第三者意見・第三者意見を受けて

SOMPOグループのCSR・サステナビリティへの取組みに対する第三者意見

IIHOE[人と組織と地球のための国際研究所]
代表者 兼 ソシオ・マネジメント編集発行人

川北 秀人 氏

IIHOE:「地球上のすべての生命にとって、民主的で調和的な発展のために」を目的に1994年に設立されたNPO。主な活動は市民団体・社会事業家のマネジメント支援だが、大手企業のCSR支援も多く手がける。


当意見は、SOMPOホールディングスのホームページ上のCSR・サステナビリティ関連ページの記載内容、および総務、人事、CSR・サステナビリティの各部門の担当者へのヒアリングに基づいて、2020年度までの実績および2021年度内に実施中の取り組みについて執筆しています。
同社グループのCSR・サステナビリティへの取り組みは、従来からの着実な実践に加えて、中長期的な重要課題に対する方針が定義されており、今後は部門を超え、社外との連携を深めて、ビジネスモデル開発を含む価値創出を進めるべき段階にあると言えます。

高く評価すべき点

  • トップ・マネジメントを含む、グループを挙げたCSR・サステナビリティ推進(SDGs経営)について、パーパスに社会に提供する価値を明記し、マテリアリティ評価に基づく主要項目についてKPIを設定していること。グループCEO自らが「安心・安全・健康のテーマパーク」を通じた社会への価値提供、リアルデータプラットフォームの活用を通じた価値創出へのコミットメントを明確にしていること。グループ各社のすべての職場にCSRチェッカーが任命され、CSR実施計画表に基づき、職場特性に応じた取り組みを実践していること。今後は、温室効果ガス削減や人権尊重なども、各職場における実践や、顧客に対する事業としての価値創出に結び付くようKPIを拡充するとともに、代理店などヴァリューチェーン内の重要な取引先に対して、環境や人権などCSRの基本的な事項に関する取り組みを促す働きかけが進むこと、テーマパークというプラットフォームで、多様な企業やNPO/NGOとの協働によるソリューションの開発・提供・進化が促されることを期待します。
  • 介護・シニア事業におけるCSR・サステナビリティや社会的な価値創出が期待される取り組みについて、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)への対応とともに、眠りスキャンの導入をはじめとするリアルデータ活用を進めていること。今後は、得られた情報が、各利用者へのサービスの最適化や従業員の働きがいの向上について定量的に把握し、業界全体へのプラットフォームとして提供できるよう、進化を期待します。また、グループの強みと連動して、介護・シニア領域における保険やリスクコンサルテーション、とりわけ自然災害や感染症などに対応するBCP/BCMの立案や人材育成をはじめとする、リスクへの備えの事業化が、他社に先駆けて進められることを強く期待します。

取組みの進捗を評価しつつ、さらなる努力を求めたい点

  • 気候変動の緩和と適応について、社内において紙の使用量を継続的に削減していること、再生可能エネルギーの導入や有機廃棄物発電事業に着手したこと、顧客に対してリスクコンサルテーションや農業保険・天候インデックス保険など、気候変動によるリスクと機会への対応を進めていること、国際的なイニシアティブに対して率先して参画していること、さらに環境問題に関する公開講座や生き物の保全活動など、市民社会と連携したプログラムを長期に渡って継続していることを評価しつつ、今後は、日本政府が掲げた2030年までの温室効果ガス排出量46%削減(2013年比)を達成するために、シェアードサービスセンターの展開によるグループ各社への波及、顧客における再生可能エネルギー導入や事業効率化、断熱などの支援、そして紙の調達先における生物多様性などの保全をはじめとする取り組みの拡充を強く期待します。その実現のために、自社のTCFDにおける想定シナリオを定量的かつより精度の高いものとするとともに、業種別に想定シナリオ策定を支援するサービスの強化をはじめとして、グループの大きな強みである代理店やパートナー企業、NPO/NGOとの積極的な連携によってサービスが進化することを期待します。
  • 人権への取り組みについて、グループ人間尊重ポリシーに基づくグループ内の人権マテリアリティ評価にもとづき、従業員の健康・安全、長時間労働をはじめとする重点課題を特定して取り組みを進めつつあること、リスクマネジメント社においてUNEPFIの人権ガイダンスツールを活用したコンサルテーションが実施されていることを評価しつつ、今後は、損害保険をはじめとする取引先の「人権トランスフォーメーション」や「人権尊重(侵害予防)金融」を促すために、事業における人権リスクのデュー・ディリジェンスや負の影響の回避、発生時の救済について、影響が大きいと想定される業種からモデル開発するとともに、ラギー・フレームワークを自社として実践すること、また、自社ならびに代理店の役職員対象の育成の機会が増えることを、引き続き強く期待します。
  • 人的多様性を生かした組織づくりについて、人材コアバリューを定義し、88のグループキーポストについてサクセッションプランを策定したことを評価しつつ、今後も引き続き、グループ全体の長期の人的ポートフォリオ目標を明示し、未来の市場・経営環境に備える仮説を検証する研修など、グローバルに活躍する次世代の幹部管理職層を育成する体制の拡充や、障碍者をはじめとする人的な少数者が相互に意見交換できるコミュニティの形成が促されることを、引き続き強く期待します。
  • 従業員の健康の維持・向上と働き続けやすい職場づくりについて、育児・介護・看護などのための休職・短時間勤務や在宅勤務制度を利用する従業員の比率が51%に達していることを評価しつつ、今後は、勤続年数の男女差が合理的と言える水準まで縮小するよう、若い女性の疾患予防・体調管理を支援することを引き続き強く期待します。

