特集3 デジタル戦略

デジタル活用の重要テーマについて

当社グループにおけるデジタル戦略の取組みは、指数関数的に進化するデジタル技術の戦略的な活用を、グループの事業において集中的かつ飛躍的に進めることを目指すものと位置づけています。デジタル技術の進化は、保険会社の業務プロセスだけでなく、お客さま・ビジネスモデル・競争環境に大きな影響を及ぼすものであることから、以下の4つの分野に取り組んでいます。

  1. 各事業部門における業務効率化
    AI 等の新たな技術を活用することで、従来人手がかかっていた業務における生産性の向上および効率化
  2. デジタル技術を活用した新たなお客さま接点の構築
    IoT(モノのインターネット)やセンサーを活用した顧客体験価値を向上させる商品およびサービスの開発
  3. デジタルネイティブ向けのマーケティング
    デジタル技術に慣れ親しんだ若年層に支持される商品およびサービスの開発
  4. 新たなビジネスモデルの研究および開発
    既存の事業領域とは一線を隠した発想・技術に基づくビジネスモデルの構築

対談: デジタル戦略の今後の課題と期待

SOMPOホールディングス株式会社
デジタル戦略部長
中島 正朝

IIHOE[人と組織と地球のための国際研究所]
兼 ソシオ・マネジメント編集発行人
川北 秀人氏

川北氏には、2001年以来、当社のCSRコミュニケーションレポート「第三者意見」を毎年継続してお寄せいただいています。川北氏とともに、今後のデジタル戦略の課題について共有しました。

デジタル技術を通じてお客さまに新しい体験価値を提供する

中島 現在はビッグデータの時代で、デジタル化=今までわからなかったことがわかる革命の時代です。デジタル技術によってリスク細分が広がっており、これらのデータを駆使し、行動が把握されるようになります。
リスク細分化が進むと、リスクの小さなお客さまを優先的に選ぶ「チェリーピッキング」が起こりえますが、当社グループは「助け合い、共存」をこれからも大切にします。当社グループの目指す「安心・安全・健康」の実現は、得られたデータを単なる「ものさし」として使うのではなく、事故が起きないようにするソリューションとして駆使していきたいと思っています。
私たちはデジタル技術の進化を、お客さま、ビジネスモデル、競争環境を変える経営インパクトと捉えています。例えば、今後、生まれたときからデジタルに慣れ親しんでいる方々が、お客さまの中心となります。お客さまの変化に、どのように対応していくかが鍵を握ります。デジタル技術はあくまでも手段であり、これらを活用してお客さまにどのような新しい体験価値を提供できるかが重要です。保険事業であれば、万が一の際に保険金をお支払いするだけではなく、常日頃から、安心、安全を体感していただくことを目指しています。
また、私たちが、いかに賢いデジタル技術のユーザーになるかが重要です。実際に、当社グループの様々な事業プロセスでデジタル技術を活用しています。(主な取組み事例は「デジタル技術を活用した主な取組み事例」参照)

川北 今後は、デジタル技術を活用して、助け合いや相互扶助の仕組みや価値を、誰にどのように提供するかを、具体的に示す必要があると感じます。
高齢化が進む日本で、運転ができずに買物や通院に困難を抱える「移動難民」方々も、ドライブアシスト(運転支援)の技術向上によって、将来は簡単に移動できる時代になります。日本の技術が活用されて社会が発展するためには、技術の開発と活用をどのようにバックアップするかが鍵であり、保険はまさしく、バックアップできる仕組みで。保険を用いた「開発と活用を促す」ソリューションを、素早く、具体的に示されることが、今後さらに重要になると感じます。
また、お客さまにとって、デジタル技術によって何が進化したか、どういった価値が生まれたかを定量的に示されることで、社会に対するインパクトが伝わりやすくなり、お客さまが進化を体感できることにより、より選ばれ、拡がっていくでしょう。
海外へ向けたサービス提供はいかがでしょうか。

中島 ここで生まれた顧客体験を世界へ、ということは課題のひとつです。様々な世界の事例を見てきましたが、途上国でのスマホ普及率などからもわかるように、デジタル技術の「活用」という面では先進国より途上国の方が進んでいるのではないかと感じます。

川北 おっしゃる通り、途上国での可能性は大きいですね。規制なども国によって異なります。日本でできなかったことも、世界で市場開拓できるかもしれません。
また、「お客さまが変わる」というユーザーの拡大をポジティブに受け止めて、コミュニケーションのスピードやツールの向上だけではなく、インターフェイスの向上もぜひお伝えいただきたいです。

中島 私たちは、お客さまの「体験」を重視しています。例えば、自動車の運転であれば、従来のドライブレコーダーは危険なときにアラームが鳴るといったアプローチでしたが、安全運転支援サービス『スマイリングロード』(「ビッグデータ解析やテレマティクス技術などを活用した安全運転支援」)では、「褒める」ということが重視されています。

川北 高齢の方や障がいをお持ちの方、外国の方など、多様な方々への配慮を行い、「インターフェイスのユニバーサルデザイン化」にも期待しています。

中島 検討していきたいと思います。本日はありがとうございました。

川北秀人氏プロフィール

IIHOE[人と組織と地球のための国際研究所]* 代表者 兼 ソシオ・マネジメント編集発行人
1987年に大学卒業後、株式会社リクルートに入社。国際採用・広報・営業支援などを担当し、1991年に退職。その後、国際青年交流NGOの日本代表や国会議員の政策担当秘書などを務め、94年にIIHOE設立。NPOや社会責任志向の企業のマネジメント、市民・事業者・行政などが総力を挙げて地域を守り抜く協働・総働の基盤づくり、企業のみならず、NPOや自治体における社会責任(CSR・NSR・LGSR)への取り組み推進を支援している。

  • IIHOE:「地球上のすべての生命にとって、民主的で調和的な発展のために」を目的に1994年に設立されたNPO。

デジタル技術を活用した主な取組み事例