お客さまの防災対策支援

日本政策投資銀行(DBJ)と提携し、企業のリスクマネジメントを支援

複雑かつ解決が難しいさまざまな社会的課題を解決するためには、一つの金融機関だけでなく、セクターを超えた連携による総合的な金融調整機能を通じた貢献が重要になっています。
損保ジャパンは、金融機関の連携による新たなサービス提供の一環として、DBJと提携し、企業の防災対策を支援しています。DBJの企業の格付機能を活かし、「DBJ BCM(事業継続マネジメント)格付」で高い評価を得た企業に対し、工場などの操業が停止した際の損失を補う企業総合補償保険(費用・利益補償条項)の保険料を最大で20%割引しています。さらに、防災対策を強化したいDBJの取引先には、SOMPOリスクマネジメントから事業継続計画(BCP)の策定支援サービスなどを提供しています。このように、DBJの格付機能、SOMPOグループの損害保険およびリスクマネジメントのノウハウを活かし、総合的な金融サービスを提供しています。

【業界初】太陽光発電システム事故時の自家消費電力の損失を補償

脱炭素社会実現に向けた省エネルギー・再生可能エネルギー住宅の普及を促進するため、業界で初めて、太陽光発電システムが事故によって損害を受けた際の自家消費電力の損失の補償を開始しました。

太陽光発電の固定買取価格は年々低下しており、お客さまが自家発電した電気を売却せず、自宅用の電気として消費する(以下「自家消費」)傾向が高まっています。また、近年の電力価格の高騰から、お客さまの住宅に設置された太陽光発電システムが事故によって損害を受け、自家消費用の電力を発電できない際に、お客さまが自己負担しなければならない電気代相当額も高騰しています。

一方、損保ジャパンは、2018年8月にスマートハウスやZEH*(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)等、次世代型の省エネルギー住宅の普及を促進するため、サイバーリスクによって生じた費用と太陽光発電システムが事故で損害を受けた場合の売電収入の損失を補償する『IoT住宅費用「売電収入・サイバーリスク」特約』を業界で初めて販売しましたが、お客さまの住宅に設置された太陽光発電システムが損害を受けた際に、お客さまが被る売電収入の損失のみが補償対象だったため、売電から自家消費に切り替えたお客さまに対して、十分な補償を提供することができませんでした。

このような状況を踏まえ、本特約の補償対象を、自家消費用の電力を発電できなかったことによりお客さまが負担した電気代相当額にも拡大しました。これにより、売電、自家消費のいずれの場合においても、お客さまに補償を提供することが可能になりました。

  • 室内環境の質を維持しつつ大幅な省エネルギーを実現したうえで、再生可能エネルギーを導入することにより、年間の一次エネルギー消費量の収支がゼロとすることを目指した住宅

最新のデジタル技術を活用した総合的ハザードマップサービスの開発

損保ジャパンは、公的機関等が開示するハザードマップに損保ジャパンの保険金支払実績データを加えたオリジナルのハザードマップ『THE すまいのハザードマップ』を開発し、2018年4月から全店でリリースしています。

1.開発の目的・コンセプト

  • 近年、地震や台風等の自然災害の増加を受け、お客さまの災害に対する意識が高まっています。このような現状をふまえ、最新のデジタル技術を活用し、地震発生確率や洪水時の想定浸水深、土砂災害危険箇所などの自然災害リスクを可視化した、独自の総合的ハザードマップサービスを開発しました。
  • 本サービスは、損保ジャパンの代理店がお客さまへ、火災保険・地震保険のご提案時や更新のタイミング等にご案内する情報提供ツールです。お客さまご自身がお住まいの地域の自然災害のリスクを正しく理解していただくことで、加入される保険に対する納得感のさらなる向上を図ることを目的としています。

2.『THE すまいのハザードマップ』の概要

(1)主な機能・特長

項目 内容

1.お客さまの住所ごとのリスク判定・表示

公的機関等が公表しているさまざまなデータと損保ジャパンが保有している保険金支払データを、GIS*の技術を活用して集約し、可視化します。お客さまの住所を入力すれば、ピンポイントでその場所のリスクを判定、表示することができます。

