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SOMPO P&C CEOメッセージ

画像:SOMPO P&C CEO 海外保険事業担当責任者 ジェイムス・シェイ

今日の保険業界は、世界中で急速に変化しており、持続的な成長のためには、卓越した業務運営、一体感のある組織文化、そして先を見据えた人材戦略のバランスが不可欠です。この1年間、当社の海外保険事業は、現地の専門知識とグローバルな目標を統合し、明確な長期戦略を着実に実行することで、これらの強みを発揮してきました。

SOMPOグループの海外における成果は、丁寧なコミュニケーションを通じて戦略を実行する能力によって実現されています。保険市場の不確実性など逆風が吹くなかでも、海外保険事業では厳格な保険引受と戦略的な拡大に焦点を当てた取組みを継続してきました。この明確な戦略を組織全体に浸透させることで、分権化された大規模な海外保険事業でありながらも、地域ごとの柔軟性を損なうことなく、効果的に連携し、成長し続けることができることを実証し続けています。

直近で達成したマイルストーンは次のとおりです。

事業の拡大:

米国のデンバー、ヒューストン、マイアミ、イタリアのミラノ、英国のバーミンガム、マンチェスターに新たにオフィスを開設しました。

卓越した再保険:

質の高いアンダーライティング能力により、再保険分野で優れた成果を上げました。

文化の統合:

世界中の社員が地域を越えた一体感と帰属意識を高めるため、継続的に取り組んでいます。これにより、チームはグローバルに統一された組織の一員であるという自覚を持つようになります。

成長の基盤となる人材

SOMPOグループのような人材を重視するビジネスにおいて、人材の獲得、維持、育成は、人事部門だけでなく経営戦略上も不可欠な課題です。海外保険事業では、優秀な人材の獲得と次世代リーダーの育成において、大きな進展がありました。昨年度は、経営幹部や事業部門のエキスパートを含む400人以上の社員を迎え入れました。これは、SOMPOが業界トップクラスのプロフェッショナルにとって魅力的な存在として高く評価されていることを示しています。

SOMPOグループが展開する「フューチャー・リーダーズ・プログラム」などの取組みは、人材の定着と後継者育成に向けた積極的なアプローチであり、今後10年以上にわたって人材を十分に確保できると考えています。世界的な人口動態の変化による人材不足に直面するなか、私たちは内部人材の育成を最優先課題としつつ、外部人材にとっても魅力的な選択肢であり続けることを重視しています。

このような人材重視の姿勢は、現在のニーズに応えるだけでなく、異文化への対応能力やデジタル専門知識への需要の高まりなど、業界の将来の課題に備えることにも貢献するものです。

市場環境とブランド力の活用

海外保険事業の成長は、外部の市場環境とSOMPOブランドの強化という両面から後押しされてきました。

市場機会:

主要事業における保険引受に焦点を当て、高い市場対応力を発揮してきました。

ブランドの進化:

SOMPOブランドは日本国内で高い認知度を誇っています。海外でも世界各国のブローカーやお客さまから、信頼できる安定したパートナーとして評価を高めるべく、着実に歩みを進めています。また、このような状況において真のリーダーシップを発揮するには、市場環境の変化にただ対応するだけでなく、変化を先取りし、その変化に対応できる能力を持ち、多様な市場で共感を呼ぶブランドを構築することが不可欠であることを実証してきました。

当社グループのユニークな強みのひとつは、現地の多様な文化を尊重し、活用しながらも、ダイナミックかつ一体感のあるグローバルな枠組みに統合する「マルチ・ローカル」な組織を目指していることです。真にグローバルな成功を収めるためには、日本を含む世界各地のさまざまなビジネス文化のニュアンスを理解することが不可欠であると認識しています。この取組みを進めるため、私たちは社員が地域の垣根を越えて働くことを推進し、それぞれが専門知識や経験を共有しながら、異文化を理解し、事業目標と個人の目標達成を目指せる環境を整えています。今後、私たちはグローバルに統合された事業体となることを目指します。世界中のすべてのローカルチームが、共通のツール、プロセス、そして統一された文化に支えられながら、組織の一員であると感じられるようにしていきます。このようなアプローチを通じて、私たちは21世紀の複雑なグローバリゼーションを乗り越え、ビジネスにおいて最適なポジションを確立できると確信しています。

