先行投資やインフレと為替の影響による物件費の増加により部分的に相殺されました。

AgriSompo(グローバル農業保険事業)

グロス保険料は、北米における作物価格の下落が主な要因となり、前年度比8.7%減の2,627百万米ドルとなりました。ポートフォリオの見直しによる集積リスクの軽減に向けた継続的な取組みも影響しました。

2024年度のAgriSompoは、保険引受利益が46百万米ドルとなり、前年度の保険引受損失67百万米ドルから改善しました。保険引受利益の改善は、主に前年度以前に発生の事故に係る支払備金の取り崩しが要因ですが、継続的なインフレと投資の影響による物件費の増加により部分的に相殺されました。

コンシューマー事業

トルコおよびアジア地域から構成される個人向け事業を含むコンシューマー事業は、保険引受損失19百万米ドルを計上し、前年度の保険引受利益11百万米ドルから減少しました。グロス保険料は、ブラジル事業の撤退の影響を除くと33%増加し、1,381百万米ドルとなりましたが、主な要因はトルコにおけるインフレに伴う保険料増収です。


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