特集2 介護・ヘルスケアの取組み

SOMPOホールディングスグループは、「安心・安全・健康のテーマパーク」の実現を目指し、保険にとどまらない幅広い事業を展開しています。
なかでも、グループの新たな柱として「世界に誇れる豊かな長寿国日本」の実現を目指し、2015年度に介護事業に本格参入しました。急激に進展する高齢化社会において最高品質の介護・ヘルスケアサービスの提供を目指しています。また、国内生保事業では国民が健康になることを応援する「健康応援企業」への変革へチャレンジしており、さらには、当社グループ社員の健康維持・増進へ取り組むなど、グループをあげて介護・ヘルスケアの取組みにチャレンジしています。

対談: 介護・ヘルスケアの取組みの今後の課題と期待

川北氏には、2001年以来、当社のCSRコミュニケーションレポート「第三者意見」を毎年継続してお寄せいただいています。川北氏とともに、今後の介護・ヘルスケアの取組みの課題について共有しました。

1.介護事業「現場ファースト」実現のためのチャレンジ

SOMPOホールディングス株式会社
介護・ヘルスケア事業部長
兼 SOMPOケアメッセージ株式会社
  SOMPOケアネクスト株式会社
執行役員 CEO室長
久米 康樹

IIHOE[人と組織と地球のための国際研究所]
兼 ソシオ・マネジメント編集発行人
川北 秀人氏

久米 SOMPOケアグループは、高齢の方やそのご家族に対して、安心・安全・健康に資する最高品質の介護サービスのご提供を目指しています(「世界に誇れる豊かな長寿国日本」の実現に向けた介護事業)。
現在、SOMPOケアグループは、基本方針として「一人ひとりの状態にあったケア(カスタムメイドケア)の実践」「人材育成とサービス品質の追求」「活力ある職場環境の実現」を掲げています。今後、高齢化が進み介護ニーズが高まる一方で、介護人材の供給が逼迫し、需給ギャップが拡大していくことが課題です。そこで、当社グループでは、採用力強化、人材育成の強化、離職率改善に向けた取組みを進めています。特に現場力の向上と、それを支えるための「現場ファースト」をキーワードとしています。具体的には、経営陣が現場を訪問し、現場の声(課題)を汲み取り、現場での解決に向けたアドバイスを行う、現場で解決できないことは本社でスピード感をもって解決策を検討しフィードバックしていく取組みを始めています。
重要な課題である人材育成についてお話します。人材育成を強化するため、「SOMPOケア ユニバーシティ」を2017年7月に開設しました。ケア品質の向上に向けて従来型研修をさらに進化させるとともに、大学や専門教育機関と連携を行い、プログラムの充実をはかっていきます。将来的には当社グループの人材育成のみならず、介護事業の総合教育機関に育て上げることも視野に入れて機能強化を図っていきます。
また、活力ある職場づくりに関しては、「褒める文化」の企業風土を醸成するために、「ありがとうカード」を作成し職場のコミュニケーション強化に向けた取り組みもはじめています。

川北 非常に重要な領域でのチャレンジですね。介護分野は人の採用がさらに難しくなっており、より長く働いてもらえる職場をつくることが重要です。
「褒める文化」について、小さな提案を申し上げたいのは、「壁新聞」です。従業員だけでなく、ご利用者方や施設に出入するお取引先など、さまざまな方が閲覧できる場に掲示することで、「褒める文化」が浸透しやすいのではないでしょうか。
また、対応に困っている従業員、悩んでいる従業員を助ける文化、つまり、現場で支えあう文化も、現場力につながるのではないでしょうか。「感謝する」「褒める」ことは、その「行為」に対してではなく、お互いを「支え合う」姿勢や行為に対して行うことが、より有効だと考えます。

久米 つづいて、「ICT・デジタルの利活用」についてお話します。SOMPOホールディングスグループが力を入れるデジタル分野、SOMPO Digital Labと共同し、介護分野において活用が期待できる技術を発掘、研究しています。例えば、センサーを活用した見守り業務などの取組みを行っています。これは、ご利用者さまやご家族の皆さまに安心・安全を提供するとともに、従業員の生産性向上や働きやすさにもつながります。

川北 技術を有する様々な企業とのパートナーシップは重要ですね。今働いている方々に働き続けてもらうために、技術を導入するだけでなく、活用や改善を継続することがポイントです。

久米 人材の多様化の観点でお話しますと、介護事業においては外国人技能実習生制度などの規制緩和を受けて、今後、外国人介護スタッフの採用も検討していくことになります。
海外への事業展開も視野に、将来、各国で当社グループの介護事業展開の核となる人材の育成をめざし、こうした制度利用も進めていく予定です。

川北 外国籍をはじめとする多様な文化を持つ人々にとって、現場での育成のしくみが非常に重要です。語学や文化だけでなく、日本の介護の現場で働き続けることができる人材を育成していくために、専門に取り組む団体とのパートナーシップも重要ですね。
介護業界は離職率の高さが課題に挙がるものの、離職の原因や傾向分析がまだ不足しています。そういった面でもぜひチャレンジしていただきたいです。