長期的ビジョンと実行可能なアクションとのバランスが重要

ビジネスにおいては、長期目標と目の前の実行可能なアクションとのバランスをとることが重要であると認識しています。私たちは、再保険、調達、サプライヤー管理、業務効率化など、事業の多くの分野において、可能なかぎり迅速に成果を追求し、それを活用することを目指しています。同時に、2030年以降を見据え、人材育成、オーガニック成長、戦略的M&Aに焦点を当てた取組みを進めています。私たちは現在成長の途上にあり、そのペースやスピードは時とともに変化するとしても、常に正しい方向に進んでいると認識しています。

地政学的な緊張、経済の不確実性、気候変動関連リスクが顕著な世界において、私たちは現実的かつ先見性のあるアプローチが重要であると考えています。リスク管理の観点からは、管理可能なリスクとそうでないリスクを区別し、厳格な保険引受と事業継続能力の強化に重点を置いています。また、新たな地域、商品、パートナーシップの模索を通じて、課題のなかにチャンスを見出すことを常に追求しつつ、成長のペースを維持しています。

このレジリエンスの向上と、持続可能性およびイノベーションへのコミットメントによって、私たちは急速に変化する世界の複雑な状況を乗り越えるリーダーとして認められると考えています。

新たなSOMPO P&C

SOMPO P&Cは、コマーシャル、コンシューマー、再保険をバランスよく組み合わせることで、さまざまな地域で大規模に事業を展開し、ポートフォリオの多様化によりリスクを軽減し、業績の安定化を図ります。各事業部門の専門知識を活用して商品やサービスを強化し、多様なお客さまニーズに合わせて、個々のお客さまのニーズに合わせたソリューションを提供するとともに、市場動向に迅速に対応できる柔軟性を備えていきます。この戦略的アプローチは、クロスセルと市場拡大を通じて成長機会を創出するだけでなく、競争力とお客さま満足度を高めることにも貢献すると考えています。また、人口動態の変化に対応するための新たな戦略やアイデア、アプローチが世界各地でその効果を現すことを期待しています。

国内損害保険事業と海外保険事業をSOMPO P&Cとして統合することで、世界中で3万人を超える社員を抱え、グロス保険料で300億米ドルを超える規模となります。世界全体ではコマーシャル50%、コンシューマー35%、再保険14%(端数は四捨五入)というバランスの取れたポートフォリオを有しています。地域や商品の枠を越えて戦略を遂行し、グローバル企業として組織の潜在能力を最大限に引き出し、イノベーションを推進することにより、当社グループのパーパスと戦略目標の両方をより効果的に達成できる体制を整えていきます。

これらの達成の鍵となるのは、組織の一体感を強化することです。私たちがどのような存在であり、どのように機能していくかということを社内に浸透させることで、社員やその他のステークホルダーをより効率的かつ効果的にサポートできるようになります。

国内損害保険事業と海外保険事業の統合は、グローバルな保険グループとしての連携を強化し、戦略を遂行するうえで重要なものです。2025年4月1日に新経営体制へ移行した後も、当面は統合プロセスを継続し、両部門の連携を強化し、シナジー効果を追求します。この経営体制への移行は、経済の変化に対応し、レジリエンスを高め続けるための継続的な進化の一環です。この変革により、私たちの事業はシンプルになり、地域を越えた深いつながりと連携を促進することで、皆さまへの還元を実現するとともに、業界でもっとも働きやすい職場を実現できると考えています。

当面の目標は業務をシンプルにすることです。これにより、常に変化するお客さまのニーズに、現在も将来も、お客さまがどこにいても、お応えしていきます。

最後に:2030年以降のビジョン

SOMPOの海外保険事業の歩みは、私たちが戦略的な連携、人材の活用、組織文化の統合といった能力を持つことを証明してきました。人材への投資、市場機会を的確にとらえること、そしてあらゆる課題に対して明確なビジョンを持って対応することで、財務的な成功にとどまらず、真にグローバルな保険グループとして目指すべきベンチマークを確立していきます。

進化を続けるなかで、統一されたグローバル・アイデンティティ、強固な人材基盤、卓越性へのコミットメントに裏打ちされた2030年に向けたビジョンは、業界全体に示唆を与えるものと考えています。リーダーシップが未来を切り拓くものであるならば、私たちSOMPOグループはまさにその最前線を歩み続けていると考えています。


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