2.災害や事故事例の表示

災害ごとの事故事例の写真や、支払保険金の事例などを掲載しており、自然災害のリスクを具体的にイメージいただけます。

3.避難施設情報や補償内容のおすすめ表示

自然災害などのハザードマップに加え、緊急時の最寄りの避難施設の情報や、お客さまのリスク度合いに応じた補償内容のおすすめ情報も表示が可能です。
  • GIS(Geographic Information System:地理情報システム)とは、地理的位置を手がかりに、位置に関する情報を持ったデータ(空間データ)を総合的に管理・加工し、視覚的に表示し、高度な分析や迅速な判断を可能にする技術です。

【イメージ1】お客さまの住所ごとのリスク判定・表示

【イメージ2】災害や事故事例の表示

【イメージ3】避難施設情報や補償内容のおすすめ表示

「地震・噴火・津波による建物・家財の倒壊・流失を100%補償」する 特約の販売

損保ジャパンは、地震・噴火・津波による建物・家財の倒壊・流失を100%補償する「地震危険等上乗せ特約」を、2019年4月から全国の損保ジャパン代理店での販売を開始*しました。

  • 本特約自体は2015年10月から販売を開始していますが、一部の代理店での限定販売としていました。

1.「地震危険等上乗せ特約」開発の背景

  • 政府と保険会社が一体運営する地震保険では、最大で火災保険金額の50%までしか補償されません。
  • 東日本大震災の発生時には、倒壊した住宅のローンと建替えのローンの「二重ローン問題」が社会問題となりました。住宅の再築や家財の再購入を行う場合は、地震保険の保険金を上回る資金が必要となることから、東日本大震災の発生後、当社には家計地震保険の上乗せ部分の補償を望むお客さまの声が寄せられました。
  • 当社は、このようなご要望にお応えすべく、本特約を開発しました。

2.「地震危険等上乗せ特約」の概要

  • 地震保険金と地震危険等上乗せ特約の保険金を合計して、最大で火災保険金額(再調達価額)の100%まで補償することが可能な特約です。
  • 本特約は、個人用火災総合保険またはマンション総合保険にセット可能です。なお、マンション総合保険(分譲マンションの共用部分)を対象とできる補償は業界初となります。

企業・地方公共団体向けの事業継続および防災・減災に関わる支援

<企業等向け>
東日本大震災等の自然災害や新型コロナ感染症を経て、企業の防災減災・事業継続の取組みは、多様なリスクを想定したBCPの策定、様々なケースを想定した実効性向上のための教育・訓練の実施、働き方改革に対応した防災減災・事業継続体制の構築といった段階に移行しています。SOMPOリスクマネジメントでは、従来のコンサルティングサービスに加え、オールハザードアプローチによるBCP策定、課題・ニーズに合わせた多様な研修・訓練の企画・実施、災害対策本部運営キット(HONBUくん)の提供等をはじめとしたメニューを通じて、様々なお悩みを抱える企業を総合的にサポートしています。

<地方公共団体等向け>
我が国では、相次ぐ大規模な自然災害や新型コロナ感染症のほか、弾道ミサイルの発射事案など様々な危機が発生しています。地方公共団体は、これらの危機から住民の命等を守るために対応計画を策定し、危機対応力の向上に向けた教育・訓練を実施することが求められています。
SOMPOリスクマネジメントでは、計画・マニュアルの策定(地域防災計画、業務継続計画、受援計画、国土強靱化地域計画、国民保護計画等)、教育・訓練の企画運営、帰宅困難者対策協議会の運営、災害対策等に関する調査・研究などを通じて、災害や危機に強いまちづくりをサポートしています。

