特集1 気候変動へ向けた取組み

深刻化する気候変動問題

頻発する自然災害や異常気象など、気候変動が社会に与える影響が拡がっています。こうした状況のなか、2015年12月には国連気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)においてパリ協定が採択されました。2015年9月に発行された、世界で顕在化しているさまざまな社会的課題の解決に向けた国際合意である「持続可能な開発目標(SDGs)」の目標13においても、「気候変動とその影響に立ち向かうため、緊急対策を取る」ことが掲げられており、さまざまな主体が協働して取り組むことが重要です。
これまで気候変動に関しては、温室効果ガスを削減し、気候変動の進行を「緩和」する取組みが主に進められてきました。しかしながら、これまで排出してきた温室効果ガスの影響は避けられないため、自然災害の増大、水資源の減少等の影響を低減し、気候変動へ「適応」する取組みの必要性が高まっています。特に、企業による適応の取組みや、先進国による途上国支援を加速していくことが求められています。

SOMPOホールディングスグループの気候変動への「適応」と「緩和」

気候変動による自然災害の増加は、当社グループの中核事業の一つである保険事業において、お支払いする保険金の増加、それに伴う保険料の上昇といった影響が生じる恐れがあり、安定して保険を提供することが難しくなる可能性があります。一方、このようなリスクに対する商品・サービスへのニーズの高まりは、新しい保険マーケットの創出や拡大につながる可能性があります。
当社グループは、「安心・安全・健康」を提供する企業グループとして、グループCSRビジョン、グループ環境ポリシー、グループCSR調達ポリシーを定め、気候変動への取組みに努めます。そのうえで、グループCSR重点課題3「地球環境問題への対応」に示しているとおり、気候変動への適応と緩和にバリューチェーン全体で対処し、新しいソリューションを提供することで、持続可能な社会の実現に貢献していきます。

当社グループの気候変動対策のあゆみ

気候変動の「緩和」について、当社グループでは、1997年に国内金融機関で初めてISO14001(環境マネジメントシステム)認証を取得以降、PDCAサイクルを通じた自社の省エネ・省資源の取組み、環境に配慮した調達などの取組みを展開しています。1998年には、自社での経験・ノウハウを活かし、グループ会社を通じて、環境マネジメントシステム構築支援のためのコンサルティングサービスの提供をはじめました。温室効果ガス(GHG)排出量については、2013年に、排出量削減の中長期目標を設定しました。グループ全体で2020年までに2002年度比40%削減、2050年度までに70%削減を目指しています。
気候変動の「適応」については、業界内で先駆けて取組みを開始しており、2007年から、国際協力銀行(JBIC)などとともに、気候変動に対応するリスクファイナンス手法の研究を進めてきました。その成果を活かし、2010年から、タイ東北部において『天候インデックス保険』の提供を開始しています。現在は、対象地域をフィリピン、インドネシア、ミャンマーまで拡げ、2025年までに、東南アジアにおいて、3万軒の農家に『天候インデックス保険』を提供することを目標に取り組んでいます。また、気候変動により増加する自然災害へのリスク評価手法の開発を研究機関と連携して進めており、日本およびアジア諸国における洪水リスク評価モデルの開発など、新たなソリューションの提供に努めています。

天候インデックス保険 ヒアリングサーベイの様子(ミャンマー)

バリューチェーンを通じた気候変動の緩和策の具体的な取組み

バリューチェーンを通じた気候変動の緩和策の具体的な取組みは以下をご覧ください。

研究活動を通じた社会へ向けた発信

当社グループでは、研究機関や行政機関と協働し、気候変動リスクなどに関する研究会を開催しています。また、その成果を活かし、適応の実践事例や適応策推進に向けた提言をまとめた書籍の出版や、市民向けのシンポジウムの開催など、気候変動問題の解決に資する情報を、社会へ広く発信しています。

『気候変動リスクとどう向き合うか-企業・行政・市民の賢い適応』
気候変動の影響などにかかわる知見や課題、推進のための理論、豊富な実践事例や適応策の推進に向けた提言を掲載

気候変動対策へ向けたリーダーシップ

イニシアティブや国際会議を通じたリーダーシップ

気候変動問題を解決するには、さまざまな主体が連携して取り組むことが重要です。国内外のさまざまなイニシアティブや国際会議において気候変動対策が議論されるなか、当社グループは率先してイニシアティブなどに参画し、主導的役割を担うよう努めています。主な取組みを紹介します。

Caring for Climate

国連グローバル・コンパクト(UNGC)、国連環境計画(UNEP)、国連気候変動枠組条約(UNFCCC)が設立した気候変動への企業の役割向上を目指すイニシアティブ「Caring for Climate」において、損保ジャパン日本興亜CSR室シニア・アドバイザーの関正雄が運営委員会メンバーとなっています。

CDP

世界の機関投資家が、企業に気候変動への戦略や温室効果ガス排出量の公表を要請するプロジェクト「CDP」において、2005年から損保ジャパン日本興亜は機関投資家として参画しています。また、2016年には、気候変動に関するアンケートで、Aリストに選定され、国内外の金融機関で最高ランクを獲得しました。

国連気候変動枠組条約第22回締約国会議(COP22)への参画・発信

2016年11月にマラケシュで開催された気候変動枠組条約第22回締約国会議(COP22)のサイドイベントとして環境省が主催した、適応への日本企業の貢献に焦点を当てたセッションにおいて、損保ジャパン日本興亜CSR室シニア・アドバイザーの関正雄が登壇しました。また、COP22の会期中に開催されたCaring for ClimateのHigh-Level Meeting on Climate Changeに、運営委員会メンバーとして参画しました。

イニシアティブが発行するレポートでの掲載

東南アジアの天候インデックス保険の取組みは、以下のレポートで紹介されています。

SDG INDUSTRY MATRIX — 産業別SDG手引き— 金融サービス(国連グローバル・コンパクト、KPMG)