マネジメントメッセージ

2024年4月

奥村 幹夫 グループCEO 取締役 代表執行役社長
奥村 幹夫

SOMPOグループの成長の軌跡

私たちSOMPOグループの存在意義とは、変化が激しく予測困難な事業環境の中でも、多様な事業を通じて、持続的に「安心・安全・健康」に資するサービスをお客さまに提供し、人々をリスクからお守りする、そして健康で豊かな社会づくりに貢献することです。
創業から135年、グループの源流である国内損害保険事業を軸としながらも、成長期待の大きい海外マーケットへの積極的な経営資源の投入や、高齢化が進むことで拡大が見込まれる介護マーケットへの参入など、外部環境の変化にあわせて、これまでグループの事業ポートフォリオ変革を積極的に進めてきました。
その結果、海外保険事業はグループの成長を牽引する事業へと拡大するとともに、国内生命保険事業では健康寿命の延伸に資するInsurhealth®商品の販売を開始し、また介護事業ではSOMPOケアがシニアリビング居室数業界1位のトップオペレーターに成長するなど、「安心・安全・健康」に対するお客さまのより幅広いニーズにこたえられる存在へと成長を遂げてきました。

外部環境とお客さまのニーズの変化

今日では、当社の事業を取り巻く外部環境は劇的に変わっています。その変化に伴い顕在化する新たなリスクや社会課題に対して、当社はこれからもグループの総力を挙げてソリューションを提供していきます。
顕著な例としては、日本の人口動態の急速な変化です。出生者数は2016年に100万人、2023年は75 万人台まで低下しました。総人口、労働人口ともに今後さらに減少していくことが予想されます。働く人が減り、支えられる人が増えることにより、医療・介護現場における需給ギャップが拡大し、社会保障費が増大するなどの課題が顕在化しています。
こうした課題に対して、供給サイドにおいては介護業界のリーディングカンパニーであるSOMPOケアが、データやテクノロジーを活用して品質の向上と業務の効率化などの変革に取り組んでいます。また需要サイドにおいても、SOMPOひまわり生命を中心に健康寿命の延伸を目指した商品やサービスの開発を進めています。
また地球規模の気候変動による自然災害の頻発化や激甚化も、当社の損害保険事業に大きな影響を与える要素の1つです。これに対しては、お客さまに安定的に保険を提供しリスクからお守りできるよう、ポートフォリオの最適化を通じてレジリエンスを高めるともに、リスク管理のノウハウを活用した防災や減災などにも取り組んでいます。
重要なのは、このような社会の変化に合わせてお客さまのニーズも絶えず変化していることです。
実際、テクノロジーの進歩により、例えばモビリティ産業では車は所有するものからシェアするものへと変わり、移動の概念自体が変わりつつあります。また医療の分野においても、病気に対する保障が重視されてきた時代から、予防や未病対策が重視される時代へとシフトしています。

お客さまのニーズ変化に合わせたSOMPOグループの変化・進化

変化が大きく予測が困難な環境下でSOMPOグループが持続的に成長を遂げるためには、外部環境の変化としっかり向き合い、それにあわせて私たち自身を変えていくよりほかありません。
当社は135年の歴史を通じて事業基盤やお客さまとのつながりを構築してきましたが、これまでの常識や成功体験から脱却しなくては、劇的な環境変化に対応することはできません。
お客さまのニーズの変化を的確にとらえ、その変化にあわせた新しい商品やサービスを提供できるようなビジネスモデルへと、私たちSOMPOグループを変化、進化させていくことが求められています。

「レジリエンスの更なる向上」と「お客さまをつなぎ、サービスをつなげる」戦略

そのカギとなるのが、2024年度からの中期経営計画における「レジリエンスの更なる向上」と「お客さまをつなぎ、サービスをつなげる」戦略であり、それを実現するための3つの成長の軸です。
1つ目の軸は国内損害保険事業における新しい損保ジャパンに向けた取組みです。これまでの慣習や常識をゼロから見直し、社会の変化に対応できる事業基盤と収益基盤を構築し、高い資本効率を実現します。
2つ目の軸は、海外保険事業の更なる成長です。引受規律を堅持しつつも、米国、カナダ、欧州、アジアなどにおける地理的拡大を通じて利益の拡大を図り、グループの成長ドライバーとして、更なる収益貢献を実現していきます。
そして3つ目の軸は、ウェルビーイング・イニシアティブです。少子高齢化の進展とともに、「1億総介護時代」が現実味を帯びる中、長生きすることによって生じる老後のお金の不安や、施設や人手が不足して十分に介護サービスが受けられない不安など、様々な「不」が生まれています。このうち、特に健康、介護、老後資金の 3つにまつわる「不」の解消を目指して、当社グループの持つ介護サービスやInsurhealth®商品をさらに拡充していくだけでなく、それぞれのサービスやデータをつなぐことで、お客さまのニーズに「長く」「厚く」応えるサービスを積み上げていきたいと考えています。そうすることでお客さま一人当たりのLTV(Life Time Value)を拡大し、中長期的な利益成長を目指します。

グローバルピアと伍して戦える企業へ

グループの持続的成長を支えるのが人材であり、職員の専門性強化に向けた積極的な投資を実行します。また、多種多様な経験と価値観を持った人材が、性別、国籍、年齢などに左右されることなく強みを発揮して、社会やお客さまに新しい価値を提供できるよう、ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンを推進していきます。
これらの取組みの結果、SOMPOグループは全ての事業を通じて稼ぐ力を高め、持続的な成長を目指していきます。そして、グローバルに展開する企業グループとして、グローバルピア水準の成長性と収益性を実現していきます。

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