長周期地震動リスクの評価精緻化に関する共同研究

SOMPOリスクマネジメントは、主要な自然災害の一つである地震リスクに対して、その対応策となる新たな保険サービス、リスクコンサルティングサービスの提供を目指し、日本および世界における地震リスクの評価手法を研究開発しています。
その一環として、長周期地震動*1のリスク評価の精度向上を目指し、国立研究開発法人 防災科学技術研究所、株式会社 小堀鐸二研究所と共同研究を実施しました。長周期地震動は、2011年の東北地方太平洋沖地震の際に大阪市内の超高層建物で生じた天井ボード落下など、震源から遠く離れた平野や盆地にある高層建物や大規模構造物に被害をもたらす原因として注目されています。特に、将来の発生が懸念される南海トラフ地震や相模トラフ地震では、高層建物が集中する関東平野や濃尾平野、大阪平野で長周期地震動による被害発生が危惧されており、政府は長周期地震動に関する調査・研究を2007年度から開始しています。
本研究の特徴は、防災科学技術研究所による長周期地震動の生成伝播シミュレーションと小堀鐸二研究所による高層建物の応答解析にもとづき、長周期地震動による高層建物の被害に関して金額ベースでのリスク評価の精緻化を行った点です。
今後、本研究の成果を、保険・デリバティブ商品の開発、BCP策定などのリスクコンサルティングサービスの高度化に活用し、お客さまのリスクマネジメント体制の構築に貢献してまいります。

  1. おおむね周期2秒程度以上の地震動を指します。

長周期地震動の指標となるエネルギースペクトル(VE)分布と
速度応答スペクトル(SV)分布の分析結果(相模トラフ地震)

企業の海外事業展開におけるリスク対策

少子高齢化に伴う国内市場の縮小や価格競争の激化などを受けて、海外拠点の拡大や新たな進出先の検討を開始する日本企業が増えています。一方、不透明な国際情勢下でリスクが複雑化するなか、海外で危機に遭遇する企業も数多く見受けられます。
SOMPOリスクマネジメントでは、海外進出企業のリスクマネジメント活動を支援するため、海外拠点のリスク洗い出し・評価などを行う「グローバルリスクマネジメント体制構築支援サービス」や、ガバナンス・リスク管理・コンプライアンスの観点から海外拠点の経営リスクを診断する「海外子会社経営リスク診断サービス」、「海外拠点向けリスクマネジメント・コンプライアンス研修会」、「現地セキュリティ調査」などを含めた「海外リスクコンサルティングサービス」を提供しています。また、危機に直面した場合に備えた「予兆分析支援」や「危機対応訓練」など、「海外危機管理」に関するメニューをワンストップでご提供することで、海外へ進出されるお客さまのご要望にお応えしております。

サイバー攻撃によるリスクへの対応

目には見えにくいサイバーリスクを、先進技術を活用することで目に見えるかたちに変え、社会課題の解決に努めます。

「サイバー保険」の提供

損保ジャパンは、経済活動を行う企業の情報システム・ネットワークに関する有効なリスクマネジメントの1つとして、電子データの損壊・情報漏えい・ネットワークの使用不能等のサイバーセキュリティ事故による損害賠償金や原因調査費用、利益損害など、補償範囲の広い「サイバー保険」を提供しています。また、サイバー攻撃による情報漏えいなどが発生した場合には、被害を最小限に食い止める必要があり、迅速な原因調査や被害拡大防止などの緊急対応の重要性が増すことから、これらの支援を行う専門業者と連携し、円滑な復旧を支援するサービス(緊急時サポート総合サービス)を、「サイバー保険」に加入したすべてのご契約者に提供しています。

緊急時の各種サポート機能

サイバー攻撃に対する最適なサービスをワンストップで提供

3つのポイント

1. 伴走 Escort
お客さまからのヒアリングやシステム的な診断、調査等を実施し、守りたい資産や潜在的なリスクを可視化し、お客さま自身で自律的にセキュリティ対策の優先順位付けを行えるようサポートいたします。

2. 最適 Optimize
自組織にマッチしたセキュリティ対策を講じるには、リスクを特定・分析・評価し、守るべきものの価値と照らし合わせ、優先順位付けを行う事が重要です。目に見えにくいデジタル領域のリスクを可視化し、コストも含めて最適化した対策を行うために、独自のルートで調達したイスラエルを始めとした海外の先進的なソリューションや、各種アセスメント・診断などのサービスを提供いたします。