久米 原因分析については重要な課題と認識しています。引き続き対策を進めていきたいと思います。

川北 また、これまでにも大規模災害の際などに、人材が確保できないことがありました。特に非正規雇用の従業員が、家族の被災に伴って移動したり、保育が確保できないことなどから復職できないことが原因です。このため、従業員の家族に対するケアや支援をどのように充実させていくかも重要です。今後のSOMPOケアグループの介護事業に期待しています。

久米 ありがとうございます。「世界に誇れる豊かな長寿国日本」の実現に向けてチャレンジを続けます。

介護・ヘルスケア分野での「安心・安全・健康のテーマパーク」の実現

SOMPOホールディングス株式会社
経営企画部テーマパーク推進グループ
特命部長
鎮目 進一

IIHOE[人と組織と地球のための国際研究所]
兼 ソシオ・マネジメント編集発行人
川北 秀人氏

鎮目 私たちの部門は、当社グループが掲げる「安心・安全・健康のテーマパークの実現」に向けて、テーマパークに必要な新事業やサービスの開発、事業間の連携を促すプラットフォームの構築やグループ全体の品質向上を担っています。
現在、特に、ヘルスケアや高齢者マーケットに注目し取り組んでおり、本日はそのお話をしたいと思います。
具体的な取組みとしましては、働き方改革へ貢献するメンタルヘルスの取組み、Linkxに代表される健康寿命延伸へ寄与する取組み、安全な車社会への貢献を目的とした高齢の方への運転支援メニュー、豊かな長寿国日本への貢献を目指して、介護事業の品質向上に資する取組みを検討しています。

川北 働き方改革については、お客さまへ、メンタルヘルスに関する商品・サービスを提供することに加えて、その機能やツールの「使い方」を示すこと、つまり、コンサルテーションや、商品・サービスにより実現される効果を具体的に示すことが重要です。こういった日本でのノウハウは、今後、同様な状況が起こり得る東南アジアなど、グローバルにも活用できるでしょう。
健康寿命延伸に向けた取組みでは、予防の観点や、リスクを先回りした提案が重要になりますね。どのようなことを考えていらっしゃいますか。

鎮目 現在、当社グループは、ビッグデータの活用、特にヘルスケアデータの収集に注目しています。国内生保事業、健康経営やメンタルヘルスに関するコンサルティング、介護事業で持つビッグデータは、若年層から高齢の方まで、ひとつなぎのデータが構築されると考えており、実現できる企業グループは稀だと思っています。それらのデータを蓄積してエビデンスを出し、お客さまにフィードバックすること、新たな提案を行うことを目指しています。これは大きなチャレンジだと思っています。

川北 おっしゃる通り、貴重なエビデンスになりますね。
高齢者への運転支援メニューについて、直近の75歳以上の女性の運転免許保有率は、わずか1割程度です。2025年には3割に近づくと予測されていますが、長期的にみると、比率がまた下がる時代もやってきます。このような未来を前提として、「自動車ユーザーに、より長く乗り続けてもらうこと」を支える仕組みづくりに、強く期待しています。

鎮目 運転免許を返納する要因としては、加齢、身体的な問題、認知症などが挙げられます。安全運転寿命の延伸については、お客さまの運転技術の診断などを通じて支援するとともに、各種データを活用して新たな視点を取り入れた安全運転支援の方法を検討しています。

川北 介護の取組みについて伺わせてください。利用者は、同じ世代でも、経験や好みなど特性が異なると思いますが、ニーズに合わせてケアができることや、グループが行っている各々の取組みが連動していることを示すことができると、価値が伝わりやすいのではないでしょうか。

鎮目 介護の分野では、当社グループとしては、介護リフォームのご提案や、また、当社グループだけでなく、介護事業者の抱える課題などの解決に寄与する支援ができる仕組みを提供していきたいと考えています。

川北 事業を進める際には、パートナーシップが重要ですね。

鎮目 現在も様々な領域で多様なパートナーと協働しています。今後もその方針です。

川北 お客さまや社会にとって価値を示されながら、今後も発展されることを期待しています。

鎮目 貴重なコメントの数々を、ありがとうございました。

川北秀人氏プロフィール

IIHOE[人と組織と地球のための国際研究所]* 代表者 兼 ソシオ・マネジメント編集発行人
1987年に大学卒業後、株式会社リクルートに入社。国際採用・広報・営業支援などを担当し、1991年に退職。その後、国際青年交流NGOの日本代表や国会議員の政策担当秘書などを務め、94年にIIHOE設立。NPOや社会責任志向の企業のマネジメント、市民・事業者・行政などが総力を挙げて地域を守り抜く協働・総働の基盤づくり、企業のみならず、NPOや自治体における社会責任(CSR・NSR・LGSR)への取り組み推進を支援している。

  • IIHOE:「地球上のすべての生命にとって、民主的で調和的な発展のために」を目的に1994年に設立されたNPO。