第三者意見を受けて

グループサステナブル経営推進協議会 議長
グループCSuO 執行役

下川 亮子


新型コロナウイルス感染症拡大は人々の暮らしや行動に大きな影響を与え、さらに社会が抱えるさまざまな課題を浮彫りにしています。企業にとっては、このような社会課題に対してどのようなソリューションを提供していくのか、その存在意義(パーパス)がより重視される時代になってきたことを感じます。
2021年度からの新中期経営計画の策定にあたり、SOMPOがこの先の20年、50年という長期スパンで何を目指すのか、「SOMPOだから実現できる社会」、「SOMPOだから社会に提供できる価値」を徹底的に経営議論し、「SOMPOのパーパス」として定めました。そして、今年8月に設置されたグループCSuOは、このパーパスをグループ全体に浸透させることをミッションとしており、その任を受け、さまざまな取組みを進めているところです。

さて、川北様には2001年から当社の「サステナビリティレポート」への第三者意見を執筆いただいています。執筆にあたっては、各事業との双方向の対話においてグループの取組みを深くご理解いただいたうえで、中長期的な視点からのアドバイスを頂戴しており、あらためて感謝申し上げます。いただいたご意見や当社への期待を受け止め、具体的な議論を進めながら持続可能な社会に向けて、取り組んでまいります。

高くご評価いただいた点につきましては、今後も当社の強みとして注力しつつ、さらなる期待に応えられるよう改善してきたいと思います。パーパス実現に向けて、新中期経営計画で経営基盤の一つとして位置付けた「SDGs経営」では、当社グループが向き合う社会課題および戦略・アクションに対してマテリアリティ・KPIを定めています。パーパス実現に向けた着実なPDCAを実践しつつ、ご提言いただいた多様なステークホルダーとの協働によるソリューションの開発・提供につきましても具体的な貢献を検討していきます。
またリアルデータの活用につきましては、介護におけるケアサービスの結果や従業員の働きやすさ等の視点での定量的なデータ把握やこれらによる業界全体への波及に対する期待のコメントをいただきました。期待に沿えるよう、「リアルデータプラットフォーム(RDP)」を活用し、リスクの可視化による行動変容の促進、利用者のQOL向上に貢献する健康支援など、介護領域における早期の外販・収益化を図るとともに、防災・減災、モビリティ、農業、ヘルシー・エイジングの領域においてもソリューションの具現化を通じた新たな顧客価値の提供に向けて取り組んでまいります。

また、ネットゼロ社会への貢献や人権トランスフォーメーション、予防金融に対する今後の課題についてもご指摘をいただきました。損害保険やリスクコンサルといった本業を通じて社会課題解決への貢献ができることを強く意識し、マルチステークホルダーとの連携による商品・サービスの開発・提供に積極的に取り組んでまいります。

SDGs(持続可能な開発目標)も残り10年を切り、企業には具体的な行動が問われています。SOMPOのパーパスの実現に向けた取組みを加速させるべく、グループ全体へのパーパスの浸透を着実に進めていきます。また、当社グループが本業でSDGsに貢献してきた実績と、多様なステークホルダーとのネットワークやリアルデータプラットフォーム(RDP)等を最大限に活用し、パートナーシップを通じた社会課題解決と価値創出に取り組んでまいります。