3. サイバーセキュリティ・シフトレフト Cyber Security Shift Left
従来のソフトウェア開発において活用されてきた「シフトレフト」の考え方をサイバーセキュリティ対策に取り入れ、サイバー攻撃を受けるステップのより早い段階でのプロアクティブな対応を支援いたします。

サイバー攻撃における一連のステップ

<組織のリスク可視化を支援するサービス>

■インシデント対応
不正アクセスやマルウエア感染等のサイバー攻撃によるインシデントへの対応として、リスクアセスメントのノウハウや保険の事故対応で培った経験等をもとに、お客さまのインシデント対応を支援します。

■調査・診断(セキュリティ診断)
WEBアプリケーションからネットワーク、クラウドなど対象範囲の幅広さと、簡易診断や疑似侵入テストまでお客さまの様々なご要望に応じられるラインナップの深さで、ITインフラに潜むリスクを豊富な実績を持つエンジニアが調査・診断を行います。

■調査・診断(リスクモニタリング)
脅威インテリジェンスや、サプライチェーンのサイバーリスク評価など、組織のリスクを可視化し継続的にモニタリングするサービスを、先端的な海外ソリューションを活用して提供します。

■コンサルティング
各種情報セキュリティ規定への適合支援や、現状を把握する為のリスクアセスメントを提供します。技術的手法による実態調査まで行う事で、潜在的なリスクまで可視化することができます。

■研修・演習
システム的なリスク対策と両輪となる人の脆弱性への対処として、様々な研修や演習のサービスを、規模やご要望に応じてカスタマイズして提供します。

中国における取引先への防災関連サービス無償提供開始

当社グループの「日本財産保険(中国)有限公司」(以下「SOMPO中国」)は、中国の保険会社として初めて、取引先企業に対して以下のような防災関連サービスの無償提供を開始しました。

BCPの実効性を高める「図上訓練サービス」

グローバル化の進展により、企業のサプライチェーンは海外にも拡大しており、それに合わせて、企業においては海外での災害も想定したシナリオの策定および実効性の確保が求められています。
中国は、その市場規模の大きさなどから、多くの企業が重要拠点を配置していることや、急な法制の変更、ITインフラの脆弱性、想定を超える自然災害や爆発事故の発生など、日本とは異なるリスクが多数存在することから、中国リスクに特化したシナリオの策定とその実効性を高める取組みの必要性が増しています。
このような背景をふまえ、SOMPO中国は、企業が災害時に重要業務が中断することを防ぎ、また万一中断してしまった場合でも、被害を最小限に抑え、早急に復旧させることを支援するため、取引企業に対して図上訓練の無償提供を開始することとしました。

●サービス概要

提供先:SOMPO中国の取引企業(全業種)
サービス内容:状況予測型の図上訓練サービス

  1. 火災爆発リスクを想定した図上訓練
  2. 物流事故リスクを想定した図上訓練
  3. 環境法規遵法性リスクを想定した図上訓練
  4. 新型感染症拡大リスクを想定した図上訓練
  5. 情報セキュリティー・サイバーリスクを想定した図上訓練
  • 今後、ニーズに応じて想定シナリオを増やす予定です。
    対応言語:中国語、日本語、英語

VRを活用した「仮想型防災訓練サービス」

SOMPO中国は日本の大手消防設備会社である株式会社初田製作所グループ会社である初田(上海)国際貿易有限公司と提携し、取引先企業向けにVR技術を活用した「仮想型防災訓練サービス」の無償提供を2019年4月から開始しました。

●サービス概要

提供先:SOMPO中国の取引企業(全業種)
サービス内容:仮想型防火訓練サービス
工場・倉庫・高層ビル内を想定した火災事故をVRで再現し、企業の従業員に被災場所からの避難を疑似体験していただくものです。この仮想型訓練により火災発生時の緊張感を体感いただくことで、中国の法規制に準拠した防災訓練や災害時の初動対応訓練の重要性をより一層実感いただくことができる内容となっています。
対応言語:日本語、中国語、英語

SOMPO中国は、今後もお客さまへの安心・安全・健康に資する最高品質の商品・サービスを提供していきます。

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