重点課題1 防災・減災への取組み

目指す姿

防災・減災に資する商品・サービスなどの提供やさまざまな組織との協働プロジェクトを展開し、人々が安心・安全に暮らせる社会の実現に貢献している。

FACT

世界の交通事故死亡者の状況

世界保健機構(WHO)によると、2013年の世界の交通事故による死者は約125万人でした。うち、発展途上国は世界全体の自動車の54%しか保有していないにもかかわらず、90%の交通事故死者が集中しています。また、世界全体の15-29歳の死因の第1位は交通事故です。持続可能な開発目標(SDGs)では、17の目標のうちの目標3「あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する」のなかで「2020年までに、世界の道路交通事故による死傷者を半減させる」というターゲットを掲げています。

基本的な考え方・方針(Our Action)

交通事故や大規模自然災害の発生・増加、テロやサイバー攻撃などの新たなリスクの増大は、当社グループの中核事業の一つである保険事業にとって、お支払いする保険金の増加、それに伴う保険料の上昇といった影響を及ぼしかねず、安定して保険を提供することが難しくなる可能性があります。一方、当グループは、「安心・安全・健康」を提供する企業グループとして、保険商品に加えて、個人にも社会にも多大な損害を与える災害や事故を未然に防ぐさまざまなサービスを提供することも重要な使命であり、このようなリスクへのニーズの高まりを事業機会ととらえています。
当社グループは、長年にわたって蓄積された膨大な事故データ(ビッグデータ)を解析し、安定的な保険を提供し、新商品・サービスの開発につなげています。また、リスクを定量化するノウハウを活用して、事故の予防や災害による被害の軽減策の提供に取り組んでいます。今後とも多様化するリスクを予防、軽減させるような幅広いサービスを提供し、また、交通事故や自然災害の多い開発途上国などと防災・減災のノウハウを共有することで、サステナブルな社会づくりに貢献していきます。

マネジメント体制

当社グループは、グループ会社横断の「グループCSR推進本部」を設置しています。当社グループCFOが本部長、グループ会社CSR担当役員がメンバーとなり、グループのCSR施策の検討・協議、進捗の確認などを行っています。本部での取組みは、定期的に経営会議や取締役会で協議、報告しています。

目標と実績

2016年度に設定したCSR-KPIの実績および2017年度設定のCSR-KPIは以下のとおりです。
各項目のバウンダリー(影響範囲)は、グループ全体です。

3つの重点アプローチ

重点課題に取り組むにあたって、当社グループの強みを生かすアプローチとして3つを特定しています。以下に、3つの重点アプローチと本重点課題に取り組むにあたっての取組み方針を紹介します。

3つの重点アプローチ 重点課題1での取組み方針
[1]商品・サービス 金融機関やデジタル技術などを活かした革新的な商品・サービスの提供 自動車保険をはじめとする、長年にわたって蓄積された膨大な事故データなどのビッグデータをフル活用し、防災・減災に向けた革新的な商品・サービスを提供していく。
[2]連携 人材育成を意識したNPO/NGOなどをはじめとするさまざまなステークホルダーとの連携 データサイエンティストなど、今後のデジタル戦略の将来を担う人材を早期に発掘・育成するため、さまざまなステークホルダーと連携のうえ、ビッグデータ・AI活用人材の養成機関設立など積極的な取組みを継続的に実施していく。
[3]文化・芸術 継続的に支援し、培ってきた文化・芸術を通じた取組み 多様性あるアートの価値観を活かし、多様な人々が共生できる社会環境の創出を目指す取組みを通じて、子どもや高齢者など災害時に社会的弱者となりやすい方を含む市民一人ひとりの社会参加の機会を増やすような視点を、商品・サービスの開発、提供、防災教育プロジェクトの運営等へ活かしていく。

ステークホルダーからのご意見

2016年4月に公表した「グループCSR重点課題」の見直しのプロセスにおいて、ダイアログを行ったステークホルダーの皆さまからいただいたご意見と、当社の対応を紹介します。

ステークホルダーからのご意見
※( )内はステークホルダーカテゴリ
当社の対応、今後の課題
防災・減災の取組みはSOMPOホールディングスにとって最も重要な課題だろう。(CSRの有識者) 防災・減災に資する商品・サービス開発、提供に継続的に取り組んでいるとともに、リスクに対する意識を高める啓発活動(防災教育の普及啓発『防災ジャパンダプロジェクト』等)にも取り組んでいる。
災害リスクを社会全体でカバーするための重要な主体として、期待している。(行政) 大規模な災害リスクをカバーするには、さまざまなステークホルダーが協働して取り組むことも重要である。引き続き、災害に対応する保険、防災・減災に資する商品・サービスの開発、提供に努めるとともに、さまざまなステークホルダーとの協働を進めていく。
地域での防災の意識啓発の取組みを期待している。(行政) 防災の意識啓発を高めるための防災教育プロジェクト『防災ジャパンダプロジェクト』をはじめとし、地域社会全体の防災意識の向上に資する取組みを進めていく。
人口集中に伴う「都市化」の問題に伴い、交通渋滞、災害時にパニック状態に陥る危険性などの新たな社会的課題が出てきている。そういった状況での防災・減災をどう考えるかの視点も重要である。(NPO/NGO) 震災などで自宅に帰れなくなった帰宅困難者の受け入れ施設の確保にあたる自治体向けの「帰宅困難者対策保険」を開発しているが、防災・減災に資する商品・サービスの開発、防災教育プロジェクト等の視点のなかで都市化の問題を意識して取り組んでいく必要がある。

課題と今後に向けて

ビッグデータ解析などのデジタル技術をさらに活用し、防災・減災に資する革新的な商品・サービスの開発・提供に継続的に取り組んでいきます。また、これまで蓄積してきた防災・減災の取組みのノウハウを、グローバルレベルでの課題解決に役立てるよう、NPO/NGOなどをはじめとするステークホルダーと連携して、さまざまなプロジェクトを展開していきます。さらに、それらのプロジェクトのインパクトにも着目し、効果の分析・測定に取り組むことで、さらなる改善や展開を目指していきます。

主な取組み